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#40 経年'変'化

僕の携帯はiphone8だ。iphoneよ。お前は”ph”と綴るくせに、なんで「フォ」って読むんだ?意味が分からん。

まぁ確かに、お前が「あいぽん8」だったら、きっと買うのを躊躇していただろうから、今日のところは、これ以上この話をしないでおいてやろう。


さて、僕のiphone8は今年で4年目を迎えた。

リチウムイオン電池がヘタってきたせいか、反応も悪い。


「リチウムイオン電池って、300回充電すると、マックスが70%〜80%くらいになっちゃうんですよ、500回で、50%〜70%くらいですかね」

電気屋のお兄さんが、そう教えてくれたことを思い出した。


4年目を迎えたiphone。僕と歩んだ1460日。反応が悪くなってしまうのもいたしかないのかもしれない。「あいぽん8」とか言って申し訳なかったな。お前は頑張ってくれていたんだな。

よし。今日からお前は「愛phone 8」に改名だ。


そんなことを考えている最中、ホーム画面から隣の画面に移る際に、「愛phone8」は心肺停止状態になってしまった。


こんな状態は初めてだ。左半分にホーム画面。右半分が隣の画面。

真ん中には1cmほどの真っ黒な空間。


こういう時は、電源を落とすしかない。しかし僕は、そんな画面を眺めていたくなった。

何かに似てる。そう思った。なんだろう。思い出せない。


「なければならないけど、使わない場所」


ああ、あれだ。電車の連結部分だ。子どものころ、あそこにいるの好きだったな。


いつからだろう、電車の連結部分は、好きな場所ではなくなって、ただ単に車両と車両を繋いでいる場所でしかなくなってしまった。


いつからか、電車に乗るのは、楽しみではなくなってしまった。


いつからか、僕は、今の僕になってしまった。いつからだろう。


でも、僕は今の僕が嫌いではない。

子どもの頃と違って、電車に乗る際に、ワクワクはしないけれど。

でも、僕は

息しているだけで、のしかかってくる税金との戦いに勝ち続け、歳を追うごとに押し寄せてくる獰猛な加齢たちを、1つ1つ手懐けていっている。


そんな僕のことを、僕は嫌いではない。

好きとまでは言えないけれど。





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