「〇〇がないから作れない」を卒業しよう。(野菜編)
あるもので創るコツ。無茶振り担当シェフが教えます。
無茶振り担当シェフのサルベージ・パーティ
僕は「参加者が家に余っている食材を持ち寄って、その場に集まったものでシェフがライブクッキングをする」というサルベージ・パーティというイベントで、公認サルベージシェフとして活動しています。どんな食材が集まるかもわからないので、何を作るかは参加者が食材を持ってくるまでわかりません。イベント開始後、20分でメニュー8品を考案し、調理開始となります。
「その場にあるものだけで創る楽しさを大事にしてほしい」
イベント中、「〇〇があったら、、」という声を頻繁に耳にします。ですが、今目の前にあるものを工夫して調理することがフードロスを考えるきっかけになると思っているので、創造・工夫する楽しさを伝えるようにしています。コツとしては、無いものをどう代用するかを考えること。
今、本業のケータリングが出来ないので、代わりに作り置きセットの配送サービスをしています。
今飲食店に降ろせずに困っている食材を生産者さんや流通業者から買い取ってメニューを組んでいるので、毎回内容は変わります(上記のトマトもその一つ)。その中のメニューでは
・ミートボールと里芋のトマト味噌煮込み
・豚バラ肉の赤ワイン煮込み 大根と蓮根入り
・こんにゃく麺と切り干し大根 生ハムとサラミ和えサラダ
・イタリアンソーセージと生麩の和風煮込み
と、赤ワインとデミグラスで大根や蓮根を煮たり、トマトと味噌を合わせるなど、意外な組み合わせで作ったものも入っています。
(忙しくて作る暇がない方、普段の自分の味に飽きてしまった方、ぜひご注文お待ちしております。)
「〇〇がないから作れない」から卒業しよう
料理を始めて間もない頃は料理本やネットでレシピを確認して材料を買って、という流れで作ることが多いと思うのですが、材料一つ足りないと作れない、と思って買い出しに行き、ついでに色々買って食材を余らせてしまうという流れになってしまいがちです。慣れてくると代用したり省略したりできるのですが、そのコツをいくつかお伝えしたいと思います。
1.クセのない食材は代用がきく
この写真は「生ハムとレモンのチーズリゾット」。リゾットは玉ねぎを炒めてお米を加えてスープを加えて煮る、というのが基本の流れなのですが、この料理では玉ねぎを使っていません。代わりに使ったのは「大根と人参の皮」。煮物を作る際に剥いた皮を刻んで、玉ねぎの代わりに炒めて使っています。クセのない食材同士は代用しやすいので、他にも蓮根や蕪などを使っても作れます。
2.同じような野菜は組み合わせて
ローストビーフのサラダ。この中にはレタス、キャベツ、ケールが入っています。レタスとキャベツはよくサラダで一緒になっているので相性がいいのはわかると思います。そして一見クセのありそうなケールなのですが、キャベツとケールは同じ「アブラナ科」の野菜(アブラナ科は他にも菜の花、大根、ブロッコリー、白菜、ルッコラ、クレソンetc...と、スーパーにはたくさんのアブラナ科が並んでいます)。同じ科の野菜は相性がいいのでどんどん組み合わせてみてください。ちなみにレタスはキク科、ゴボウや春菊が仲間です。
3.和洋問わずに使ってみる
蓮根とグリルチキンのジェノベーゼ。イタリアンのソースですが、蓮根、アスパラガス、オクラと野菜は和洋問わずに組み合わせられます。大根なんかもオリーブオイルと塩でソテーしてから和えるとよく合います。ちなみにジェノベーゼソースはバジルではなく大葉ベース。バジルと大葉も同じシソ科です。
頭を柔らかくすれば、今冷蔵庫にある食材でも普段と違った料理は作れます。楽しいStayHomeを過ごしましょう。
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