2021『わたしが死んだら世界が終わる』

※上演ご希望ございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。著作権は宮沢賢治氏及び田口アヤコに、上演権は田口アヤコに帰属します。

【上演記録】

東京ディスティニーランド
『時間無制限対戦番組ヴァルハラ２』
@新宿ライブフリーク
初演

〈出演〉
東京ディスティニーランド

〈脚本〉
踊り子・牧瀬茜
劇作家・田口アヤコ
落語家・仔羊亭たいよう
独演詩人・猫道
歌舞伎脚本家・鶴祥一郎
樹海探索師・ハリジャンぴらの
母親・岸本和子

2021/10/11(月）〜10/25（月）

東京ディスティニーランド　七時間一人芝居
「ヴァルハラ・ツー」

を開催・配信致します。わたくし東京ディスティニーランドが七人の脚本家と対戦します。この日のために書き下ろされた七種七様の七作品の一人芝居。それぞれの脚本家たちはお互いを知らないはずなのに、なぜか、果たして、つながってしまうのか。私特有のアドリブもハサミながらの超朗読劇（朗読なのに途中で台本捨てる）となります。本番は10/11の13時〜20時ですが配信アーカイブが10/25までの二週間残ります。料金は投げ銭。つまり基本は無料ですので、投げ銭は可能な人だけで大丈夫です。

有観客の場合………新宿ライブフリーク（最寄り駅は新宿三丁目駅）にて12:30開場・13:00開演。20時終演予定。料金2500円＋１ドリンクオーダー。当日会場にて初のファングッズ販売あり。

配信観劇の場合………こちらのURLから観劇可能。

https://live-freak.jp/events/5182

（新宿ライブフリークのURL）10/11の13:00から配信開始。二週間後の10/25まで観劇可能。料金は投げ銭。
なお、10/11の20時まではURL先で投げ銭が可能ですが、それ以降はお手数おかけしますが銀行振込になります。

投げ銭の振込先

みずほ銀行王子支店・普通預金口座1438404 ヨシダリョウ

死なない様に頑張ります。

出演　東京ディスティニーランド

上演作品と脚本家紹介

★猫道「雨男リターン」……劇作家から吟遊詩人に転身。電子機材を駆使して独唱する教師っぽいひと。

★牧瀬茜「向日葵畑」……現役ストリッパー。舞踏家や脚本俳優としても全国からひっぱりダコ。ウィキペディア参照。

★鶴祥一郎「GOOD　JOB」……歌舞伎の戯曲で賞を取ったことのある男。今回は時代劇。

★仔羊亭たいよう「だくだく」……北海道の落語家。私の為に古典落語を脚色。

★田口アヤコ「私が死んだら世界が終わる」……劇団コロール主宰の劇作家。一児の母としての脚本を描き下ろしてくれた。

★ハリジャンぴらの「樹海探偵ゼビウス」……青木ヶ原樹海探検家。数十体の〇〇を発見・通報しており経験談を芝居化。作品内容に少々過激な部分があります。

★岸本和子「夢」……旧姓・吉田和子。つまり私の実母に無理やり頼んで脚本書いてもらいました。案の定、とんでもない作品に。

以上。30分以内の作品から、2時間の大作まで、七種七様の物語。演じるはわたくしただひとり。音響照明もロットンさん（店長）ひとり。観客も、誰もひとりも死なないようにがんばりますね。ばいばい。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊

『わたしが死んだら世界が終わる』

登場人物

ジョバンニママ

ジョバンニ

リョウくん

【1】

ジョバンニママ：

こないだ、わたし、死んじゃったみたいなんですよ
「ひどい風邪」みたいなウイルスが流行って。
なんかマスクしろとかアルコール消毒しろとかいろいろいわれてて、まあでもわたしなんかぜんぜん外に出ないから。てか、ビョーキが流行る前からずーっと、半分寝たきりー、みたいなのが続いてて
子どもが働きに出てるから、それで、もらってきちゃったのかな。

