見出し画像

【読書#4】もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーの『マネジメント』を読んだら

久しぶりに読書感想を。

本書で言うマネージャーを、スポーツの監督や指導者のことに置き換えて読むと面白かったです!スポーツ現場で活動する僕たちにとって、指導者の在り方、そして、今あるチームは社会的にどんな組織であり、何をするべきか俯瞰して捉える方法を学びました。要点を抜粋して自分の考えを入れながら共有します。

・・・・・・・・・・・・・・・・

マネージャー(スポーツ指導者)の資質。

才能ではない。真摯さである。

一流の選手が一流の指導者になるとは限らない。そう言われる根源はここにあると思いました。いくら実績やスキルがあっても真摯さに欠けた指導者は選手としては嫌かなと。

優秀なマネージャーは、「誰よりも多くの人を育てる。好かれる者よりも尊敬を集める。何が正しいか考え、誰が正しいか考えない。真摯さよりも知的な能力を評価したりはしない」。

一番大好きな部分です。スポーツ指導者も然り。多くの選手を育成し、選手から好かれるより尊敬を集める指導者でありたい。プレーやチームビルディングでは誰が正しいということは考えない。TPOに応じて何が正しいか考えながらプレーもチームビルディングも考え抜く。そして、一番は選手の誠実さやまじめに歩む姿勢を見つけて評価する。現在の一時的な能力の評価はその次。指導者としての在り方・考え方・姿勢を整える感覚になりました。

チームが存在する目的と使命は?

それを考える出発点はチームに関わる全ての人の想い。「全ての人」の中には、指導者や保護者、大会や試合に来てくれる方、所属するスポーツ協会の人、部活動なら学校や先生、応援してくれる友だちなど様々。そして中でも選手の想いが一番大切。もしドラでは出発点は「顧客」の現実と欲求と価値観を知ることからと言われています。だからチームの関わる全ての人の想いをまずは知ることからが指導のスタート。多くの指導者の方はこのことを自然と理解され、各方面の方々とコミュニケーションをとっています。だけど詳しく聞けているか?深層心理を聞き取れているか?チームに関わる全ての人の想い聞くには関係性がすごく重要で「もしドラ」の夕紀と選手のような関係性や関わり方が大切だと感じました(詳しくは本書で)。

”想い”を洗い出すと、、

・始めたきっかけ
・スポーツをする目的
・現在(または未来)の期待や望み
・気がかりや不足、不安、不信
・手にしたい(成し遂げたい)成果
・など

があります。その想いを確かめた上でチームの目的と使命を定めていく。本書では”感動を生み出す”ことがスポーツをするチームの目的としていますが、多くのスポーツ活動はそこに行きつくだろうと共感しました。

皆さんのスポーツ現場では、全ての人の想いを聞き取れていますか?
全ての人の想いを知ることは時間もかかり容易ではないですが、価値があります。

スポーツ指導者の真摯な態度。そして、スポーツに関わる全ての人の想いの確認。大切にしたいですね。


日本スポーツコーチング協会
スポーツコミュニケーションアドバイザー&コーチ
田原直弥



この記事が参加している募集

#読書感想文

189,568件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?