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バングラデシュの東大と呼ばれる大学とは?大学事情に迫る!

バングラデシュの「東大」ダッカ大学

 バングラデシュには、五つの有名な国立工科大学があります。ダッカ工科大学のほか、バングラデシュ工科大、クルナ工科大学、チッタゴン工科大、ラジシャヒ工科大の5つです。これらの国立大学の学費は無償、学生に宿泊施設なども提供しているのが特徴です。

 これらの国立大学は、学費が無償で宿泊施設を提供されているので競争は非常に激しいです。ダッカ大学では、倍率30〜80倍という驚異的な競争率をくぐり抜けなければなりません。4年で1000万人ずつ人口が増えているこの国では今後も競争を避けることはできないでしょう。最近では私立の工科系大学も増えていますが、金銭的な面もあり、富裕層に限られてしまうという課題があります。


バングラデシュの大学受験事情

 ダッカ大学を例にとって考えてみると、受験は4つの区分から成り立ちます。それぞれA, B, C, D Unitと呼ばれ、A Unitが理系コース。B Unitが人文系、C Unitがビジネス系、そしてD UnitがTransfer Unit、いわゆる転向用の受験区分となります。これはバングラデシュでは高校の時点ですでにクラスがScience, Art, Commerceと分けられており、受験科目の違いもあるので通常この区分に従って受験をします。しかし、理系の人が文系学部に行きたかったり、また逆のこともあるので、そのような場合にD Unitは利用されます。

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 次に配点についてです。C Unitを例にあげます。C Unitは合計200点で試験が行われます。そのうちペーパーテストが120点、残りの80点は中学と高校の卒業試験の成績から算出されます。日本は仮に中学・高校でいくら遊んでいても受験前に頑張れば一発逆転を狙うことができますが、バングラデシュではそれが難しいのです。なので、トップ大学に行きたい生徒は中学の時から気は抜けませんね。

国立工科大学で学ぶこととは?

 C言語やC++、Javaなどのプログラミング言語、ネットワーク関係ではTCP/IPなどの基礎を学んでいます。しかし、これだけでは実践的な業務にはあたれないということで、アドバンスドコースというものを設け、PHPやAndroidといったWebやスマホ向けのプログラミング言語やCisco、Oracleなど企業でよく使われている技術を学んでいます。

卒業生の就職先は?

 毎年数人は米国企業へ就職し、他には国内のITベンダーや金融・通信関連企業や中東などの企業に就職します。前述した通り、バングラデシュの受験は非常に狭き門となっているため、その競争を勝ち抜ける人材はさまざまな分野で活躍できる可能性を秘めていると考えられます。
 世界から徐々に着目されているバングラデシュの人材の秘密はこのような受験制度に隠されているのかもしれません。最近では、米グーグルがリクルーティングに来たりもしており、バングラデシュのIT人材への関心が高まっているといます。


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