元彼がストーカーになったよ。

回顧録です。
ある意味参考になるかも知れないので、良かったら読んでみてください。

イケメンなんて、実際どうでもいいんだ。
抽象的でなんだかいいじゃない?言いたいだけ。
人は顔じゃないのも分かってるよ。
なんなら怖い。そんなイケメンに懲りたお話。

モデル級のイケメンと付き合った過去があるのですが、、、


見た目は、今退所を囁かれている長身なあの人に激似。
しかもなんと私は好かれたのだ。
それはまだ私がうら若き頃の10数年前。
コミュ力が今より2兆%高かったと思います。
もしあの頃インスタがあったなら10秒に1回はアップしていたでしょうね。

彼は、仲間内で遊んでいた1人だった。
細かい描写は控えるとして、簡単に言うとB型自分の説明書に書いてあるとおりの人物だ。
身なりに気を使っていて自信満々な感じ。女関係は疎く、仲間内では中心からは外れて冷静に見ている。人懐っこいところもみられる。

遊ぶようになって1年、2人でご飯に行ったりするようになったある日。
呼び出され、告られます。
私を好きな人、私も好き。というあんちょくノーガードな小娘だったため(見た目もよくフィーリングも合うし…)付き合うことに。

しっかりと自分の世界観をもっているところに、プラスこだわりの強い気難しい一面が見えてきた。
やりたい仕事があって、なかなか思い通りにならないようだった。友人関係の時は深く自分をさらけ出すような人ではなかった。

次第に態度がかわって私を下に見るようになったり、後先考えず好きな物にお金をつぎ込み、足りなくなると親ではなく私に無心してきた。

彼のやりたい仕事を私がやっている事にジェラシーがあったようで、(今考えても理解に苦しむが)俺がしたい仕事をお前ごときがやっている。というニュアンスは言動からダダ漏れに伝わっていた。

浮き沈みが激しい様子が目立ってくると、やりきれなさ不甲斐なさを私に吐き出し、当たるようになってくる。
別れ際に引き止められ、今日の私のこんな態度が気に入らなかった。という説教が毎回あったりする。謝らないと解放されないという、とても執拗で長いので洗脳状態に近い感覚になっていった気がする。

しばらく愛情もあったから支えようとつとめたけど、私への態度は悪くなるばかり。

職場で相談していたアルバイトの子から、「もう、彼氏じゃないですよそういう関係。自分のための人生なんだから、それだけ尽したのだから自由になるべきですよ。」と言われたことで目が覚めた。
私自身のことで余裕もなくなり別れる決意をした。

また説教を聞かされてはたまらないし、思いとどまる自分が見えたので申し訳ないがメールで別れを告げた。

返事がなかなか来なかった。
するとEメールで文字数最大のものが4、5通送られてきた。
恨み辛み、私が集めていたものや好きだったものなど価値観全て否定する誹謗中傷メールだった。
文章は狂気に満ちていて、精神を病んだ弱々しかったあの人からこんな言葉がでてくるのか、と読むだけでとても怖かったし、辛かった。

別れを選んで少し悪い気がしていたけど別れて正解だと思えた。

数日たった頃、ショップからの内線が鳴った。「○○?元彼来てるんだけど。」ひそひそ話の店長から切迫した様子が伝わった。
「なんかさ、目が死んでるんだよ。○○来ないと帰らないって言ってるんだけど。追い払う?」

なんだか凄く怖かった。
会社にはプライベートでゴタゴタして迷惑をかけていたからこれ以上に迷惑かけられない。
「いや、行きます。すみません。O原さんありがとう。」

急いで電話のあったショップに行き、遠くからそっと見ると…本当だ、目が死んだ魚みたいだ。思い詰めた顔だ。なんだかまずい気がする。

彼が私に気づくと、ゾンビのようにヨタヨタと近づいてきた。
恐ろしくなって後ずさりすると他の女性スタッフが「ひぇ」っと小さく声を上げてしまった。
これはやはり怖い状況なんだと確信し逃げ回ってしまった。

「○○逃げろ!駄目だ。」O原さんが言った。
「何とかするから逃げろ。」

その日の夜、別れる前から相談していた友人に事情を話すと
「えっ、やば!怖いな、一緒にいてあげようか?」(ゲイ)と言ってくれたので好意に甘えることにした。
仕事終わりの夜遅い時間に来てくれた。
元彼と友人は面識はない。

友人がアパートに入るなり「なんかさ、車が止まってて中に元彼っぽいのいたんだけど…俺がこの部屋に入るの見られたかも…」

(元彼の家はここから50キロくらい離れてる…)

友人に会った安心感からか少しふざけてハグをしながら「キャー、どうしようマジ?ちゃんとみた?」と「静かにしてようか」と、息を潜めしばし静かにしてみる。

「キィィィィ…」


郵便受けをゆっくり開ける音だと気づいた。


「はっ!」ハグをしたまま私たちはそちらに目をやる。
震えが止まらない私に、友人は小さく「大丈夫、大丈夫」と言った。


安アパートの郵便受けは、開けるとそのまま室内が見えてしまうもので…つまりやつが見ているのは、室内で抱擁する私と男(ゲイ)

ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン
ダンダンダンダンダン(ドアを叩く男)
「ゴルァ、てめぇ男連れ込んでんのかァ、アバズレが!!」夜中1時、安アパートが揺れる。

怒号が響く。こんな怖い声出る人だったの?
近所に迷惑だし、ほんともうやめて…

ガンガン蹴られドアが破られそうだった。「○○、これ警察呼ばなきゃやばいやつだよ。」

「うん。呼ぼう。」

そして警察を呼んだ。

近所からも通報が来ていたようでお巡りさんは直ぐに来てくれた。
1人は騒ぐ元彼をパトカーに乗せて、もう1人はアパートで私の話を聞く。

泣きじゃくりながら事情を話し、昼間は店に押しかけられた話もした。
「これってストーカーですよね。何か処罰はないのですか?」
「これね、今回の警察が介入してから、ストーカーということになるんだよね。」

「は?」

ストーカーはストーカーでしょう?
やり切れない。いくらアパートで抱擁するのが誤解であったとしても、別れてからの長々しい誹謗中傷メールなども認められないらしい。

このまま、聴取して解放だと?

全然納得がいかないまま、車内で事情を聞かれているあいだに気づかれないように抜け出そうということにした。
そしてそのまま今日は友人宅に泊めてもらうことに。

寒い真冬の夜中、寒さと違う震えが全くおさまらない。
道中ずっと後ろが気になって振り返ってばかりいた。

クタクタになって友人宅に着くと、ソファで震えが止まるまで背中をさすってくれていた。
心身ともに疲弊しベッドに体をあずけた。
いつもの友人より男臭いシーツや枕の匂いがする。男の匂い好きだなぁ、、と寝返りをするとベッドサイドの棚にTENGAがずらりと並んでいた。

無闇にギョッとしてしまった。
今は何にでも神経質になっているのだろうと、寝ることにした。


持ち前のおふざけ調子で書けないのは、その後の展開がつい最近のことだったから。ここまでの10数年前のフラッシュバックもあって整理しずらいところがあった。


ある日、珍しく弟から着信があった。

弟「○○!実家にあいつから手紙が来てるんだけど!」

戦慄が走った。


続く

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