いつもより熱が高いやつが続くなー、とおもってたら、わりと息するのしんどくなって。あー、なんかこんなビョーキだみたいなの言ってたなー、とか考えてたら、次の、息は、吸い込めなくなってて、おしまい。

すごいずっとながいあいだ、半分ビョーキみたいなかんじだったから、まあもっと早く死ぬのかな、痛いのはやだなーとかおもってたけど、すう、はあ、すう、はあ、すう、っておもってたら、すう、ができなくて、とまっちゃったかんじ。
それで一気に、からだの熱が無くなって、あー、これが死体かあーとかおもいながら、あれちょっとまって、死んでも？わたしなんか考えてますけど？って

いやまあ言う相手もいなくて、てか、子どもそのとき仕事中で、帰ってきたら赤ちゃんのときみたいに泣いて、そこにべたん、って座って、でも涙はでてないのね、そう赤ちゃんて、泣くとき涙出ないんだったーって、でもちょっと近所迷惑だよ大丈夫？っておもったけど、や、心配するのそこじゃないよねみたいな。

うんでもさあ、なんか、もう子ども、おっさんになったからさ、すごいすごいすごい久しぶりに、子どもが赤ちゃんだったときのこと思い出した。なんかこのくらいで（手でなんか楕円形つくる）。オットになんか「虫みたいだな」とか言われて。でもほんと、カブトムシの幼虫みたいな。こう。で、泣いてるの。
あーわたしお母さんだったわーって。

子ども大丈夫かな。
いやまあもういいおっさんなんだけど、わたしけっこう寝たきりだから家のこととかは自分でやってるわけだし、まあ大丈夫なのかな。

てか、このビョーキ流行ってからあの子がかかったらどうしようとか思ってなんかマスクは2枚にしなさいよとかちゃんと手洗いしなさいよとか言ってたけど、死んだのは、わたしだったなあー。

なんかぐるぐる、むかしのこととか思い出しながら、何日経ったのかわかんないままここにいる。

子どものころ、「自分が死んだら世界はどうなるのか」みたいなこといっしょけんめ考えたけど、答えは
「なにもかわりません」
が正解でしたーって。

わたしは、「わたしが死んだら世界が終わる」って、おもってたんだけどな。

いやでもあれだよ、子ども生きてるんだから、世界、終わるわけないよね。
逆に子ども死んじゃったひとのこと思い出したわ。カムパネルラさんち。

あのあと、ジョバンニも落ち込んで、でもなんか「次はオレが助ける」とか言って水泳習い始めて、「警察になる」とか言い始めたの、なんか笑っちゃったな。

ニュースとかでは「子どもが死にました」みたいなのよく聞くけど、まわりでほんとに死んじゃったのはカムパネルラさんとこくらい…
ま、わたし寝たきりだから、ママ友情報が入ってこないだけかもしれないけどね。

でもなんか、今でも毎日、「ジョバンニは大丈夫かな」って思うんだよね。クルマの事故とかさ。地震とかさ。その、なんかよくわからんこのビョーキとかさ。

いや、でも、毎日、「お母さん、死んでも、ぜんぜんつらくないよー！」って呼びかけてるっていうか言ってるんだけど、あのこぜんぜん聞こえてないみたいだね

つらくないよー。

いつまでこんなかんじなんだろ

あ、
帰って来た。
今日も無事だ。（笑う）

【2】

（鍵の音、ドアの音。ジョバンニ、入ってくる。マスク外しながら、）

ジョバンニ：

おはよう
っていうかおれお母さん起こしちゃったねごめん
ただいま
眠れた？

きょうも、たくさん弁当をつくりました！

偉くない？
いや、まああれか、子どもの頃の、野球選手とか公務員とか言ってた頃のほうがそりゃ、よかったよね

まあおれはおれで、一日一日、外に、でますよー

もうね、なんか不思議と、ゲームとかやる気にならなくなったんだなあー
偉い！
っていうか、普通に、中学とか高校くらい行けって感じだよね
いまさら、っていうか、まあ毎日思いますよー。

