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「遊び」の力で未来は変わる

バンダイからAED(Automated External Defibrillator/自動体外式除細動器)の仕組みや使い方を知ってもらうことを目的としたガチャガチャ「ミニチュアAED」が発売された。

医用電子機器メーカーである日本光電工業とバンダイによる、AEDの普及・啓発に向けたコラボ商品らしい。
https://hobby.watch.impress.co.jp/docs/news/1275610.html

今では駅やマンション、コンビニと至るとこに設置してあるAED。
でも使い方がわからない。一刻を争う、命に関わるAED操作。消火器とはわけが違う。

いざ! というときに、使える人は何人いるのだろうか?
遊びながら学べる、そしてこの企画を実現したバンダイには、未来をつくる力があると思う。

ゴミ問題を考える

海洋のゴミ問題が深刻化し、2050年には魚より海洋ゴミの量が多くなると予想されているらしい。

マジか! 大量のゴミはどこから?!

それは我々の日常からだ。
雨が降った際に、路上にある街のゴミが川や水路に流出し、それらが海へ流れている。海洋ゴミの7〜8割が街から流れ出たゴミだという。

バンダイのAEDガチャのように、「遊び」で海のゴミ問題を伝えることはできないだろうか。と、このニュースを見たときに、ふと思った。

自分も海に行って、この浜辺はゴミだらけで汚いなぁ、などと思ったことがある。でも、ゴミ拾いをしたことはない。

海のゴミが、自分たちが暮らす街から来ただなんて想像したことすらないし、きれいな浜辺に行っても、ゴミがないからきれいなんだ! と気づいたこともないと思う、たぶん。
海だけじゃなく、川だって同じ。

「遊び」という間口からシリアスな問題に踏み込む

浜辺のゴミのほとんどは、ペットボトルやプルタブ、潰れた空き缶、プラスチックなどなど。すでに海洋プラスチックゴミをアクセサリーや食器などにリサイクルし、販売している会社も多い。
でも、それらの製品を購入するのは女性が大半ではないだろうか。男性や子どもは、アクセサリーや食器に込められたコンセプトに触れる機会は少ないだろう。

ゴミ問題は、未来をつくる子どもたちに興味を持ってもらいたい。
そう勝手に思っている。

子どもとその両親が「遊び」をきっかけにゴミ問題を知る、そんな「もの」「こと」がたくさん売れてほしい!

YouTubeには、浜辺や川底のゴミをピカピカに磨いて、お宝にしてしまう「お宝ハンター」がいる。そんな人と組んだ「遊び」も可能性があると思う。YouTubeでゴミを発掘〜商品化までを発信するわけだ。

「遊び」という間口は広い。誰でもとっつきやすい。
ガチャガチャやYouTube以外にも、いろいろな可能性があるだろう。
楽しくて、良い意味で「軽い」。だからこそ、重く深刻なゴミ問題を、自分ごと化する力がある。人を選ばず、人の心にすっと入る力がある。

誰一人取り残さない

2030年までに持続可能な世界を実現するために、地球上の「誰一人取り残さない」を掲げる「SDGs」。
まずは現状の問題を知ることが大切だけど、身近なこと以外は他人事になってしまう。

だって自分には関係ない、と思ってしまうから。
そう思い込みたい自分がいるのも確か。

自分ごと化してもらうために、遊びのモチーフにシリアスな問題を選ぶ。そうすると、自然にたくさんの人々がそのことを知ったり、考えたりする。そこに目をつけたバンダイの「自分ごと化できるAEDガチャ」は、本当にすごいと思う。こんな発想が、どんどん世の中に増えるといい。

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