キャリア：コンサルからMBA・アメリカVCそして今

VCに関わりはじめて暫くたちました。VCをやっていると多くの人と関わる機会に恵まれ、学ぶこと・考えることが多く、その内容を外部発信、共有していけたらと思い、一念発起Noteを始めることにしました。駄文ですがよろしくお願いします。最初ということで自己紹介を兼ねて、自分のキャリアについての振り返りをしてみたいと思います。

研究の道を離れ戦略コンサルへ

大学・大学院では分子生物学を専攻し、核酸の研究をしていました。 新しいデータを見るときの高揚感がたまらず、朝から夜まで夢中で研究をしていました。学部生から修士2年までの間の研究で面白いデータもたまってきて、いよいよ論文投稿の準備に差し掛かっていたところで、フロリダ大学の競合チームが同一の研究内容を先行して論文発表をしてしまうという事件がおき、自分の研究は呆気なく水の泡になってしまいました。この事件がキャリアについて考えるきっかけになり、長い人生一度ビジネス側にでてみようと思い、マッキンゼーに就職することにしました。

戦略コンサル、MBA留学

コンサルではヘルスケア、製造業、金融系など幅広いクライアントに対して戦略などプロジェクトに関わらせて貰いました。最初の衝撃は、就職して2週間目に、プロジェクトに放り込まれ、その週の終わりにパートナーから呼び出され、「パフォーマンスが低いのでプロジェクトから抜けてほしい」と言われたことでした（なんとか外されずにすみました）。入社2週間で・・・と当時はショックでしたが、後から考えると、クライアントインパクト第一で、自分の知力の限界に挑戦しながら高密度で戦略を練るマッキンゼーならではの経験だったと思います。マッキンゼーの3年半で、ハイプレッシャーの中で戦うこと、常に成長し続けること、新しいことにチャレンジすること、責任をもって高品質の仕事をすること、などなどキャリア上の様々な基礎体力がついたと思います。一緒に働いた人たちは、洞察力や分析力といった鋭さと、見返りを期待せずに仲間の成長を応援する温かい心を兼ね備えた、心から尊敬できる人たちでした。また、経験を積むにつれ、今後のキャリアについても考え始めました。VCには学生時代から興味をもっていましたが、改めてキャリアについて考えた結果、国外のコミュニティ・VC業への接点を求め、幼少期に住んでいたシカゴにMBA留学しました。シカゴではMBAの勉強もさることながら、VCファームであるアーチベンチャーズに関わる機会を貰いました。

アメリカVCでの経験

アーチはバイオ系で数々のユニコーンを出しているVCなのですが、2019年には米国ベンチャーキャピタル協会(NVCA)からFirm of the yearに選出されていて、アメリカ内でもインパクトの大きいVCでした。MBA在学中の2年間を通して投資チームに関与させてもらい、VCの目線からアメリカや世界のバイオ系スタートアップを分析したり、精査する機会をもらいました。アメリカVCでの学びはまた別の記事でもじっくり紹介しようと思いますが、VCイロハといった基礎から、投資評価のポイントといった実務、またVCとしての投資哲学・マインドセットのについても学びました。そんな中でも強烈に感じたことのひとつが、VCをやるならグローバルに戦わないといけない、という感覚でした。グローバルの観点からスタートアップ市場をみてみると、プレゼンスがある日本のスタートアップや投資家はごくわずかで、結果として投資市場・スタートアップ市場における日本への注目度が低い。スタートアップ市場においても日本がガラパゴスであることを感じていました。（もちろん、世界で活躍している例外も多々あります。）とくにバイオ分野は、技術が良ければ比較的容易に国を跨いで事業拡大できるため、スタートアップ市場といっても国際性が高く、ガラパゴスも早晩熾烈な国際競争にされされてしまうでしょう。そうなったときに、自分自身がVCとしてサバイブし、次の時代に貢献するためには、グローバルのネットワーク、グローバルの目線を常に持たないといけないなという焦燥感を感じました。

現在のVCへの参加

上記の様なモチベーションで、アメリカのVCを中心に就活を行いました。これは想像を絶する大変さだったのですが、苦労の末、また周りからの助けに支えられて、バイオテックのコーポレートVCからオファーを貰いました。また、時を同じくして、今在籍しているFTIから、ボストンオフィスを新設するので一緒に立ち上げないかという話を貰い、悩んだ結果、FTIに参画することになりました。そんな経緯で昨年夏からアメリカ運営の立ち上げを中心に活動しています。

次回以降、アメリカVC就活事情やアメリカVCの環境についても書いてみようと思います。