サムネ山形

ギリギリですよ、ギリギリ。R01.10.20 　J２第３７節　モンテディオ山形　ＶＳ　ツエーゲン金沢　レビュー

タギリスト

皆さんお待ちかねの「うんこスタジアム」。ツエーゲンサポーターがこの日をどれほど待ちわびて我慢していた事か。それも全ては気持ちよく出し切る為。３連敗のうっぷんを晴らす為。劇的なゴールでの快便・・・じゃなくて快勝にツエーゲンに関わるみんなが喜んだ。溜まっていたものが全て出た、そんな気持ちだった。しかし、目標は高くありたい。残り５試合となった今シーズンに必要なモノは何か、それを考えながらもう一度振り返りたいと思います。

金沢１－０山形

得点：金沢　９０分　山本

交代：金沢　２９分　クルーニー→垣田　７１分　金子→大石　８１分　杉浦→山根

交代：山形　６３分　山岸→井出　　７６分　大槻→バイアーノ　８８分　坂元→高木

スタメン

山形１

金沢の前節からの変更点は２つ。清原→金子と梅鉢→大橋。石尾くんが引き続きスタメン。２戦続けて杉浦・クルーニーのコンビとなった。ベンチメンバーは後藤・廣井・清原・大石・梅鉢・垣田・山根。

山形の前節からの変更は柳→古部。金沢サポとしては嬉しい古部くんの登場で喜んだのだが、個人的に注目していた柳くんはベンチにも不在でどうしたんでしょうか？すごく良い選手だけに少し心配。ベンチメンバーは佐藤・熊本・野田・井出・秋山・高木・バイアーノ

前半

山形のボール支配率はリーグ１９位。対する我が軍は２１位。要するにボールを持たざる者同士の対決。そういう構図で前半を見ていると、最初は金沢ペースだと思っていたのだが、だんだんとそうは思えなくなっていました。

山形１

上は前半のスタッツです。ボールはある程度支配していますし山形にはシュートを１本しか打たせていません。ただ、我が軍もシュートは３本。我が軍の強みであるセットプレーが出来るコーナーキックは１に抑えられています。これは最近のツエーゲン対策の一つになっているように思います。直近の試合を見てもコーナーキックの数はリーグ前半に比べると減少傾向にあります。コーナーキックが奪えないという事は、相手ゴール前にボールを運べていないという事です。では、前半に金沢ペースに見えていたのに僕がそう思えなくなったのは何故か。探っていきましょう。

侵入出来ない金沢

金沢のシュート３本は１５分の杉浦くん、３１分の金子くん、４０分の加藤くんのモノが記録されていると思います。しかし、最初の２本はペナルティエリアの外から、加藤くんのシュートは山形ディフェンス３人に対応されながらも何とか放ったＰＡ内のシュートでしたが、それだけコースが限定されていたので山形ＧＫ櫛引くんも対応できるシュートでした。

ＤＡＺＮ実況の角野さんも言われていましたが、山形は前半の失点が０の試合がリーグ１位という事で、しっかりと連携してＰＡ内に入らせないようにしていました。

山形３

６：３６分のシーンを見ても金沢右ＳＢ小島くんからのロングボールを受けるクルーニーさんに対して山形ＣＢ栗山くんが対応、その脇に山形ＣＢ松本くんがいてクルさんの左後方にいる杉浦くんには加賀くんが、右後方から走る金子くんには山田くんがしっかりマークしてこぼれ球を狙っている。

とにかく前半の山形は自陣に戻るスピードが速かった。もちろん出来れば得点を狙っているのだが攻撃の芽を摘み、相手にマイナスイメージを与え疲れさせる。その事を第一に考えた前半と言ってもいいのではないでしょうか。山形とすればアウエーなのでなおさら前半は無失点で抑えたいという気持ちが働くのは想像できます。

それに対する金沢の対策は堅い山形ディフェンスの裏を取る事でした。沼田→加藤→杉浦の左サイドからのアプローチから藤村くんに渡ったボール。金子くんが山形の山田くんと松本くんの間をすり抜けてＰＡ侵入を試みます。

山形４

藤村くんの動きに栗山・本田がピン止めされていて加藤・杉浦・クル・金子が同時に飛び出しています。同時に飛び出す事で山形ＤＦラインも不安定になり金沢はオフサイドを回避出来ていました。残念ながらこのパスは山形ＧＫ櫛引くんの前に落ちてしまい金子くんには届きませんでしたが、練習してきたような形で、とてもよい狙いだと思いました。

この他にも裏を取ろうと走り込むシーンが何度か見られていましたから金沢の狙いの１つだったと思います。

ただ、いい形がＰＡ内に侵入できず、フィニッシュまで持って行けていないので得点やコーナーキックが獲得出来ないのです。それも最近の課題です。

簡単にボールを失う金沢

さらには柳下将軍（将軍と言っているの私だけなので以下ヤナ将）がコメントで良く言っている簡単なミス。これが多かった。前半だけで５～６回は見られたのではないでしょうか。

