【朗読】どこかに行きたい。けど、どこにも行けないときもあるよね。
明日から9月ですね。
先週あたりから学校に行きたくない子供たちのために色々なメディアが特集を組んでいて、夏休み明け直前の空気を感じます。
今回の朗読は、私なりにそういう人のために作りました。
どんなにメンタルが落ちていても見られる色彩のジャケット、音楽、声を意識して。
もし人の声を聞く体力がありましたら、眠れない時にでも聴いてもらえたら嬉しいです。
こういうことを言いますのも、私自身が不登校を経験しているためです。
本当に辛い時は人の声を聞いたり、何かを見る体力も無かったので。
涙が出てもなぜ泣いているのかわからない。
今思えば感情の解離が起きていたのではと思います。
毎日ただ息をしているだけという感じでした。
家族に見せられなくて、涙がおさまるまで家に帰れなかったことを今でも時々思い出します。
多くの人の助けと神さまが作ってくれたタイミングのおかげで、無事高校も大学も卒業できて、今、こんな感じです。
不登校というものが社会に受け入れられてきて、逃げてもいいという言葉を言ってもらえるようになったことは、すごく良いことだと思います。
ただ、逃げても逃げ場がないときはどうすればいいのか。
この作品、『待つ』では、主人公の私は毎日駅のベンチに座ります。
どこにも行くあてがなくて、ただベンチに座って「誰か」を待っているわけです。
誰かが何なのか、彼女も分かっていません。
ただそれでも「待つ」のが彼女が今できる唯一の行動なのです。
もし逃げられなかったら、「待つ」というのも一つの手段かもしれません。
いつか、誰かがあなたをみかけるまで。
互ひとみ
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