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2018 詩集 「名は時の中にある」

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すべて自筆の トップのお写真はどなたかの こらぼれいしょん、これでないと そんな態度で、言葉と向き合っていきたい 2018を綴っています。
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2018年11月の記事一覧

壊して その軽率な愛撫が触れたこと すべて 許して この従順な鼓動が告げたこと すべて いっ…

comuichi.
5年前
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遺言:美しい。世界

2013年5月28日 美しい。の判断基準は常に文化に内在する そして文化とは時代と共に変遷し、…

comuichi.
5年前
8

魚の骨

いつかの嘘が言葉に胸に突き刺さる 確か、拭い去った。どうやらそれは つもり、だった。 軋ん…

comuichi.
5年前
7

re

この話は単純な結末を迎える この単調な世界の端で僕らは今まさに死ぬ 本当さ、嘘にしたけり…

comuichi.
5年前
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こんな歌があればいい。

気だるい午後の始まりは 酒臭いお月さんとの談笑 寝ぼけた時計が仕事を怠けたせいで 今また夢…

comuichi.
5年前
16

うなだれる柳の、その弄ばれる葉に

誇らしげに笑うと 光と影の 崩れる音が聞こえた。 随分と 一度限りの主役をやり過ごしてしまっ…

comuichi.
5年前
5

ポラロイドカメラ

お前によく似た背格好の女を見たよ でも俺は振り向いたりしなかったよ そう 決して振り向いたりしない 製作費を安上がりにした映画を観たよ お前が選ぶはずのない種類の洋画さ そう 俺も大して興味のない寝物語 どうすればいいのか解らない 呼びつけられない感情の荒波 時の静寂に這いつくばる俺は 寂しいのかい もう少しうまく笑えたら もう少しうまく泣けてたら こんなにも珈琲を好きにならずにいられたかな 俺はどうして頷いてしまったんだろう 閉幕を告

I & night & full moon fish.

どこからか湧きあふれ どこへとなく渇いていく月色の泉 物語の種を摘みに 今宵も男の子が独り …

comuichi.
5年前
8

scat.

雨音は甘える仔猫の足音 弾ける滴がまた滴を連れて踊る 紅葉はよく風邪をひく吟遊詩人 上ず…

comuichi.
5年前
6

踵を鳴らして行けば

思い出の手招きで僕は 高架下から這い出るように繋がる ただ青いばかりの空へ 右手に持った…

comuichi.
5年前
6

冬景色

雑多なレビューに埋もれちまった 古臭えロードムービー そこには素っ裸の愛があった 知らず…

comuichi.
5年前
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とまと

上手く切ると ハート型になると言って 君が切ると それなりの形になって とまとは有るがま…

comuichi.
5年前
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冬うらら

星降る中に数多のてふてふ舞う 僕はてくてくと、誰が呼んでいるわけではなく てくてくと、 欲…

comuichi.
5年前
3

群衆

『赤い時点』 何が凄いかと問われれば 長針と短針をへし折り進む あの情けない背中を見て見なよ 監獄からの脱走劇や 撃鉄が落ちる時の呼子を想起させる あの情けない背中を見て見なよ きっと今から世界が寝返りを打つんだ。 恐怖と回帰を織り交ぜて 一日の穏を解き拓くんだ。 『最たるもの』 行く末を案じてくれた者の最期は 路上映画でも観ているような錯覚を起こした。 高望みだったろうか 繰り返し振り返る過ぎた景色 握りしめても、掴めるものは変わらず 空白は確かな存在証明として 鼓動を鳴