見出し画像

勝利の焼肉にたどり着いたチームは…〜24-25第5週レビュー

毎週何か書いていこうと続けているNoteですが、ついつい長くなりがちなので、今週は試合の振り返りと週末のプレビューを分けてみようと思います。ちなみに、先週のプレビューはこちらからご覧いただけます。


🇯🇵アルゴグラフィックスカップ

今年は北海道カーリングツアー最終戦となった女子の🇯🇵アルゴグラフィックスカップでは、北海道銀行が見事に優勝。予選最終戦は負けたものの、中部電力、フォルティウス、🇰🇷ハ・スンヨン、ロコ・ソラーレと、下馬評の高かったチームを軒並み倒しての優勝となりました。勝った試合では安定したプレーを見せ、試合を壊すような大きなミスがほとんどなかったように思います。決勝という意味では、昨季終盤は日本選手権でもジュニア世界選手権でも準優勝止まりでしたが、ICE GOLD CUP、アルゴグラフィックスカップと、その後2回は優勝につなげられています。決勝の舞台でも力を発揮できるようになっているのであれば、今後にも期待ができそうです。“今週もフォルティウスvs中部電力の決勝か?”という雰囲気もありましたが、ともに北海道銀行に負けたことで、この2チームでプレーオフのイスを争うことになりました。

北海道カーリングツアーがシーズン序盤の大会だということを考えれば、女子は3大会でいろいろなチームが勝ったり負けたりする結果になって、良かったようにも思います。勝ちパターンに持ち込んだときのフォルティウスの強さも見えましたし、中部電力はセカンドやサードで状況を改善できたエンドも多かった気がします。ロコ・ソラーレはランバックの精度が上がった感じもします。🇰🇷ハ・スンヨンも難しいショットを決めるスキルの高さを見せ、準決勝でも8エンドラストロックが数センチズレていれば決勝進出でした。まだ本調子じゃない選手もいるかとは思いますが、面白い試合が多く見られた大会だと思います。

グランドスラム出場権争いとしては、フォルティウス、中部電力、🇰🇷ハ・スンヨンの3チームは優勝でグランドスラム出場がかなり濃厚となる大会でしたが、結果的には🇰🇷ハ・スンヨンが最上位の3位となり、一歩前に出た状態になりました。大会の消化数の少ないチームの動向で今後の争いも変わっていきますが、🇰🇷ハ・スンヨンを抜いて、この3チームの中で最上位に出るのが、1つの目標となりそうです。ただし、🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿モリソンや🇺🇸ピーターソンの調子が上向かない場合には、この中から2チームまたは3チーム出場することもあり得ます。

第5週終了時点の女子カナディアン・オープン出場権争い(筆者による計算)

🇳🇴オスロカップ

オスロカップの女子は🇸🇪ハッセルボリの優勝となり、これで4連覇となりました。実績十分のチームですので、貫禄の勝利という感じですが、その他のベスト4のチームが印象に残りました。準優勝となった🇨🇭X.シュヴァラーは昨年の大躍進が偶然じゃないことを示すように、今季初戦から決勝まで負けなしの好成績を残しました。準決勝敗退となった🇩🇰デュポンと🇹🇷ユルドゥズは欧州中心に試合に出ており、試合数の少なさから世界ランキングは上がりづらいのですが、実力を伸ばしている印象があります。前回の女子世界選手権で🇩🇰デンマークが6位、🇹🇷トルコが10位だったことを考えれば、この2チームの方が現時点では🇯🇵日本の各チームよりも五輪出場に近いとも言え、最終予選で対戦するような可能性もありそうですが、対戦相手も強くなっているのかと感じさせます。

(追記ここから)
先週のプレビューでは、🇸🇪スウェーデンの女子世界選手権出場権争いが始まることをご紹介しましたが、優勝した🇸🇪ハッセルボリに対して、🇸🇪ヴラノーはまさかの予選敗退となりました。来週にはこの2チームで4戦先勝の欧州選手権代表決定戦が行われる予定です。前回は🇸🇪ヴラノーが欧州選手権代表の座を勝ち取った訳ですが、昨シーズン全体の直接対決は、🇸🇪ハッセルボリの11勝5敗(欧州選手権代表決定戦はヴラノーの4勝2敗、それ以外はハッセルボリの9勝1敗)でした。去年の例を考えれば尚更、短期決戦では何が起きても不思議はないのかもしれません。まずは、欧州選手権の🇸🇪代表が決まりますが、どちらになるんでしょうね…。(追記ここまで)