工場でさ、シューカツしてる女の子がいてさ、夜間の大学行ってて、だから働いてる時間もなんか昼夜逆転でおれと一緒になってるわけ、で、なんか、「就活とかさあ、どうしたらいいかなあ」とか振ってくるのおれに、昼間は説明会とか、ほらいまはオンラインでさ、OB訪問とかあるみたいで、
で、
なんか「働くって、たいへんだよ？」とか言っちゃってさ、マジおれが言ってどうすんだみたいな。こんな夜勤の弁当工場しかしてないのにさ。
なんかさ、歳近いと思われてるみたいで、まあおばさんとかジジイとかしかいないしね、おれ引きこもっててあれだね、ヒョロヒョロしてっから若くみえんのかな、30くらいにおもってるみたいでさ、
や、ホント若い子。ニコニコしててさ、かわいいよ。もうなんかまぶしーいかんじする。でもなんか、外出ると、みーんなみんなおんなじかおにみえるんだよねおれ。てかさ、やっぱこわいんかもね、ひとが。まあ、夜になってから出かけて、こうやって朝に帰って来て。なんかさー、おばけよりもにんげんこわいーって、なんか、ほんとおもうね。ごめんね。

あ
そういえば、牛乳来てなくない？
角砂糖買って来たけど。
いや、ま、あとで聞いてくる。コンビニで買えたら買うわ。

窓、開けっ放しじゃん。
エアコン入れるよ。まだ蒸すよ。
老人は、気づかないうちに、熱中症になりますよ！

なんかさあーー銀河祭りだね。ポスター貼ってあった。
まあ、おれ1人で行ってもしょうがないしさ。
カムパネルラも、あっちで45歳のおっさんになってるのかな？っておもったわ。ポスター見て。
向こうでは歳とんないのかな。でもさ、なんかおっさんのカムパネルラと、酒飲んでる夢とかみるんだよ、時々。なんかさあ、不思議に、あいつのお父さんには似てないんだよね。ぜーんぜん。

10月かあー
お母さん、死んじゃって何ヶ月経ったんだ？

…もっと早く誰かにみつかるかと思った。
まあこんなカラッカラのからだだもんね。
誰も来ないしね。

布団、洗濯するかな。晴れてるもんな

お母さーん、もー少し一緒にいてよ。
なんでおれは感染らなかったんだろーね？
てか、おれがもってきたのに決まってるのにね

「感染ってても無症状」ってやつか。何なんだろね、これ。

父さんもどっかで死んでるのかなー
ラッコの毛皮とかさ、おれさあ、バカだから普通に信じてたよ。

シャワー浴びてくる。

母さん死んでるのバレたら、年金、止まるんだもんな。

【3】回想1

先生：ではみなさんは、
そういうふうに川だと云われたり、乳の流れたあとだと云われたりしていた
このぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。

（カムパネルラ　手をあげる
　ジョバンニ　手をあげようとして、やめる）

先生：ジョバンニさん。あなたはわかっているのでしょう。

（ジョバンニ　勢よく立ちあがる
　が、答えることができない）

先生：大きな望遠鏡で銀河をよっく調べると銀河は大体何でしょう。

（ジョバンニ、やはり答えることができない）

先生：ではカムパネルラさん。

（カムパネルラ　答えられない）

先生：では。よし。
このぼんやりと白い銀河を大きないい望遠鏡で見ますと、
もうたくさんの小さな星に見えるのです。
ジョバンニさんそうでしょう。

先生：ではみなさんは、
そういうふうに川だと云われたり、乳の流れたあとだと云われたりしていた
このぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。

