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Episode 1* RUN&GUNとドキュメンタリー

さて初回です。ちょっと緊張しますな。ちなみに文章は、あんなまし上手じゃないけど、定期的に描き続けて上手になっていけばいいなと思ってるので、暖かく見守ってください。伝わる事が一番重要なんです!自分で言ってますが。。。

「とりあえず作品の説明でも書くか」とか思って始めたのですが、「じゃあどれにしよう?」「古い順とかが良いのかな?」とか「あの作品は言っちゃいけない事多いな」など、1時間くらいかなり悩んでしまいました。実はプライベートだと自分はかなりの優柔不断な人間でして、スーパーに行ってお肉を選ぶだけで20分くらいかかったりする程に重症なのです。嫁には「こんな人間がよく監督できるな。」と言われる始末。情けない。。。実際にこれを書く前に、ある動画の説明を書いていたんですけど、読んでたら「なんか面白くない。。」と思って今、新しいのを書き始めています。とほほ。。

では、始めましょう。
RUN & GUNって撮影方法があります。日本ではあまり聞かれない映像業界用語なのですが、直訳すると「走りながら撮る」って感じです。つまり、いつでも撮影できるように良いカメラのセットアップを最小限に抑えてガンガン撮ろうぜ!って撮影手法です。決してiphoneで撮る事をRUN&GUNとは言いません。あくまでプロカメラです。これは基本的にドキュメンタリーで多く使われるのですが、僕は結構ミュージックビデオにもこの手法を使う時が多いです。例で言うと:
Tohji X Loota - Yodaka 
Nulbarich - Almost there
Kano - Pan-Fried feat. Kojo Funds

などがRUN&GUNで撮ってます。

僕がなぜRUN&GUNを好んで撮るの理由は何個かあります。
1:「感覚で撮影ができる」
個人的に芸術を作る時に、最も重要なのは「感覚」だと思っていて、僕自身、武器として感覚をとても大事に映像・映画を作っています。「感覚」って理屈が利かない所が面白い。人間の生まれ持った個性だと解釈していて、個性を生かせば生かすほど作家性は強くなります。しかし、感覚は気まぐれな奴で、撮影中頭の中にいきなり現れて、それを素早く掴み取れないと雲のように一瞬で消えてしまいます。その為RUN&GUNの手法だとカメラを自分の思う場所に短時間で設置してRECボタンを押せる利点があるので、自分の得た感覚を失わない即興性があるのです。

例えばKanoのミュージックビデオで数秒ですが、窓を拭いてる上半身素っ裸のおっちゃんのショットがあります。これはたまたま屋上にいたときに、見た光景でDPに「見てあれ!撮って!」とサクッと撮ったショットです。なんとなくイギリスっぽい光景だなーと思って撮ったショットなのですが、RUN&GUNスタイルではなければ撮れなかった瞬間です。結果アーティストのKANOもこのショットがイギリスの生活を象徴してて一番好きなショットだと言ってました。

Kano - Pan fried。個人的にイギリスで撮った作品で一番好きかも。

2:「画のリアリティーが増す」
リアリティーはどんな作風でも必ず必要だと思います。例えそれがSFやファンタジーの設定であっても、キャラクターの真理や行動などにリアリティーが必要になります。よく友達と映画を見てて「あんな状況で俺だったら絶対やらねーよ!」とか言いますよね。あれです。
つまりどんなストーリーでもリアリティーがないと見ている視聴者は作品を疑ってしまうんですね。怖い怖い。

これは画作りの時も一緒です。僕はやっぱりリアリティーのある画が好きなので、ドキュメンタリー要素を生み出してくれるRUN&GUNは非常に僕のスタイルに合ってます。

Tohji X Loota - Yodaka。Tohjiとはラップ始める前からの知り合いなのでエモかった。

Tohji X LootaのMVでTohjiがススキ畑の中をガンガン進んでるのをカメラが横打ちで追いかけるシーン。ここをステディカムとかで綺麗に追いかけてもいいんですけど、それだとTohjiの動物的な動きとか本能を映し出せないと思って、わざと手持ちでぐらんぐらん揺れながら追いかけてます。結果、この不安定な画が曲の感情を映し出せたと思ってます。なんでも、綺麗に撮ればいい訳ではないのです。川上さん上手いですねー。ちょっとムカつきます。

3:「機材がミニマムでも俺だったカッコイイの撮れるぜ!って思ってる」
もうこれに関しては本心ですね。シンプルにエゴですね。w
でも、結構自分の中では深い理由があるので今度のnoteに取って起きます。長くなると思うので。

自分はちゃんとMVなどを監督出来る様になるまで、ドキュメンタリーをずっっと撮っていたので、自分のバックグラウンドが出る様にRUN&GUNを定期的に使っているんでしょうね。

僕の周りの売れてる監督って意外にドキュメンタリー撮ってる人少ないんですよ。特に若手監督は少ないですね。でも、ドキュメンタリーって映像の基本・本質だと思うんですよね。カメラってその瞬間を記録するために出来た機械ですもん。楽しい事とか、祝い事とか。誰もがカメラを最初に持った瞬間なんて友達とワイワイしてる時じゃないですか。

ドキュメンタリーやると色んな人の人生や考えを知る事ができて、本当に撮ってるこっちも人間として、監督として成長できるんですよね。新しい発見の連続で。だから僕は基本的にドキュメンタリーの撮らない監督はクソだと思ってますよ。人に興味の無いナルシストなんだなって思っちゃいます。そう言う人って物事の考えが薄っぺらいから、撮る画に必ず現れますもんね。「あー。全然人を描けてないな」って。カッコイイ絵ばかりに拘って一番重要な「人」を描けてない。だから、みんなもっとドキュメンタリーを撮ってください。カッコイイ画なんてずっとやってれば、目をつぶってでも撮れる様になります。人を撮るのは一生勉強する事です。

Nulbarich - Almost there ここのロケーションまた行きたいな。

いかんいかん。また燃える所だった。

今日はここまで。定期的に書きます。

太一




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