せっかく自分達のボールなのに簡単にボールを失いリズムを崩してしまう。さらにはクルさんの不用意なファール２つでイエローカードを貰い（これにより累積８枚で２試合出場停止）選手交代せざるを得ない状況に。（１度目のファールで垣田くんはウォームアップしていたが交代させようとしていた矢先に２度目のファール）

ヤナ将いわく「前半は非常に良かったと思います。ほとんど問題なかったんじゃないかな。」という事だったが、山形の木山将軍は「前半、自分たちのテンポにもっていけなくて、少し金沢のペースで試合が進んだ。」少し、少しである。それを完全に金沢ペースに持って行って得点を獲れるようにしていく必要があると思います。

しかし、金沢も守備では下の図のようにしっかり連携がとれた守りをしていたと思います。

山形５

山形６

ちなみに山形左サイドには良くロングボールが入っていましたが、沼田・山本でそのボールを跳ね返し対処していました。

後半開始

後半から山形はプラン通りに攻撃に厚みをかけてくる。（下の１枚目と２枚目はクルーニー×垣田〇です）

山形７

山形８

※本田くんのシュートは井出くん投入後

山形９

坂元くんが空いたエリアに入りこみファールを貰ってＦＫになったシーンもありました。３枚目の図のように前にボールを押し込みながらも後ろのケアも怠らない山形。後半は完全に山形ペースと言っていいでしょう。井出くんが投入されてからはより勢いがつきます。

恒例の（できれば恒例にならなければいいが）白井くんのスーパーセーブもありましたが、井出くんには主に石尾くんが、替わって入ったバイアーノさんには義道くんが付いて良く守りぬいたと思います。交代で入った金沢ＳＨ大石くんに井出くんを外へ追い出すようにと指示したらしいヤナ将でしたが、そのプレーは僕には確認できませんでした。（もしかして大石くんが積極的に攻め上がる事で井出くんが守りに戻らなければいけないから、という事？）

後半３５分にバイアーノさんと山田くんが放った「キャプテン翼」ばりのツインシュートも枠のわずか外へ。

山形１０

これ、決まったらどっちの得点になってたんでしょうか？(-_-;)

耐えた末に待っていたもの

金沢は、替わった大石くんからのクロスで後半３８分頃から２度の決定機を迎えますがゴールを奪えず。しかし、そのおかげで得たこの試合３度目のコーナーキックからの流れたボールを大橋くんがクロスを上げて、それを山本くんが値千金のゴールを決めました。


山形１１

このゴールを見て最初に思った事は、大橋くんがタイミング良くクロスを上げたな、という事でした。義道くんに付いていた加賀くんが後ろに飛ばなければいけないタイミングでパスを出してくれたのと、義道くんが「普通に飛んで頭を振ったら入っていた」というポジショニングの良さ。さらにはその前にコーナーキックを獲るに至った大石くんのクロスなど、色んな要素が重なった、耐え忍んだ末の頑張ったご褒美ゴールという所でしょうか。

僕としては義道くんも良くやった！と言いたいですが大橋くんが全く褒められていないので大橋くんあっぱれ！と言いたいと思います。

木山将軍からすれば自分の目の前で金沢に与えられたＦＫも（コーナーキックの前の８８分のシーン）「金沢さんもこの間ジャッジでいろいろあったと思うけど、やっぱりどうなんですかねって思うシーンがたくさんあった。」という場面の一つであったとは思いますが。

ヤナ将の采配が当たったと言えばそうなるのかも知れません。しかしやはりいつもの交代策であった事は明らかで、後半の大部分は山形のペースであった事はデータでもわかると思います。

試合終了

山形２

結果コーナーキックは３本でした。やはり攻撃の機会が少ない。ファールを受けた位置も相手ゴール前では無かったですし、強みを生かす事がなかなか難しいですね。

今後は最低でも①簡単なミスを無くす②相手の陣地の深くに入っていけるようにする。この２つは意識して来シーズンに繋がる結果を得て欲しいです。②に関しては相手対策より自チームの特徴を重視するチームに対しては出来ているのですが、まず金沢対策を徹底的にしてくるチームに対しては出来ていないように思います。（徳島ん時ゃ特にドイヒーだった）

この試合では２位の山形にクリーンシート達成出来た訳ですし、石尾くんを起用しての勝利という事で自信にもつながったかと思います。

良い攻撃は良い守備から。次の長崎戦はメンバーがどうなるのか、残り五試合が楽しみな今節の結果となり、本当にホッとしています。ギリギリプレーオフを狙える位置に留まった。

これであそこにお邪魔しても少しテンション高くおしゃべり出来そうだ！あそことは何処なのか・・・近日発表！お楽しみに！残り５節、精一杯我が軍ツエーゲンを応援しましょう！

加筆

金沢の基本のボール保持の場面（一枚目）、また前半、後半での金沢のボール非保持時の数的優位の作り方の図（二枚目、三枚目）をtwitterにアップしたリンクを貼っておきます。




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