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【企業所属は救われない】アーティストとエージェントの絆が勝つ

社会の激変が表面化し、業界は終わる。企業依存のアーティストに終了のお知らせが迫っている現実。このトピックでは、「現役中に逃げ延びる方法」を、知ることができる。安泰だった生活の未来が曇っていることに気付きながら雲の上は青空だと信じているアーティストの、ために書く。

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アーティスト情報局:太一監督
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日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、
監督がスタジオから発する生存の記
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『 学ぶ時、楽観のために 』

雲頂が成層圏に達して記録的な低温マイナス111.2度を記録したのは、今年4月。アーティストの眼前に迫る雲の向こうを、観たことがあるか。国際映画人は、観ている。彼らは目先の生活を封じてまでも、準備を始めている。

業界のインフラとルールは、過去に創られた。現代に合致しないことは想像がつくだろう、それが末期だとしても。アジアをリードし、中国と韓国の規範となっていたのは、日本しかし現代においてそのガラパゴス化は、機能不全に陥っている。

世界のルールは、異なる。

そこで、日本に入っていないニュースをお知らせしておこう。

■ 最新国際ニュース:「M88」の使命は、ハリウッドマネジメントの新しい多様なロードマップを作ること

元WMEエージェントのフィリップ サンは、「M88」の存在によって、グローバルなニューマジョリティが集う会社が大成功を収めることができることを示そうとしている。

「PoC(※概念実証)コミュニティには、チェンジメーカーとして表現やインクルージョンを推進するというプレッシャーが常につきまといますが、それを実行しているのはこの部屋にいる私たちだけであることが多いのです」。M88では、部屋の中の全員がそれを行っている。

「我々にとってのアジェンダとは、多様なバックグラウンドやコミュニティからの声を推し進め、増幅させることです。自分が信じていることを信じてくれる仲間がいれば、それほど苦労することはありません。信頼関係のある、コミュニティを守るためのチームになります。私たちは、クライアントのキャリアを戦略的に考えるだけでなく、成功指標にも注目しています」

少数派の代表者を育成し、投資することは、伝統的で多様性に欠ける「大手企業」との顧客獲得競争に役立つことは間違いない。

企業の数々はハリウッドにおけるインクルージョンについて、主にタレントやその他のクリエイターに集中しているが、クライアントのさまざまな背景を反映した代理人を持つことのメリットは大きい。「あなたが戦っているなら、私たちはあなたを応援します。」 - AUGUST 26, 2021 THE Hollywood REPORTER -

『 ニュースのよみかた: 』

「M88」というアーティスト及び映画スター用エージェンシーは「コミュニティ型」で「成功コンサル」も請け負う最新現代型、という記事。

経済的に世界のコンテンツ産業界を率いているハリウッドはそれでも、旧態依然の巨体ゆえの不具合と、問題を抱えている。そんな中、ハリウッドに誕生した新興エージェンシーの話だ。

日本芸能界も、フリーランスのアーティストもやがて、このシステムに飲み込まれる。以下に順を追って、“アーティストびいき”を発揮する。

なお、
記事中にある「PoC」(Proof of Concept)を日本では、“概念実証”とも意訳される。「概念実証」とはつまり、企業が策定した「企画」を試作やシミュレーションで“観える化”し、資金調達や販路獲得を推し進めるための「営業素材」だ。日本企業が創り出した、“嘘”だ。企業やコンサルによる異論はあるだろうが、嘘に実証性はないので無視する。

正しい「PoC」とは、新たなアイデアやコンセプトの“実現可能性”と“効果”の、「検証」である。“概念”を“実証”するための、価値ある前段階のこと。つまり、実現根拠の無いしかしの「ワクワク」を、実現前提で検証を重ねて「できるかも!」へと導くプロセスだ。

これ、アーティストの担当なのである。

『 PoCという検証価値 』

PoCのよく知られている例としては、モーターショーに展示される“タイヤのない車”や、宇宙エレベーターのCG動画や月面基地、美容整形シミュレーションから、HERO戦隊番組から切り出した子供用装具まで、幅広い。映画界で知られている手法としては、簡易的な3DCG映像で構成された“動画コンテ”や“プレビズ(Pre Visualization)”である。撮影前に完成イメージを共有するための“検証素材”だ。

つまりPoCとは、「言葉と文字」を「信じさせる」技術である。アーティストのイマジネーションは人々に、「なるほど、できるかもしれない。」と感じさせる力がある。アーティストが生み出すのは、勇気である。

アーティストの潜在的価値は、増大し続けている。

『 エージェント方式というデファクトスタンダード 』

アーティストにとっての、“顧問弁護士”だと理解してみるといい。完全なる個人の味方であり、業界のルールとマナーに精通していながら常識を度外視した“成功への路”を提示してくれるプロフェッショナルそれが、「エージェント」だ。エージェンシーとは、総合法律事務所のようなものだ。

日本ではタレントも俳優もアーティストも、プロデューサーもクルーも、「企業」に属することが一般的だ。事務所、プロダクション、制作会社、呼称を変えてもそれ、“会社”である。会社が最重要とするのは、“利益と存続”である。経営幹部が代表挨拶ページに掲げるポリシーなど、後付けだ。

エージェントは、違う。アーティストを護れなければ実質、廃業である。アーティストは今こそ、「本物のエージェント」と組むべきである。申込窓口は、無い。方法は、「“業界に依存しない”本物の企画」に自費で参加することだ。認められれば、エージェントから、声がかかる。

偶然、目先の仕事が未来に接続している可能性は果てしなくゼロだ。勘を信じれば裏切られる知って、選ぶといい。

『 編集後記:』

一般人は器用だ。
社会をプラットフォームとみなして企業をツール化し、交流をオンラインに移行して国際コミュニティに属し、作品を名刺に行動を価値化しはじめている。一方アーティストは、それを解説する言葉すらもたずただ、目の前のガジェットで手の届く作品を生み出しながら、仲間と褒め合う日々。

中途半端で惜しい。

フリーウェイを外れたネバダ州の砂漠で“レモン”を育てている、ガスステーションの爺さんと出逢った。彼はわたしのオンライン会議に興味津々で、自身のレモン栽培法を知らしめたがった。なかなか視野の広い爺さんに興味を持って、銅版と亜鉛板を刺したレモンを5つ直列でつないだ“植物電池”でスマホを充電しながら、砂漠の真ん中から中継する方法を教えてみた。
“ネタ”になる。

きっとやらないだろうだが、わたしはここで書けた。

器用を獲得して捨てる権利の先に未来照準、映画製作の現場へ帰るとしよう。では、また明日。

■ 太一(映画家):アーティスト業界情報局 × 日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、 監督がスタジオから発する生存の記