【4】回想2

ジョバンニ：　お母さん。いま帰ったよ。工合悪くなかったの。

母：　ああ、ジョバンニ、今日は涼しくてね。

ジョバンニ：　お母さん。今日は角砂糖を買ってきたよ。牛乳に入れてあげようと思って。

母：　ああ、お前さきにおあがり。

ジョバンニ：　お母さんの牛乳は来ていないんだろうか。

母：　来なかったろうかねえ。

ジョバンニ：　ねえお母さん。ぼくお父さんはきっと間もなく帰ってくると思うよ。

母：　あああたしもそう思う。おまえはどうしてそう思うの。

ジョバンニ：　だって今朝の新聞に今年は北の方の漁は大へんよかったと書いてあったよ。

母：　ああだけどねえ、お父さんは漁へ出ていないかもしれない。

ジョバンニ：　きっと出ているよ。

母：　お父さんはこの次はおまえにラッコの上着をもってくるといったねえ。
そうだ。今晩は銀河のお祭だねえ。

ジョバンニ：　うん。ぼく牛乳をとりながら見てくるよ。

母：　ああ行っておいで。川へははいらないでね。

ジョバンニ：　ぼく岸から見るだけなんだ。一時間で行ってくるよ。

母：　もっと遊んでおいで。カムパネルラさんと一緒なら心配はないから。

ジョバンニ：　…。お母さん、窓をしめて置こうか。

母：　ああ、どうか。もう涼しいからね

ジョバンニ：　では一時間半で帰ってくるよ。

【5】

ジョバンニ：

あーシャワーの前に郵便みとかないとやばいわ、
（何枚かのハガキ、封筒）
ガス、電気、はい、はい。

「カムパネルラ様」？
なんかのタイムカプセルてきなあれかな。それにしては事務的なあれだな
（開ける）

「お父さんへ」

あれ？あれ？これ、なんか、来たな1回むかし

「リョウと言います。18歳になりました。
18歳になって、お父さんを辿る権利をもらったので、手紙を書いています。お父さんは本当のお父さんではなくて、僕の半分はお父さんだっていうことは、15歳くらいのときに、お父さんとお母さんに教えてもらいました。僕はなにかうまく書けていないですね。日本語は勉強中です。
日本の大学に行くことが決まったので、お父さんにも会いに行けます。お母さんは、ミヤザワケンジさん、が好きで、中国人ではなく、日本人の、お父さんの精子を選んだのだそうです。
会ったときに、たくさん、たくさん、お話ししたいです。」

あれだ
治験のバイト先でみんなでボランティアしたやつ
みんな「絶対オレ選ばれるぜ」とか言って、
黙ってたけどおれんとこに連絡来て。

おれもなんでカムパネルラの名前使ったんだろな。
身長とかちょっと盛ってさ。
「得意なこと: 水泳」とか書いてさ。
カムパネルラが泳げてたら、いま、生きてるじゃん。
おれ無意識にやな奴じゃん。あほか。

