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僕にとってのイチロー

僕は天才ではありません。

昨日引退を発表したイチロー選手のかつてのことばです。

僕がイチロー選手を初めて意識したのは、1995年のことです。
その年は1月に阪神淡路大震災という災害があり、都市部が被害を受け、高速道路が横に倒れたり、街中から火災が上がるショッキングな映像が中継で配信され、記憶に強く残っている。
しかしそんななかプロ野球パリーグのペナントレースのチャンピオンとなったのは、オリックスブルーウェーブというチームで、彼らは本拠地を神戸に置き、スローガン「がんばろう、神戸」を掲げて95年、見事優勝をはたした。

そしてそのチームの中心選手が、プロ4年目の若きイチロー選手だった。

僕は野球というスポーツは、観戦もプレーもしないので、本当の詳しいことはわからないが、それでも華やかなプロ野球の世界の、そのプロの中でも更にスター選手、トップ選手と言われる部分に彼がおり、タイトルや記録を95年以降も次々と打ち立てていく彼のスゴさは素人目にもハッキリ分かる。

彼は次元が違う、と。

でも僕が彼の事を昔から好きなのは、彼の成績がすごいからでも、身体能力が高いからでもなく、人として、『正直』で『誠実』だからだ。

先ほど書いたように、彼は僕が小学生の時にはもう球界を代表するスター選手で、走攻守どの能力も高いオールラウンダーで、天才と呼ばれるにふさわしかったし、誰もが彼を野球の神様に愛された才能だと思っていた。
自分が彼なら天才と呼ばれてそうなのかもしれないと思っていただろう。

でも彼は違った。
冒頭のことばに戻るのだけど、「自分は天才ではない。」と。

多くの他のものに見向きもせず、毎日ひたすらに野球と向き合い、鍛練し続けたし、今も続けているから、今があるし、これだけ野球と向き合って日々努力して積み重ねているのだから、自分は天才ではない、と。


天才だからできちゃうんです、凡人とは違うんで。
とも言える状況で、一つのことに集中させることで、人より多くの時間を使って、長く続けて積み重ねた成果です。
と伝えてくれるところに、今も昔も、なんて正直で、誠実な人なのだろうと心底思った。

野球少年にも、あるいは何かを目指している人にも、もしくは今壁にぶち当たっている人にも、彼が天才ではないということばは、彼の結果が凄まじいほどその人達の支えにもなります。

わたしもイチローになれる、と。

プレー以外の彼のことばが、注目されるのは、きっと多くの人にも通じている普遍的なものであるし、そのことばが彼の日々の葛藤と努力から生まれていることばだから刺さるし、支えになるし、響くのだと思います。

そしてそれを惜しまない彼の正直さと誠実さが、やはり僕は彼を好きな理由だと思いました。

今後の活動もかげながら応援して参る所存です(何の宣言?)。

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