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体験組成研究室 その3「Future Existence(FX)未来にいる存在たち…を考慮する~それは古くて新しい日本の民衆の智慧」(ひとまずメモ)

★FXの考慮がなされている企業事例~ファーストリテイリング・ユニクロ

前回・その2‥のページで言及したが、事業・ブランド・サービス・製品等々様々な視点、課題の下、体験を作っていこうというとき、いちいち“未来の存在”までも意識するなんて!と面倒臭く思われた人もいようが、実はそれほど大それたことではない。昭和の田舎のおじちゃんの山菜採りのように、「後から来る村人や他の動物らの分も」「この森の恩恵に与ってこれからも生きていく子や孫たちのためにも」と身近な仲間のことを思って自分の行動(採りすぎない)へ移し、その後もその姿勢を変えないだけ…こんなことも良い事例に該当するだろう。おじちゃんが連れ立った仲間もこの思考を共有し共に自律して山菜採りを楽しんでいけたら、これぞおじちゃんプロデュースのFX(未来の存在)を考慮したコト・体験づくりである。

このおじちゃんの事例にある通り、三方よしにプラスFXを加えた四方よしは、社会課題が多く、かつそれぞれに多様で複雑である今日の時代にあるからこそ求められた思考ではなく、むしろ日本に古来からある集落の民の暮らし(国内の集落すべて、民衆のすべてとは言えないが)に根付いてきたものであろうとみている。

壮大なゴールを掲げ、はるか向こうのその地点へジャンプジャンプでできるだけ早く辿り着くのが正解・勝利という以前に、この目の前のステップをまず手を抜かずちゃんと上がる。上がったら又次のステップも手を抜かない…というプロセスの精度が問われる。一歩一歩この足で歩み進める、それはゴール以上に大切なこと…いや正しく言うなら、本当のゴールへ辿り着き、そこから又新たな道拓き道歩みを続けていくためには、この一歩一歩なくしては難しいと考えるのがこの思考であると言えよう。そしてこの姿勢・行動とは道を求め道を往く求道者につながるものとも言えるのではないだろうか。道の先以前に、この道をなぜ、いかに往くのかを常に自らに問い、信じるところに従い歩み続ける。
信じるところとは、個々にいろいろなものがあれど、つきつめるところは誰も人としてその魂の奥に刻んでいたい「真善美」につながるものとみている。


<<<FXを考慮した四方よしの経営と体験提供

事例① ファーストリテイリング(FR)・ユニクロ

ユニクロは日本を代表するファッションブランドであり、アジア圏ばかりでなく今や世界でファン層を拡大しているグローバルブランド・企業であるのは言及するまでもない。

まずこのFRさん、ユニクロを四方よしの求道者の企業としてあげるべきかと思う。直近の決算説明で使われた柳井さんのプレゼンテーションのリンクとその資料を以下一部ここに貼付・引用させて頂く。御覧の通り、壮大なる目標を抱げておられ、野心的な数値も明確に掲げておられる。このあたりは、株主資本主義の世界のグローバル企業と何ら変わらないものを感じさせらる人も多いと思う。

しかし、そこまでのアクション、道のりについても、柳井氏は資料で言及されてもおり、日経ビジネスのロングインタビュー記事(これもそのリンクと一部をここに貼付・引用させて頂く。)でも率直な言葉で語ってくれている。
野心的な展望、目標の前に、そこにはいかなる姿勢でいかにして辿り着くべきかの考え方、信じるところ、根源的な価値観・ある種の美学があり、それを社員、そして社員・ビジネスの向こうにおられるお客様・市場、そして未来の存在とも共有していこうという強い思い、意志が経営者にあること、長年の経営~でこぼこの道…の中でそれは段々と磨かれ、経営者の魂から事業へと染み入ってきていると見受けることは出来ないだろうか。

いかんとしても正しくありたい。
真善美
・・・ユニクロは、どうなるか以前にどう生きていくかにあって本物として道歩きを体現しようとしている企業である、あろうとしていることを感じさせられる。

しかし偉大なる経営者・柳井さんの思いだけで、それは現場とは乖離している・・・とは、どこの企業でもよく聞く話である。が、近年のユニクロの取組みをみると、日本発のファストファッション、安さに日本品質(日本の細かやなものづくり、高品質管理)がウリ…などとはもはや言えない聡明で伸びやかで誠実ささえも感じさせる大小新しい挑戦で充ち満ちてきていることを感じざるえない。やはり従業員さんもビッググローバルブランドに多い野心家やすべては報酬次第なドライなワーカーさんばかりでなく、求道者が多いのではないかと好感と期待を抱いてしまうところである。

これは私見であり信じるところだが、日本は民の国。民衆こそが力であり宝の国だと思っている。その意味でも、FRさん、従業員の皆さんには日本を背負いながら、世界中の民衆がそれぞれの内側からゆたかに美しく成長していくことに大いにあくなき挑戦を続けて頂きたいと願っているし心から応援している。

コロナ前には、生活のデジタル化、快適なおこもり暮らしが加速する中で、音楽業界もライブ領域は活況で“日常超越”“エキサイティング”と形容される体験は儲かりたい供給側に発散したい受容者/生活者にも人気があった。コロナ後の社会にあっても、リベンジ消費のひとつとしてエキサイティングな体験は人気は高い。では休日や大型連休の特別体験とはエキサイティングであるものが有効であり正解なのだろうか。次回以降はそんなことを少し深く考えてみたい。







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