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地方公務員、海外で働く!~生活編(住まい探し)~

 海外で働く機会を得る地方公務員は数少ないですが、実際には世界中の様々な機関に出向しています。私自身もかなりレアですが、ヨーロッパと東南アジア、二度海外赴任を経験しています(ちなみに二度目は現在進行中)。海外赴任は決まったけれど、誰に聞いていいか分からない、どうしたらいいか分からない地方公務員が多いのではないでしょうか?そんな方々の助けになればと思い、このnoteを書きました。同じ地方公務員の方々がひとつでも参考になることがあれば幸いです。

 海外赴任で(私の中の)最初で最大の難関といえば住まい探しと銀行口座の開設。今回は住まい探しについて、私がどのように探したかを書いていきます。

自分の譲れないポイントをはっきりさせ、優先順位をつける
 まずこれです。住まいに何を求めるのか、何が大事かをはっきりさせる必要があります。これをすることによって、選ぶ基準が明確になります。ポイントはどのようなものがあるでしょうか?
 例えば、
  ・治安がよい地域であるか、セキュリティ面で安心できるか
  ・最寄り駅から近いか
  ・職場から近いか
  ・部屋の広さ(ワンルーム、2DK、2LDKなど)、日当たり
  ・築年数
  ・アパート、部屋の清潔さ
  ・周辺にスーパーやデパートなどがあるか
  ・家具付きか
  ・通勤路は明るい道か
  ・エレベーターは設置されているか
  ・静かな場所か
などです。自分でここは大事と思うものを一度全部列記してみましょう。
 そして、その中で優先順位を決めます。絶対譲れない点、妥協してもいい点などで分けてみます。絶対譲れない点は五点くらいに絞った方がよいかと思います。
 私の場合(東南アジアの場合)、下にも書いていますがまずは治安がよいところ、そして、駅から歩けるか、部屋は二部屋(リビングとベッドルームは別々)、清潔か、バスタブがある、スーパーが近くにあるか、でした。前提条件として予算は決めておきます。これでもそれなりに物件を絞れます。

治安が一番大事
 私の中では、その国や地域で暮らすうえで、治安がよい場所に暮らすのは最優先事項でした。慣れない土地の中で、自分が暮らす住まいは唯一くつろげる大事な場所になります。空き巣や騒音、危険に晒されて暮らすのは嫌ですよね。その国や地域を隅々まで知っていて、慣れているから大丈夫ということでもない限りは、身の安全を重視してください。海外では自分の身は自分で守るしかありません。見栄を張るよりも、安心して気持ちよく住める場所を探しましょう。いくつか地域を地図で確認しておくと、後から便利です。

準備をすればするほどスムーズにいく可能性が高い
 これは住まい探しに限らず、なんでも共通して言えることかもしれません。可能な限り準備をしていくことをお勧めします。
 それでは具体的にどのような準備をすればいいのでしょうか。

1.情報収集
 インターネットで現地の不動産屋さんのHPを確認します。もしくは、前任や赴任先の事務所の職員が使った不動産屋さんを聞いてきます。大抵の国や地域には日系の不動産屋さんがあるので、言葉に自信がないようであればそういったところを使うのが無難です。

2.不動産屋さんのHPに掲載されている物件を見てみる
 自分が譲れない点を挙げたリストを基に検索をかけます。予算や地域、部屋数などである程度条件が絞れます。広さや細かい事項なども記載されているのでメモっておくと、後から比較ができます。また、気に入った物件を地図に落としていくと、職場や駅から近いか、大通りか小さな路地かなどもおおよそ分かってきます。物件は画像付きで見られるので、いくつか物件を探していくと、自分の好みが段々と分かってくるのも面白いです。
 この物件を色々見ているのが一番楽しい時間かもしれません。ただ、ほどほどにしておかないと、かなりの量になるので注意です。五~十軒くらいを挙げるのがいいかもしれませんね。私は最初、結構な数を挙げましたが、不動産屋さんに色々聞いて自分の条件に合わなさそうだったので、現地で物件を見ずに三~四軒リストから外しました。実際に見てみると思っていたのと違ったということもあるので、あまり期待し過ぎないのも大事です。

3.不動産屋さんに内見の予約の連絡をする
 もし早く内見したいのであれば、赴任前に不動産屋さんに内見予約の連絡をしておくことをお勧めします。その際に、「2」で作成したリストを送っておくと不動産屋さんも助かります。また、似たような物件を追加で紹介してくれる場合もあります。見て回る順番なども不動産屋さんが段取りしてくれるので、日時などを予め相談しておきましょう。

4.ある程度期限を決めておく
 私の場合、赴任して一週間でアパートに入居するという目標を立てていました。東南アジアは初めてでしたが、二度目の海外赴任で多少は慣れていたのもあり、とにかく早く自分の居場所を確保したいと思っていました。そのために銀行口座も予め開設予約をするなど準備に余念がありませんでした(銀行口座、海外送金についてはまた別に書きますね)。着いた翌日に内見し約半日で決め、結果的に当初の予定通り一週間で入居し、最速の入居に周りにとても驚かれました。もちろん二週間~一ヶ月かかる人もいます。速さがすべてではないですが、準備をして頑張れば一週間でも入居は可能ということです。もちろん出向元の自治体や赴任先の現地職員さんたちの協力あってのものです。
 ある程度の期限内に決めるということを決めておきましょう。物件は見れば見るほど迷いが出てきます。どこかで妥協することも必要です。もし入居して思った感じでもなければ、最悪、お金さえ払えば慣れてきてから引越もできると思っておきましょう。

5.そのほかの留意事項
 アパートに入居するまではホテル住まいになります。場合によってはかなり長期滞在になる可能性もあるので、旅費規定内に収まるところを探しましょう。また、職場から近いところ、洗濯ができるところ(洗濯機がある)だと便利です。
 出向元の自治体には家賃負担がどれくらいあるか、事前に確認しておきましょう。どれくらい自己負担が発生するかは知っておかないと、生活費にどれくらい影響するか分かりません。
 契約書のドラフトは、語学に自信がないのであればGoogle翻訳やDeepLなどを使って翻訳して確認します。条件などは必ず確認しておかないと後から知らなかったとは言えません。また、契約書と翻訳のドラフトは出向元の自治体に共有し、必ず確認して了承をもらってから契約しましょう。予算上出せないものがある可能性もあるため、事前にどういった物件がNGかも聞いておくのがいいかもしれません。
 不動産屋さんには支払う金額の確認やカード支払可能かを確認しておきます。物件によってはカードがダメな場合もあるので気をつけましょう。
 内見をする際は、いくつも見てごっちゃになってしまうため、割と細かいことを色々メモりました。後から見直し、決定をするのに使えます。また、画像も撮っておくといいです。細かい部分などは不動産屋さんにお聞きして、ひとつひとつ疑問を解消していきます。裏情報なども教えてもらえたりするので少しの時間でも仲良くなると内見も楽しくなってきますよ。

 海外での住まい探しについて書きましたが、何となくイメージは沸いたでしょうか?海外なので失敗したくないと思う気持ち、絶対ありますよね。でもそんなに気負わず、まずは自分が心地よいと思うことを大事にして住まいを探しましょう。素敵な住まいが見つかりますように!

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