好きになってしまおう。

最近よく遊ぶ人がいる。
私そのものを面白がってくれ、何を言っても一度は驚いて見せても、すぐガハハと笑ってくれる。

エスカレーター式のかしこな学校を出て、かしこしか入れない会社に自分を売り込んで勤めている。
興味のあるものにすぐさま飛びついてしまう傾向にあり。
たいそう嬉嬉として私のnoteに書いたことのあるエピソードを話すのを今か今かと待っているのである。
寝かしつけに母親が話すベッドサイドストーリーのように。

この流れ、はいはいいつもの恋ですねせーかい!!
駄菓子菓子

人を好きになって、それが運命的に思えて燃え上がる。でも恋人になればいつか終わりが来てしまう。
消極的ととらえられがちだけど、長いスパンで考えてみたらそりゃあいつかは別れが来るものだ。
私の根っこには祖母らの愛情が強くありながら、母親が居なくなる不条理などもあってか人の結び付きは軽薄にとらえてしまっている。
どうせいなくなる。
孤独感をどこかに抱えたまま図体だけが大きくなった私には、永遠の愛など滑稽でならない。


最近知り合った年上の女性からは簡単に一言、メンヘラだよねと言われてしまった。
旦那子供いて、彼氏を作る。彼氏にも本命がいるという。
40までに色々開発したらその先ずっとやばいから。なんて言う45歳の言葉は全くささらない。
どっちがメンヘラだよ。


寂しい人、勿体ない。

果たしてそうかなと思う。
困っていた人がいたら助けたい、話をしたいと思う。思いやったり気遣ったりは愛などなくても人間として必要なのでは?友だちとて恋愛感情などないのだし。

自然を尊み、生き物を愛し、私を好いてくれる人を大切にする。


私のどこでこの思考が芽生えたのか謎なのがある。恋愛だ。
失敗から学ぶことも少ない恋愛。
恋愛がわからないまま長年の刷り込みや習慣で恋すれば猪突猛進。
逆に少女漫画をまともに読まなかった私に備わった恋愛の刷り込みなんてなんの足しにもならないだろう。


けど、好きという気持ちはあるのだ。
どちらかと言えば、人が好きな方だ。
好きな物に例えるくせがあるのだけど、プレッツェル。
プレッツェルのように好き。
プレッツェルは私を好きでも嫌いにもならない。
むしろ私が飽きることの方がありうる。

そんなプレッツェルのように好きになってしまった人は、人を恋愛的に好きにならないセクシャリティなのだという。

まるちゃんのあの、ガーン!だ。
特にまるちゃんから肩透かしを食らう友蔵のガーンくらい大きなガーンだ。

私は人を好きになるけど、恋愛となるとぱっとしない。
性的な欲求は抱くという、わがままとも思えるセクシャリティ。
初めに聞いた時には彼と同じなのだと感動すらおぼえた。
けど私はどちらかと言えばデミセクシャルなのだという。
一部の人物において強い絆を求める、性的にもひかれる。

さらにしっくり来てしまった。

自分を型にはめるのがどうも苦手なたちだけど、これまでの環境や経験で身勝手な思考のせいにしてきた後ろめたさと付き合わなくて良くなったと思った。
少しほっとした。

困ったのは彼との関わり方だ。
一見無邪気に私を面白がり、しょっちゅう会いたがってくれる行為はお友達。
それに大人の関係があるのだからややこしくする。

彼もこれまで自分が欠陥品のように思えて辛い気持ちで生きてきたらしい。
付き合ったこともあったようだけど、ある日突然どうでもよくなってしまうのだそうだ。

とある日、会社から抜け出して気になっていたカフェで待ち合わせをする。
休憩時間でもない危険を冒して二人が会うなんて盛り上がってしまうところ。

実際は、
私「この日出社してミーティングの後時間あるんだけど?」
彼「じゃ、会社抜け出して会おうぜ」
「○○コーヒー行きたかったんだよね」
私「いいね。」
彼「じゃ、○○時の電車に乗ります。」

シンプルにただこれなのだ。


それでも会うたびに惹かれてしまう。
だけどまず彼には恋愛的に好きになることが無い。人を好きになるという感覚さえ無いに等しい。
暖簾に腕押し。


私はシンプルに、一週間後もその次も会いたい。
もう止まらない。


ある日、意を決して特別な人になりたいのだと伝える。

付き合うってこと?付き合うということでプライベートでなにか制限されることは僕には地獄のように思えて辛いよ。
そう返ってきた。

だよなぁ。と思った。
予想していた通りだった。

私が思っているのはそうじゃないことに気づく。
制限したり束縛をしたいのではないし、付き合いたい訳では無い。
このループで幾度となく苦しんだことがある。まただという感じ。

男女のペアとしてステップがあるのだとしたら…
社会の流れ的には簡単に、友達→恋人→夫婦になってしまうのだろうか。

なんてつまらないのだろう。

まるで昆虫のように変態していくそれは、私にも必要なのかしら。
そのステップ、誰のためだ?

私はただ、いきなり居なくなったりしないよ。という何かが欲しいのだと思う。

彼の悲しい反応を見て疑うことはなく、でもこの気持ちは直ぐに消すなんて無理なわけで。
なら少しずつクールダウンしていこう。

また会う約束をしているのだから。
大丈夫。居なくならないさ。

生きづらさにちゃんと理由がついたなら、あとは受け入れるだけだ。

悲観はしていないけど、自分の舵取りが一番しんどいとつくづく思う今日この頃だ。

つづく。
つづかせる。

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