なんでこんなにもBullshit Jobが蔓延してるのか?:制度の失敗か、人間心理の作用か?
今週は「Bullshit Jobウィーク」ということで、引き続きBullshit Job:クソどうでもいい仕事、について考えてみたいと思います。
昨日、Bullshit Jobにまつわる現状を少しデータでおさらいしてみました。
結構、ビジネスマン(と思われる)友達からコメントをもらい、ビュー数も多く、反響が大きかったのかなあなんて思っています。やっぱりみんな、多かれ少なかれ、「自分の仕事はクソどうでもいいのかも、、、」なんて感じてるのでしょうか。。。
(ちなみに、昨日も書きましたが「自分の仕事はBullshit Jobなんではないだろうか、、、?」という疑問を持つことは極めてまっとうなことだと思っています。僕は、新卒で会社に就職して以来、この疑問を持たなかった日はおそらく一日もありません。 まっとう!笑)
資本主義社会ではBullshit Jobは蔓延しないはず?
ということで、ここからは「なぜBullshit Jobが蔓延しているんだろう?」というコアな問いについて考えてみたいと思います。
が、その前に一応前提の確認ですが、この資本主義社会においてはBullshit Jobは蔓延しないはずなのです。なぜなら、以下の動画(昨日と同じもの)でDavid Graeberさんも言っていますが、資本主義社会においては、複数の会社が競争し、より高い価値を社会に対して提供できた会社が儲かり、従業員に高い給料を払うことができ、より優秀な社員を獲得することができ、さらに競争優位になってより多くの価値を社会に提供できる、というポジティブな循環が生まれる、とされているからです。
少なくともこれが、経済学や経営学の理論が主張していることでしょう。(間違っていたらご指摘ください。。。)
なので、Bullshit Job(なくなっても何の問題もない仕事なのに高給で、優秀な人が従事している)は一時的に生まれても、淘汰されるはずなのです。なのに、そうなってない。
(社会主義や共産主義国では状況は違います。社会主義や共産主義は完全雇用を生み出すことを重要な政策としているので、非効率で意味のない仕事が量産されることになります。)
Bullshit Jobが蔓延する理由の考察:4つの類型
さて、じゃあどうしてBullshit Jobがこんなに生まれて、しかも淘汰されないんでしょうか?
昨日の記事にいただいたコメントも踏まえてその原因を4つに分類してみました。(MECEである保証は全くありませんが。)明日から一つずつ掘り下げて考えてみたいと思います。ここではざっと概観を書きます。
①個別の会社の間違った経営方針がBullshit Jobを生み出している
→昨日頂いた『「ジェネラリストがスペシャリストを従える」をはき違えた「ド素人考えを正しいとする空気」が原因ではないか?』というコメントから着想を得ました。会社の経営方針や人事施策を間違えると、Bullshit Jobが生まれる可能性がありそうです。
②間違った国や社会の制度がBullshit Jobを生み出している
→昨日頂いた「戦略的にBullshit Jobを選ぶことが合理的になってるのではないか?」というコメントや「既得権益を守る人たちや、変化を望まない層も必ずいる」というコメントから着想を得ました。国や社会の制度が歪んでいる為に、Bullshit Jobが生まれてしまっている可能性があります。窓際族や追い出し部屋問題についても考えてみようと思います。
③社会における認知の失敗がBullshit Jobを生み出している
→社会一般において「失業していること」があまりにもネガティブなレッテルを張られてしまう為に、不必要な仕事でさえも創り出すインセンティブが社会に生まれてしまっているのではないか?という仮説です。失業状態って環境に良いのでは?というような極端な主張も考えてみます。
④個々人の認知の失敗がBullshit Jobを生み出している
→昨日頂いた「自分で仕事の意義を価値できないぐらい専門分化したり複雑化してしまったってことなのかも」というコメントから着想を得ました。本当はすべての仕事に意義や意味があるんだけど、それが個人として実感しにくくなっているのではないか?という点について考えてみます。
ということで、明日から上の一つ一つについて考えてみようと思います。順番は分かりません。笑 考えやすいものから考えてみようと思います。①と②は制度に関するものです。③と④は心理に関するものです。もちろん現実の社会は複雑怪奇なので、これらが入り組んで作用していると思うのですが、ちょっとこの整理でトライしてみようと思います。
①~④を考えるうえで新たに思いついたアイデアとかは順次追加していこうと思います。
明日に続く。