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TBSラジオ 「生島ヒロシのおはよう一直線」「新型コロナ感染対策と鼻うがい」

2021年2月24日(木)放送
TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう一直線」

うるおい生活講座
「新型コロナ感染対策と鼻うがい」

キャスター:生島ヒロシ
ゲスト:堀田修(医師、医学博士。堀田修クリニック院長)

生島 さて、うるおい生活講座、本日はですね、仙台にあります堀田修クリニック・堀田修院長先生にですね、鼻うがいで新型コロナ対策ということでお話をうかがってまいります。先生おはようございます。

堀田 おはようございます。

生島 先生、まあ、やっぱりワクチン接種が始まりましたが、やっぱり一般の方にたどりつくまではずいぶん時間がかかりそうですから、やはり予防しておかないといけないということですよね。

堀田 そうですね。

生島 どうですか。1年以上たちましたけれど、先生のお考えとしてはどうでしょうか、予防対策としては。

堀田 今はですね、そもそも新型コロナもコロナウイルスなので、乾燥と寒冷が好きなんですよね。これで春になってきますので、今すでに患者さんの数も減ってきてはいますし、もちろん、緊急事態宣言などの影響もあると思いますけれど、日本だけじゃなく、減少傾向にありますから、だからまあ減ってはいるけど完全になくなるわけじゃないですからね。そこで対策するということは大事だと思いますね。

生島 まあ、いわゆるこれからも普通のインフルエンザと同じように、ウィズコロナが続くということですよね。

堀田 そう考えたほうがいいと思うんですね。まあウイルスの特徴としては、RNAウイルスですから、これからも変異を続けて、感染力は上げたりですね、保ちながら、ただ毒性自体は強くなってきませんので、だから普通の風邪ウイルスにだんだん近づいていくんじゃないですかね。

生島 なるほどね。例えば新型コロナウイルスがのどや口の中にくっついたりすると、それから4日から1週間くらいで発症するというようなことを前に聞いたことがある記憶があるんですけど、それの対策というと口腔ケアプラス鼻うがいっていうことですよね。

堀田 そうですね、結局ウイルスがくっつくだけだったら感染にはならないですけど、増殖して感染になるんですね。増殖するまでに4日くらいの時間がかかりますので、その間に鼻うがいをするということが大事だと思うんですね。だから毎日やるということがまずは重要だと思います。

生島 先生、よく風邪のひき始めにのどの痛みを感じますよね。

堀田 はい。

生島 あれはどこが炎症をしているんですかね。

堀田 あれはですね、実際には痛いと感じる部位ではなくて、鼻の奥の上咽頭という場所があるんですね。そこに炎症が起こると、支配している神経の関係で、脳が勘違いして、鼻の奥の痛みをのどの痛みと感じるんですね。

生島 じゃあコロナウイルスも上咽頭にくっつきやすいんですか。

堀田 そうですね、もともと鼻の鼻腔から入った空気はですね、鼻の奥で合流して、方向が前後から下に向けて変わるんですね。で、そこのところは空気の流れがゆっくりになりますので、もともと沈着しやすんですね。しかもそこには免疫担当細胞がとってもたくさんありますので、そこのところが風邪の震源地みたいになるんですね。特にのど風邪というのがそうですよね。今の時期だと花粉症ということもありますので、花粉症対策としても、この鼻うがいは上咽頭とともに鼻腔も洗うということが大事だと思うんですね。

生島 じゃあこの鼻うがいのですね、正式なやり方を、先生教えていただきたいですね。

堀田 はい、鼻うがいをするにはまず容器がいるんですけどね。容器は、100円ショップのドレッシングポットみたいなものでもいいと思うんですけども、簡単なのはですね、今はいろいろなものが市販されているのでそれを用いるのがいいと思います。ただ、洗浄液はですね、それ専用のものついていますけども、生理食塩水を自分でつくるのも安上がりでいいと思うんですね。生理食塩水ってどんなものかというと、0.9%の食塩水なんですけど、おおよそ1%だと考えればいいと思うんですね。1%だと、1リットルの水に10gの塩を入れればいいという計算になるんですけど、これを鼻うがいにするときは、できたら人肌の、40度くらいのお湯でやると使用感はいいと思います。使う量は、鼻うがいのキットによって異なるんですけど、おすすめは150cc以上のものがいいと思うんですね、鼻腔と上咽頭を洗うとすればですね。で、それで、一方の鼻から洗浄液を入れると、ややうつむきになりながらですね、そうするともう一方の鼻から出ていくということになります。それで、少し顔を縦にするとのどの方にも落ちていきます。だから、上咽頭もしっかり洗おうとすると、頭を前に傾けるだけじゃなくて、少し縦に近づけると、のどと鼻と両方洗えていいと思います。

生島 そうですか、僕はついついかがんでうつむきぎみだったんですけど、じゃあ普通の直立の姿勢でやったほうがいいんですかね。

堀田 直立までにすると、今度、のどのほうにがあっと降りてきて、下手すると誤嚥しますので、少しずつ自分で調整しながら、のどにもちょっといくなというくらいまでの角度でやるといいと思います。

生島 「えー」って声を出すですよね。

堀田 そうそうそう、「えー」っていう声を出すことによって気管支の方に入る誤嚥を防ぐことができますので、「えー」っていう声を出しながらやることがおすすめですね。

生島 あと、先生ね、こういうデータがありまして、WHOがですね、生理食塩水による鼻うがいの効果は確認されていないという見解を出したんですけれど、これは先生どうお考えでしょうか。

堀田 はい、この予防効果というのは、1万人くらいを対象にしたランダム化した試験をやらないとですね、ワクチンもそうなんですけど、それはエビデンスにはならないんですよ。ただそんなエビデンスで鼻うがいで研究することも不可能で、今までそういうのはないんですね。だからエビデンスがないと確認していないということなんですけれども、実際はその通りで、今のところ、新型コロナの鼻うがいの予防効果のエビデンスはないんですけれど、一方ですね、特にコロナにおいては、コロナの感染症、風邪をひいたときですね、そのときは鼻うがいで早くよくなる、あるいは家族内感染が減るという、ランダム化比較試験でちゃんとそういうデータがありますので、そこから考えるにやっぱり鼻うがいで予防効果というのも期待できるんじゃないかと思います。そのためにもしっかりしたエビデンスを今後構築するということが大事だと思っております。

生島 とにかくね、乗り切っていかないといけませんので、皆さんにはまずは試していただきたいですね。

堀田 そうですね。痛いと思っている人がけっこう多いんですね。鼻うがいは痛い。だから、食塩水を使えば痛くないってことを、まず1回やればわかりますので、まずはやってみるということだと思います。

生島 はい。ということで今日は仙台若林区にあります堀田修クリニック・堀田修院長にお話しをうかがいました。先生、ありがとうございました。

堀田 ありがとうございました。

<書き起こし終わり>

・「みんなで鼻うがいプロジェクト」(認定NPO法人日本病巣疾患研究会)

・堀田修『つらい不調が続いたら慢性上咽頭炎を治しなさい』

・動画【ウイルス感染を予防したい】鼻うがいを実演!【EAT | Bスポット | 上咽頭炎】


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