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あじあのおんがく

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#中国

[2022.10]【新連載!】境界線上の蟻(アリ)~Seeking The New Frontiers~

文●吉本秀純 Hidesumi Yoshimoto  台湾や韓国といった周辺国と比べると、新しい動きや注目すべきバンドの情報などもやや掴みづらいところがあった中国のロック・シーン。かつては中国におけるロックの先駆的存在であるツイ・ジェン(崔健)が日本でもメジャー・レーベルから作品リリースされて話題となったり、2000年代に入ってからも〝中国のソニック・ユース〟とも称されるカーシック・カーズの初期の名曲「中南海」が世界的に広く聴かれたことでインディ・ロック・シーンの隆盛を伝え

「2021年中国ラップ発展白書」から読み解く2022年〜2023年の動向

艾媒咨询から2021年の中国ラップ発展白書なるものが発表されていました。フルレポートは32Pもあるので、その中から一部をご紹介したいと思います。<元記事リンクは一番下に> ※カバー写真は2018年のEDCのもの。ラップじゃなくてすいません。 1、ラップの普及度 2021年はさまざまなRAP番組が放送されました。少年说唱企划や黑怕女孩などの番組が放送され注目を集めていましたし、ネット上でも話題にたくさん登っていました。以前「中国ラップはマンネリ化して踊り場に差し掛かってい

これだけは聴いとけ!中国女性ラッパー3選!

男性社会であるラップの世界。日米を見渡しても圧倒的に男性ラッパーが多いのですが、中国も例外ではありません。そんな中、中国には女性だけが出演するラップ番組があったり、女性ラッパーが活動しやすい土壌があるような気がしてまして、実際に日本よりも女性ラッパー比率が多いかなと感じます。 そんな中でもとりわけ輝いている中国女性ラッパーを独断と偏見でご紹介します。 中国にもいろいろなタイプのラッパーがいまして、有名番組に出演して実力が大してないのに一気にギャラが上がったラッパーとか。ス

Chinese Hiphop Star 北京「MDSK」

第八弾となる中国各地のHiphopレーベルシリーズです。今回は北京を拠点とするMDSKです。ここはまたこれまで紹介したレーベルと一味違います。 MDSKとは北京を拠点とする摩登天空という会社傘下の2016年に設立されたHiphopレーベルです。 摩登天空(Modern Sky)は、1997年12月に設立された、中国最大の独立系レコード会社です。いわばMDSKは、商業的なHiphopレーベルと言えます。 ですので、もちろんスタープレイヤーばかり所属しています。ここに所属す

Chinese Hiphop プロデューサー三選

名曲の裏には、やはり敏腕プロデューサーありですね!chinese hipohopに限らず、hiphopだとよく、手掛けたプロデューサーの特徴的なフレーズが入っています。 それをtagと言うらしいんですが、今回独断と偏見で選んだ3人のプロデューサーの手掛けた曲にも、もちろん入ってます。それが聞けさえすれば名曲間違いなしです。ぜひ、探してみてください! 1.Mai chinese hiphopの第一人者たる人物です。西安を拠点とするレーベル、紅花会のメンバーでしたが、今は自

中国4大ヒップホップレーベルが集結!「说唱听我的2」

芒果tvにて、2020年より始まった说唱听我的(Shuōchàng tīng wǒ de)のシーズン2が今年の夏始まります。なんといっても審査員たちが激アツです。全員が中国ヒップホップ界の重鎮です。 中国の4大ヒップホップレーベル、いやヒップホップギャングの中心人物たちが集結しました。日本で言えば、KREVA・R-指定・FORK・ZORNみたいな感じです。 そして、今回は番組内容というより、彼らがレペゼンとするレーベルをメインに紹介したくて書きました。まずは、こちらのサイ

2021年、越境する中国電子音楽シーンの“みずみずしい音”

COVID-19が世界中で猛威を奮う中、新しい音楽は日々誕生している。特に電子音楽シーンでは、Before COVIDの頃よりも、より深いレベルで「創作の探究」が進んでいる。 今回は、盛り上がりを見せる電子音楽シーンの「今」を紐解く第一回として、Google Earthで〈中国〉を訪れた。 李化迪 (Howie Lee)「Birdy Island」 中国(そしてアジア)の電子音楽シーンを代表する新進気鋭のアーティスト、Howie Lee。 正真正銘「Made in C

抖音攻略本(2020年度人気歌編)

1,筆者の軽い自己紹介6年前に中国語をはじめ、たまたま参加したカラオケ大会でC-POPの魅力にはまり、それ以来C-POPを通じたくさんの方と巡り会うことができました。せっかく1000曲以上も覚え極めたのだから、ブログをはじめようと決めたのが2年前。いろいろなことがありましたが、たくさんの方がコメントを下さったり、月に数万のアクセスがあったりと感謝してもしきれません。今回はAmebaの一番の人気記事をこちらでも投稿してみます。 2,外部リンク①Amebaブログ(元記事)この記

外国人練習生は中華アイドル業界を再活性することができるのか

 2月17日8時に、青春有你3,創造営4が同時開始されました。今年の目玉は「亜洲超星団」を含め、新たに多くの外国人が参加することで、国際的な一流アイドルグループ誕生への期待がされている。しかし、もともとこういった経緯に至ったのは、かねてから叫ばれていた中国版プデュのマンネリ化が原因だ。では、果たして外国人の加入はどういった影響があるのだろうか、今回は創造営2021での評価を中心に紹介したい。 1,マンネリ化した中国版プデュ  2016年は中国アイドル元年と呼ばれ、アイドルオ

2010年代の中華ポップまとめ

ちょうど2013年ごろ、それまではクラブでVJをしながら、ジャズやら、テクノ、USインディー、ワールドミュージックを漁る日々だったものが、中国語の音楽を、自分で調べて聴くようになりました。もうすでに2010年代も終わるので、いい節目なので、今まで聴いてきた中国語の音楽をまとめることにしました。 プレイリストを先に貼っておくので、聴きながら読んでみてください。 中華ポップとは中国語の音楽というと、中華人民共和国の音楽に思う方もいるかもしれませんが、各言語の話者分布を見ると、

【台湾・中国の反応】「ミュージックマガジンに載らなかった台湾音楽の100枚」に多くの反響がありました!

はじめに:本記事の中日翻訳は、中国語初学者の私がやりました。誤りや適切ではない表現がありましたら、ぜひTwitterまで優しめにご教示いただけますと助かります!(笑) 中村めぐみ @Tapitea_rec です。 2020年4月末、「ミュージック・マガジンに載らなかった台湾音楽の100枚」という一般投稿企画を発表しました。 当企画は、2020年3月23日(月)から4月18日(土)までの約3週間、Tapioca Milk Recordsの読者様投稿企画として、「あなたが好

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中国ヒップホップ②中国新说唱第一季(2018)〜存続の危機からの復活〜

皆さんこんにちは。Chineeland秦です。 前回、中国有嘻哈と勝者のPG ONE/GAIのご紹介をしました。僕のnote史上一番いいねをいただけました。ありがとうございます。 僕は中国のいいところを少しでも日本に伝えられたらと思ったのが、noteを始めたきっかけです。皆さんの役に立つことは少ないかもしれませんが、ネガティブだけでない中国の姿が少しでも届けばいいなと、そして今まで日本のエンタメ、カルチャー界隈で仕事をさせていただいていたので、少しでも中国のエンタメカルチ