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日本が劣る「世界幸福度ランキング」を鵜呑みにしてはいけない「単純な理由」

さてすっかりおなじみになった「世界幸福度ランキング」、日本はいつも下位にいるイメージをお持ちだろう。改めてチェックしてみるとここ数年は少しずつ順位を上げているものの、やはり2023年も47位と散々な位置づけだ。上位は概ね北欧の国々が上位を占めていて、「経済規模はそこそこでも福祉や教育などが充実してワークライフバランスが良く、成熟した良い社会なのだろう」というイメージをわたしも持っていた。対して日本は・・・と。

しかしこれが実状を現わしていないかもしれない、と先日気づかされたことがあった。仕事関係でスウェーデンの人と食事をした際に、日本の社会について話題になった。外国人と話しているとよくあることだが、日本の良さをべた褒めするのである。日本のあらゆる外食のレベルの高さ(と安さ)、街が極めてクリーンであること(地下鉄のホームは“シミひとつない”そうだ)、小学生が独りで通学できるほどの安全さ(これが“ありえない”国も多い)、相手に対する思いやり・・・そこでわたしが「まぁそうだけど、幸福度ランキングでスウェーデンは上位、日本は下の下だよ」と切り返したのである。それに対する彼の視点が目から鱗だった。

「それは日本人の点数のつけ方が厳しすぎるんだよ」というのである。例えば「自分の生活、人生はそこそこ普通かな」と思っている場合、スウェーデン人などは10点満点で8点くらいはつけるが、日本人は4-5点をつけるのではないかと。
ちなみに彼は若くしてアメリカに渡り、奥さんはアメリカ育ちの日本人であるし、これまで世界のいくつかの国で暮らしてきた国際人である。その視点から日本人はどうも自他に対して評価が厳しすぎるという。これは確かに一理ある。

メディアなどは日本はダメという論調ばかりで、すっかり日本人は自信を無くしてしまっているようだし、毎年発表される「幸福度ランキング」で改めて突きつけられるような思いだが、そうやって益々自己評価を下げて卑屈になるのはどうなのだろう。

味噌汁を飲んで「日本人に生まれて良かった〜」とかいう人がいるが、普通に道端を歩く時、電車に乗る時、コンビニで買い物する時など普段の生活の中でも同じように感じるべきなのかもしれない。