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空想と妄想

空想と妄想の関係はファンタジーとメルヘンの関係に似ています。
ファンタジーの作品世界の中には必ず現実の世界が顔を出し、登場人物はそこが現実世界と違う世界であることを理解又は意識しています。
メルヘンはその作品世界だけで完結し、登場人物はその世界が全てであることを疑いもしません。
空想は頭の中で想像した事象が現実には起こっていない事を理解しています。
妄想は現実では起こっていないのに起こっているという事を疑いもしません。
身近な例で挙げると、「あの、これ落ちましたよ」と素敵な異性が財布を拾って渡してくれた時に、(こんな人と付き合えたらいいなぁ)などと考えながらも、実際には「ありがとうございます」とお礼を言うくらいで、(もしあんな人と付き合えたらあんなことして、こんなことして、ぐふふ)などと空想して楽しい気分に浸りながらも、まあ、現実にはそんなことはないなぁと思う事でしょう。
ところが(財布を届けてくれたのだから自分に気があるのだ)と確信し、相手が否定しても(自分が好きなのに照れている)と思い込み、修正が出来ないとなると妄想になります。
よく、義両親が介護をする奥さんや病院スタッフ等の事を泥棒扱いするのも「物盗られ妄想」という妄想の一種です。
よく、相手の言う事を否定してはならないというノウハウを語る方がいますが、妄想の場合、下手に話を肯定的に聞いてしまうと妄想を助長してしまう事があるので、認知症や統合失調症などの妄想が出ている場合には病院で精神科的な精査をしてもらい、話を聞いても良いかどうか主治医に判断してもらう必要があります。


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