アラフォー、青春を行く・鎌倉
先週、こんな記事を書いた。
突然生まれたひとりきりの休みの日に、そこそこ長い距離を走る普通電車のグリーン車でぼーっとしながら旅に出る、という時間を贅沢に使う旅行だ。
このことを友だちにLINEで話したら、こんな返事が来た。
「それ、青春18きっぷ使ったの?」
頭に稲妻が走った気分になった。
青春18きっぷ(以下、18きっぷ)は、¥12,050で5枚綴りになっているフリーきっぷだ。
改札でスタンプを押してもらった日の始発から終電まで、JR全線と一部3セクの普通電車が乗れるようになる。
特急券が必要ない快速はもちろん大丈夫だし、新幹線しか現在は走っていない青函トンネルも特例で乗ることができる。
毎年、学生の長期休暇のタイミングできっぷが販売されている。
7月中旬というのはちょうど夏の販売時期だ。
調べてみたら2023年は7月20日から発売開始になっていて、前回の熱海(?)旅行では使えなかったらしい。
ただ、せっかく今は18きっぷの期間になっている。
また今日、ぽっかりと一人の休みができた。仕事での急なシフト変更のせいだ。
先週と同じように、妻がパートに出る時間が早かったので一緒に出かけることにした。
行き先は、東京駅での接続が良かった鎌倉にした。
鎌倉に着いたのは八時ごろだった。
先週は三連休の最終日だったからか早朝の中距離は人もまばらだったけれど、今日は平日のラッシュアワー。
品川や横浜で大勢の人が降りて、そして大勢の人が乗ってきた。
それでも大船を過ぎたあたりでだいぶ電車は空き、鎌倉に着いた頃にはもうだいぶ落ち着いていた。
朝の人通りが少ない時間をゆっくり歩きながら、鶴岡八幡宮へ向かった。
鎌倉へは2回ほどきたことがあったけれど、最後に来たのは中学を卒業する前だからもう20年くらい前だ。
受験勉強で記憶し、大河ドラマで話題となった鶴岡八幡宮の記憶はほとんどなく、実際に見てみたかった。
駅周辺以上に人通りは少なく、神社仏閣ならではの静謐とした雰囲気が漂っていた。
過度に豪華さを全面に出す絢爛な雰囲気はなく、この飾らない感じが僕には心地よかった。
境内まで上がって参拝し振り向いてみると、一直線に参道が伸びておりその奥を横須賀線が逗子に向かって横切っているのが見えた。
行きは良い良い、帰りは…とは言ったもので、写真の階段ではなく両サイドにあるなだらかな方を降りた。
鳥居を背に参道を歩くと、早い時間からやっているコーヒースタンドを見つけた。
家を出る前にオレンジは食べていたけれど、そういえば少しお腹が減っていた。
もちろんこの暑さで、喉も渇いていた。
八時半ぐらいからすでに店内にはお客さんがいて、ジョギングやウォーキング帰りと思われる夫婦や、朝食をとりながらPCで仕事をしている同年代らしき人などがいた。
そんな人たちに混ざって、何をするでもなくコーヒーを啜り、ワッフルを食べた。
お店を出ても、陽射しはまだそこまで強くはなっていなかった。
鎌倉駅まで戻り、江ノ電で藤沢まで出ようと考えた。
改札に着いたとき、ふと見上げるとそこにしめ縄がかかっているのが見えた。
へえ、と思いながら進んでしまい、何か祈りを思いつくこともなかった。
やってきた江ノ電では、降りることなく藤沢まで向かった。
長谷で大仏を見ることも、鎌倉高校前の踏切で手を挙げることもしなかった。
それでも、稲村ヶ崎や七里ヶ浜でちょっと降りてみたいなという気持ちにはなった。
坂の下から稲村ヶ崎へ向かう際、海岸へかかるカーブを曲がる時にふとスキマスイッチの「view」が頭に流れた。
カバンの中でワイヤレスイヤフォンを探したけれど、見つからなかった。
どうやら、家におき忘れてしまった。
湘南新宿ラインに乗った方が早いけれど、だいぶ待つようだったので上野までのグリーン券を藤沢で買った。
上野東京ラインは、東京を出て神田・秋葉原と過ぎていく際に東北・上越新幹線のさらに上を走っていく。
新幹線よりも高いところを走る普通列車に、まだ乗ったことがなかった。
熱海よりも近いところにいったはずが、結局色々回って地元に帰ってきたのは前回と同じくらいだった。
18きっぷはあと4回分残っている。
僕がひとりで出かけるのか、それとも妻とふたりで出かけるのか。
ともあれふたりともアラフォー。
アラフォーですが今年、青春を行ってきます。
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