永遠に繰り返される思い出
ドラえもんの結末の都市伝説に、実はのび太は植物状態で、アニメで流れていたエピソードはすべて彼の想像力の産物。
実はのび太の肉体は病院のベッドの上にある。
最終回、彼は植物状態から目覚め、見ていた世界が夢だったと知る。
おしまい。
その話を昔聞いた時、ゾッとしたし、でも物語のオチとして、とてもよくできているなぁと感心した。
そうやって世界を眺めると、たしかにこれが現実か自身の夢、想像力かは案外区別がつかない。
見ている世界は今ほんとうはなくて、自分の頭の中だけで繰り返される永遠のオルゴールみたいなものなのだとしたら、、。
時折ふとした日常の中にもその気配や香りを探してしまうことがあり、それを一番感じるのはドラえもんと並ぶ人気アニメ「サザエさん」の中にそれを感じる。
実は磯野家が最も幸せだった時代、瞬間が、ボクらが毎週見てたあの時で、みんなが居て、語り、笑いあっていた。
今はない昔。
変わってしまった現実。
あそこにいた誰かが永続的に思い出していたとしても不思議ではない。
ボクらはその思い出に並走している。
なぜならじぶんにも必ずそんな瞬間、そんな時代があったから。
忘れないのは当たり前だけど思い出すためで、忘れないように思い出すのは目の前の世界が移り変わってしまうから。
現実だけを、今だけを見て生きることができるならそれでもいいけれど、時折幸せだった昔に浸りながら、今を生きることがあったっていいと思う。
そのための記憶であり、思い出せるという力なのだから。
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