あれが、だれかの子どもの「半分」になったのかあー…
てか、「おれの子」じゃん。

『ピンポーン』

はい！
あ、空いてるんで、いま

わ！（自分にそっくりの男の子がいて驚く）
あ、っと

リョウくん。
あ、僕が、カムパネルラ、です

あっマスクしたほうがいいよねごめんね！

あ、ワクチン、そりゃそうだよね、ごめんこのへん順番回ってくるの遅くてさ…いちおう。（マスクする）

はじめまして。

あ、表札は、あの、あれなんだ親が、離婚したんだよ
てゆか、似てるね…

いや、笑うと、カムパネルラにそっくりだね
いや僕が、カムパネルラ、なんだけど
あ、入る？
（母の遺体があることを思い出す）

あっでもごめんすごい散らかっててこれから出かけるとこで
お茶、、も無いな、、ごめん

あっ気い遣わせちゃってごめん…
大学、トーキョーに行くの？

え、沖縄？
ああ、、へえ、、ここからはさ、ほらけっこう遠くてさ、おれ行ったことないんだよ沖縄。

うん。たぶん。暑いと思う。
ここらへんはさ、夏でも、暑い時期なんかすぐ終わっちゃうからさ、行ってみたいよ沖縄。

ありがとう。
いやほんと急でびっくりしたけどさ、会えて嬉しいよ。
手紙、ありがとう、読んだのついさっきで、気づかなくて。

あっあっこれ、えーっと、持ってってよ！
（松田聖子『SWEET MEMORIES』のCDを渡す）
なんか、、入れるものとかなくてごめん、、
おれのお母さん、きみのおばあちゃんか、そうきみのグランマがさ、この松田聖子ってひとにすごい似てるんだよ
声とかもさ
いやこんな若くないよ？
いま？寝て、いや違う、朝の散歩に行ってる
長いんだ散歩
うん、まだ、生きてるよ。
なんかさ、これ、ペンギンが歌うんだよ
いや歌ってるのはこの松田聖子ってひとなんだけどさ、
沖縄って聞いてさ、海思い出してさ、
聞いてみてよ。

ラブソング…てか、たぶんね、おれが思うには、嘘の、思い出の歌。
そうだね、
嘘が甘いのか、思い出が甘いのかはさ、まあ、聞いてみてよ。

きみのさ、おじいさん、おれのお父さんは昔海に出てて、あのー漁師。フィッシング！
いまは、もう、いないけどさ。
いや沖縄とかじゃなくて、ここよりももーっと北のほうの海で、ラッコが獲れるんだ、って
いや嘘嘘、いまラッコとか捕まえたら逮捕されちゃうよ、

へえ、、
「海についての勉強」とか、あるんだね、
おれ恥ずかしいんだけど大学とか行ってなくてさ
マリアナ海溝、とかそういうやつ？

いやたまたまこないだテレビでやってたのみてて、なんか、深い、海ん中にも、銀河があるんだなーっておもってさ、いや変なこと言ってごめんね？

うん、ありがとう、
なんか、似てるよね！
このへんも無駄に高いマンションとか建っちゃってさ、星とかぜんぜんみえなくなっちゃったんだけど、ちょうど今日、「銀河のお祭り」っていうのやるんだよ
からすうりをくり抜いてローソク入れて、川に流して、なんか、死んだ人に届くように、って
あ、からすうりって、うり、ってまあーメロン？
いやぜんぜん違うな
どっちかっていうとあのハロウィンのカボチャみたいな、
うん、まあ、お祭りだからさ、ハロウィンみたいなやつだよ。ハロウィーン？

そうだね、
「子どものお祭り」だね
僕も、きみも、もう大人だから、あれだ、
でもわりと日本だと、大人も、お祭り、好きなんだ。花火とかさ。

うん、ふぁいあ。
不思議だねきみは僕の子どもなのに、もう大人なんだね。

半分子ども？
いや、だってさ、背もおんなじくらいだし、てか僕より高いよね？
18歳か。
そうだね、半分子どもかもね。
や、沖縄で頑張って勉強して、また、会いに来てよ。

あ、お父さんとお母さん、中国系なんだよね、
最近たまたま、いやほんとにたまたまラジオの中国語とか勉強しててさ、いやなんかほんとは職場にタイとかベトナムの子がいるからさ、勉強したかったんだけど、難しくて。
や、中国語の、
「再見（つぁいつぇん）」ってさ、
なんか日本語の「さよなら」よりぜんぜんいいなっておもっててさ、
また、会いに来てよ。

「再見」

（笑う）そうだね、グランマの散歩は、ずいぶん長いね。
つぎはみんなで、会おうよ。

じゃ。ありがとう。
（ドアが閉まる。リョウくんいなくなる。）

あれ。

お母さんの声、聞こえなくなった。

（終わり）