Tai Harada

バイオ・ヘルスケアVCの若手キャピタリスト。東大工学部修士、マッキンゼー、シカゴ大MB…

Tai Harada

バイオ・ヘルスケアVCの若手キャピタリスト。東大工学部修士、マッキンゼー、シカゴ大MBA、アーチベンチャーなどを経て現在はFast Track Initiative (FTI) のアソシエイト。日米のバイオ・ヘルスケア・VC業界を分析・発信していきます。

最近の記事

ベンチャー投資における感度と特異度

病気の診断検査を開発する際には、診断精度を、感度(Sensitivity)と特異度(Specificity)という2種類の数値で表す。感度の方は実際の陽性のうち検査で陽性の割合、特異度の方は実際の陰性のうち検査で陰性の割合である。 例えば陽性(赤)22人、陰性(灰)28人の集団に対して検査を行い、陽性判定20人中本当の陽性が17人、陰性判定30人中本当に陰性なのが25人の場合は、感度77% 特異度89%の検査ということになる。 「当たりを見て、きちんと当たりと判定できたか」

    • コンシューマーゲノミクスは市場に浸透するか?

      最近コンシューマーゲノミクスやパーソナルヘルスデータの事業性について考える機会があったので、記事にしたいと思います。 コンシューマーゲノミクス個人がオンラインでキットを購入し口腔粘膜などの検体を送ることでゲノムを解析してくれるサービスで、日本だとMyCode、アメリカでは23andmeなどが有名な検査事業です。 技術的には、ゲノム上の「個人差」の部分(SNP)の情報を解析し集団の中で「ゲノム情報(ジェノタイプ)」と「身体情報(フェノタイプ)」に相関性を見出すことで、ゲノム

      • アメリカのVC就活事情

        今回は、アメリカでのVC就活の経験について、振り返って書いてみようと思います。自分の場合は最終的に就職しませんでしたが、元々は現地VC就職するつもりだったこともあり、MBA中2018年後半から19年前半にかけてアメリカのヘルスケア系VC/CVCを対象に就活を行ったのでその経験を共有します。 VC就職の環境・戦略 NVCAによると2018年時点でアメリカ国内で1000超のVCがアクティブに活動しており、NVCAに登録されていない小さなVCも含めたPitchbookの数字では5

        • キャリア:コンサルからMBA・アメリカVCそして今

          VCに関わりはじめて暫くたちました。VCをやっていると多くの人と関わる機会に恵まれ、学ぶこと・考えることが多く、その内容を外部発信、共有していけたらと思い、一念発起Noteを始めることにしました。駄文ですがよろしくお願いします。最初ということで自己紹介を兼ねて、自分のキャリアについての振り返りをしてみたいと思います。 研究の道を離れ戦略コンサルへ大学・大学院では分子生物学を専攻し、核酸の研究をしていました。 新しいデータを見るときの高揚感がたまらず、朝から夜まで夢中で研究を

        ベンチャー投資における感度と特異度