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父特製・とろとろ茄子のお味噌汁

休日である今朝の朝食は家族揃ってだった。
時たま、そういう休日の朝がある。
決まって父が作ってくれるのだ。

今日は丁寧に皮をむいた茄子のお味噌汁、目玉焼き、ウインナー。
特別なメニューではない。
しかし、皮をむいた茄子のとろとろ具合が程よく美味しかった。
美味しさのあまり、記事タイトルにまでしてしまっている。

父のお味噌汁は、母のそれと比べると濃いのである。
今日は薄味にしてみた、という父。
それでもお母さんのよりは濃いよ、と私たち。

私は父の料理があまり得意ではなかった。
いや、味は確かに美味しいから、料理を作った時の態度が得意ではないといったほうが正確かもしれない。

自分で作った料理に対しては幾度も「美味しい」というのだが、母の日常的な料理にはあまりその言葉を口にしない。
私たちが求めていなくとも4人分の料理を作り、強要してくる。
それらがとても嫌だった。

しかし、ここ最近、特に私が1人暮らしから帰ってきてからはそれが殆ど無い。
それに、母の料理に対しても「美味しい」「ありがとう」と言葉にするようになっている。

私も、父には父の、母には母の料理の特徴があると思うのだ。
父が作ったからといって敬遠するのもまた悲しい話である。
過去の私に少し、伝えたいものだ。
そんなに不機嫌な顔をしなくてもいいんじゃない?と。

味噌汁だけじゃない。
目玉焼きも絶妙な加減で焼かれていた。
今まで不機嫌な態度をとってごめんね、の意味も込めて「美味しい」と「ありがとう」を父に伝える。
心なしか、父も嬉しそうに見えた。

食後は父が庭で育てたぶどうをデザートとして頂く。

そして今日という日が始まったわけだ。

今日も私は日常を愛でよう。言葉にしよう。
大切なひとに感謝を伝え、共に笑顔で過ごそう。

素晴らしい休日の朝を迎えられたことに感謝して。

田原涼音



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