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Chocolatという青春

CDが売れに売れていた時代があった。
今じゃ想像もつかないでしょう。
100万枚売れるなんて珍しいことではなかった。

物体が無いものを購入するなんて想像もつかなかったあの頃。
CD売上チャートには○○ファミリーの名前がずらりと並び、やたら横文字が目立ち始める。
例えばタナカユウコがYuko Tanakaとなるだけで、私はもう、うぅぅうわぁあああ!となっていた。

私を横文字の憂鬱から救ってくれたのがたったたった1人、Chocolatだ。
私のカリスマモデルは道端三姉妹でもあんじでも清川あさみでもなくChocolatだ。

人形のような綺麗な白い肌に、はっきりくっきりとした顔パーツ。
プルプルのリップグロスとベリーショートに釘付けになった。
キャスケットを被りチビTの着こなしが可愛いくて印象的。

Chocolatの名になんて相応しい人なのだろう。
私がやりたいこと全部やっていて羨ましかった。
顔は真似出来ない、茶色いカラーでもみあげを可愛くはねさせたショートも、キャスケットが似合うのももう全部全部羨ましかった。

ブルーミントガムがCMが映るとショコラの歌う「ブルーでハッピーがいい」が聞こえてきた。
雑味がなく一本調子の素直な彼女の歌声は私の心を掴んだ。軽快なリズムのプロデューサーはカジヒデキだ。
(こちらに貼りたかったが公式のものがなかったので貼れず残念。)

高校生だった私は部屋中をSWIMMERや大中、宇宙百科で買ったものでごちゃごちゃにして、ベロベロになるほど読んだCUTiEやZipperを棚に陳列し、ロリータ18号や電気グルーヴ、チボマットをラメでデコったディスクマンで愛聴していた。
幼い頃から女の子に興味がなかった私は、初めて憧れた女の子がChocolatだった。近づきたかった。

背が小さいけどファッション誌の表紙を飾れる。というのだけで私は何故わずかな希望をもったのかちっともわからない。今振り返っても理解に苦しむが…。

そして、よく聴いているTBSラジオのたまむすびのタイトルコールをしている声こそChocolatだ!

私の中で空白の時を超え、変わらない彼女をみると、私のように親に酷い目に合わされるなどサバイバルなことは無かったのだろうと思えた。同じ年月が経過したのに、こんなにも違ってしまうんだ。
最初から女性である以外は全て違っていたけどね。わかってる。

それにしても、素敵に歳を重ねているようにみえる。
そんな現在も知り、やはりChocolatに憧れる。

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