あの地平線輝くのは、
あの地平線輝くのは、どこかに君をかくしているから。
ご存知「君をのせて」の歌詞なのだけど、子どもの頃は特に何とも思っていなかった。
この歌詞に意味が、輝きを持ち始めたきっかけになったのは『ハチミツとクローバー』という漫画の中で、世界が美しいのは、君をのせて回っているからといういつぞやに聞いた歌詞を思い出すほど、君と見る夕暮れの空は、それはそれは胸がどこか苦しいくらいきれいでたまらない。
というシーンがあって、歌詞の意味を、僕は初めて知ったのだった。
この歌詞を書いた宮崎駿は、星の王子さまのファンで、君をのせての歌詞は、星の王子さまと通じる部分もある。
王子さまは、パイロットと別れの場面で、こう話す。
お別れはさびしいけれど、でもあの星のどこかに僕がいると思ったら、空は、星は美しく感じるし、空を見上げたくもなるだろう。
空を見上げればいつでも僕に会える。
そしてその気持ちがなぜ生まれるのかを説明したのが、一輪のバラのエピソードで、王子さまはじぶんの星にあった一輪のバラを大切にしていたけど、地球で大量のバラが咲く場所で大量のバラに出会い、じぶんのバラは珍しくも価値もなかったのかと、落ち込んでしまう。
けれど王子さまは気付く。
あのバラが貴重だから大切にしていたのではなく、大切にしていたから大切に感じるのだと。
つまりじぶんが手間暇を惜しまず、時間をかけてバラと向き合い、愛していたから、あのバラは唯一無二のバラであるし、バラを愛せるのも、バラを愛していたからだ。
まず与えることが、世界を美しく感じるための、ただ一つの方法なのだと、星の王子さまは気付いたのだ。
この世界に足跡を、関係性を作っていくことが、生きるということなのだ、と。
今日は金曜日で疲れもイライラも、もしかしたらピークかもしれない。
でも僕らはこの世界とじぶんの関係性の中に幸福を、美しさを見出だすものだと、どこかで忘れなければ目の前の不機嫌そうな人にもやさしくできるのでは?許せるのでは?
と思って書きました。
良い週末を。
今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。
友人が名古屋に居るとなれば名古屋の天気が、福岡に居るとなれば、福岡が気になるのもこの効果ですよね。
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