男子は🇨🇭フースリが昨年に続いて2連覇となりました。男子の層の厚さと言えば、🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿スコットランドが一番に頭に浮かびますが、今季は🇨🇭スイスの男子にも注目したいところです。前回の男子世界選手権では、地元開催ながらまさかの予選敗退となりましたが、🇨🇭Y.シュヴァラーが健在な中で、🇨🇭ブルナーや🇨🇭フースリがランキングを上げており、10月に行われる🇨🇭欧州選手権代表決定戦もかなり接戦になるかもしれません。

🇨🇦U25 NextGen クラシック

U25 NextGen クラシックの女子は、ブリティッシュコロンビア州の🇨🇦リース=ハンセンが優勝しました。T.リース=ハンセン選手は、2018年のカナダジュニア選手権に出場していた選手で、最近では国内のミックスダブルスランキングでも🇨🇦リース=ハンセン/チェスター ペアとして4位に入っており、年末の五輪トライアルも見据えていることでしょう。現在の4人制のチームは、昨年までチーム🇨🇦マークスとして活動していたフロントエンドの2人が加入したばかりの新しいチームながら、ここで1つの結果を出しました。ブリティッシュコロンビア州の女子代表争いは、この数年、🇨🇦グランディvs🇨🇦ブラウンの一騎打ちの構図でしたが、C.グランディ選手が抜けてジュニア時代のスキップがサードとして戻ってきた🇨🇦マクミラン、こちらも新しいサードを迎えた🇨🇦ブラウンと、3チームの争いになるかもしれません。

2024 U25 NextGen Champions 🤩 What a way to begin our season together! With this win, we earned a berth to the 2024...

Posted by Team Reese-Hansen on Monday, September 2, 2024

男子は、マニトバ州の🇨🇦マクドナルドが優勝。個人的には、前回のマニトバ州選手権で3位に入った時から気になっていたチームではありますが、決勝で当たった🇨🇦キングも前回のオンタリオ州選手権2位だった注目チームで、予選では🇨🇦キングが勝っていました。今季のマニトバ州選手権は、前回優勝の🇨🇦カラザースからB.ジェイコブス選手が抜けており、前回よりもチャンスがあるかもしれません。B.ジェイコブス選手と同じ北オンタリオの選手と言えば、サードのD.バージェス選手は、2023年カナダジュニア選手権では北オンタリオ代表のスキップとして準優勝しており、その後、その時に3位だった🇨🇦マクドナルドに加入しています。進学、就職などで選手の出入りが多くなりがちなのが若い世代のチームですが、こういう若手が集まる大会は、新しいチームの種になることもあるようです。

ミックスダブルスは、オンタリオ州のジャン/ピエトランジェロ ペアが優勝。これで過去3年の同大会で優勝2回、準優勝1回となります。ミックスダブルス中心で競技活動をしているペアだからか、ミックスダブルスに関する知識や経験の差が結果に出ている気がします。すでにU27の強化指定にもなっており、五輪トライアルなど話題の多い今季のカナダMD界の中で、現在の国内ランキングは14位ですが、今後どういう活躍を見せることができるのか、注目してみたいと思います。

🇨🇦アイスブレーカー・チャレンジ

🇨🇦アイスブレーカー・チャレンジは、女子が🇨🇦セベノット、男子が🇺🇸シネットの優勝となりました。🇨🇦セベノットは、前回の女子カナダ選手権でサスカチュワン州代表として予選通過争いを繰り広げましたが、スキップのS.アッカーマン選手が学業のために一時的に競技から離れることになりました。そこで、昨季まで🇨🇦スカーリクでサードを務めていたB.トラン選手をサードに迎えて、新シーズンを迎えています。メンバー変更後最初の大会となったこの決勝で、その🇨🇦スカーリクと対戦することになりましたが、優勝を手にしました。近年のサスカチュワン州の女子チームには、圧倒的な強さを見せるチームは少なく、毎年違うチームが女子カナダ選手権に出場しているような状況ですので、この若いチームが今後確固たる地位を築いていけるのかに注目しています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?