国際競争力 64ヶ国中35位の日本
IMD(国際経営開発研究所)によって、毎年世界競争力年鑑が発表されている。この指標は、国の競争力に関する各種統計データと、経営者へのヒアリングから主要64カ国の競争力を示したものである。
項目は経済パフォーマンス、政府の効率性、ビジネスの効率性、インフラの4つの大項目と、それぞれ4つの小項目で合わせて16の項目で構成されている。
さて、日本の2023年の順位であるが、64カ国中35位でありアジア太平洋諸国の中でも11位であった。この順位は台湾の6位やアメリカの9位、韓国(28位)だけでなく、東南アジア諸国であるタイ(30位)そしてインドネシア(34位)よりも低い結果となっている。
バブル崩壊前には世界1位を取っていたものの、21世紀に入ってからは20 位前後で推移し、現在は64カ国の中でボトムハーフの順位となってしまった。
さて、詳細に目を向けると低順位の理由が見えてくる。
まず、経済状況の項目では貿易と物価がどちらも57位と極めて低い順位である。また、ビジネスの効率性では経営プラクティスの項目が62位、生産性・効率性の項目が54位、労働市場の項目が44位となっており、オーバーロールの順位も47位と大項目の中で最も低迷している。
さてその中でも特に低い順位であるのが経営プラクティスの項目だ。
経営プラクティスの項目の内訳であるが、企業のアジリティ、ビックデータの使用と分析、アントレプレナーシップ、社会的責任、機会や脅威に対する素早い対応、女性の社会進出 等の項目が評価対象となっている。
クロスボーダー化やデジタル化が進む変化の激しい時代において、企業の対応力の速さと柔軟さが求められるなかで、日本企業が世界において大きく遅れを取っているということが、この指標から明らかになっている。
各種指標はGDPを分母としているものも多くあるため、為替の変動を多少考慮する必要があるかもしれないが、いずれにせよ、長期的なトレンドとして見て日本の国際競争力は低下していることが明らかである。
それらの要因は極めて複合的であるが、そのひとつとして、時代の変化に適応できていない日本企業とそれによって上がらない労働生産性が影響しているといえるのではないか。
参考資料:
IMD World Competitiveness Booklet 2023 - IMD Business School
https://imd.cld.bz/IMD-World-Competitiveness-Booklet-2023/126/
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