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鳥越の記録|「élab」でオープンから1ヶ月半経ち生まれた変化

10/31に台東区鳥越でオープンした「循環する日常をえらび実践するラボ “élab” 」、手探りで日々試行錯誤しながらも晴れて1ヶ月半。お客さんとのコミュニケーション、近所のお店との繋がり、キッチンラボにて提供する料理やお菓子、実施したイベント、色々なことを通して発見や気づきで溢れる毎日だ。

その中でも、今までになかったここ最近目立つ変化について書き留めたい。12月に入ってから、飲食の目的以外で訪れる近所の方が増えてきた。

élabとは

élabは主に2つの機能から成る拠点だ。ランチ・カフェ・ディナーを行う飲食やお茶・調味料の量り売り、食に関する研究と実践を行う「Kitchen Lab」

植栽や古本の販売、ものづくりの過程で出る端材・日本土着の自然素材の展示販売(これから)、大学や企業と連携して「循環する暮らし」に関する実践を協働していく「Living Lab」
(屋上もこれから菜園等をしていく予定だが、ちょうど冬なのでまだ本格始動はしていない。)


élabの大家さんでもある、2階に直営店を構える上質な日常着のカットソーブランド余白も含めて、総じて「循環する暮らし」を選択するラボであるが、最初はやはりほぼ毎日オープンしているKitchen Labに食事目的でいらっしゃるお客さんがほとんどだった。その中でも、毎回自分の容器でテイクアウトをしてくださる方、一度試してくださった薬草茶の量り売りをリピートとしてくださる方が現れ始めたり、近所の常連さんが付き始めたりと本当にありがたい事が起きていている。

しかし12月に入ってから、そういった飲食以外の目的でélabの扉を開けてくれる人が確実に増え始めた。こちらのアクションとしてはどれも小さなものだけれど、それらの積み重ねによるお客さんの変化が現れ始めている。地域の方と一緒にこの場を作り、新しい試みを共に実践していきたいためどれもélabとしてものすごく嬉しい変化だ。ではどんな人たちが何をしに来てくれているか。


最近来てくれる人とその目的

ミミズコンポストを見に来る親子

élabでは野菜の端切れ等、最終的に調理できなくなったものは店頭にあるミミズコンポストで堆肥化している。ミミズコンポスト用の木枠は、シェフ陣がわざわざ山梨県北杜市に行って作り方やミミズコンポストについて学びながら手作りしたもの。そこへ土やみみずを入れる作業は、11月の頭に地域の子供達に声をかけてイベントのようにして行った。最近そのミミズコンポストの様子を見に、お母さんと小さなお子さんが来てくれている。「都内だとなかなかミミズに触る機会なんてないから珍しいし、子供も喜ぶ」と、覗いてくれた人は皆口をそろえる。定期的に一緒に見ながら、入れたものが分解されていく様子を確認していくようなこともやりたいと個人的に思案中。

子供服の持ち帰り・提供に来る親子

2週間前頃から、店頭で「子供服の交換BOX」を置いている。まだ綺麗だがもう着られなくなった子供服がもしあれば、捨てずに地域の中で回していこうという目的だ。élabがそのきっかけになれば、ということで始めた。すると思ったより皆さん通りかかりに見てくださっている模様。赤ちゃんを連れてお散歩をするご夫婦や、幼稚園のお迎え後のお母さんが、まず立ち寄って持って帰ってくださった。するとその数日後のある日、ランチ営業中に「この前いただいたから」と今度はその子が着られなくなった服を持ってきてくださったのだった。何やら可愛い声がすると思ったら!とても嬉しい。赤ちゃんを連れたご夫婦も、頂いたから、とサイズが合わなくなった赤ちゃんの服を持ってきてくださった。飲食だけの切り口だったら生まれていない繋がりだ。


量り売り用の瓶をくれた近所のおばあちゃん

「子供服の交換BOX」と同じタイミングで、量り売り用の瓶・テイクアウト用の容器を回収するBOXも置いてみた。élabでは提供している薬草茶の茶葉やお米、豆、液体は油や醤油・その他調味料の量り売りもしている。初めて来た方は基本容器を持っていないため、仕入れた瓶を販売してそれを使ってもらっている。「でも瓶って、家で取ってあるけど使っていない人もきっといるよね、量り売り用に地域の方の余ったものを使ってもらえたら面白そうだよね」ということで、試しにやってみたのだった。テイクアウト用の容器はまだどうなるか分からないが、例えば大き目のタッパーや丼ぶりのような物が集まれば、それをデポジット制でお使いいただき、今度返していただくという流れを想定している。
早速日曜日。オープン前に一人の女性が入ってこられて、様子を見に行くと近くに住むというおばあちゃんが袋いっぱいに瓶を持ってきてくれていた!「表に書いてあったから、使えるなら使って!」と。皆さん本当に、通りがかりでも気にしてくれていることを実感した。実際瓶は良く捌けていたのでとてもありがたく、大切に使わせていただきますと頂戴した。瓶を仕入れなくても良い日が来るかも。

服のお直し・アップデートの会を覗きに来た方

Living Labのイベントとして、12/19(日)に服のお直し・アップデートの会を行った。世田谷区桜三丁目で服の製作やお直しを行う「桜三丁目」のゆみさんに来ていただき、お直し・アップデートを希望する服を持参さえすればその場で手掛けていただける日。表の黒板に案内として概要を記載して置いておいたら、それを見てたまたま通りかかったという方が複数名来てくださった。興味を持って入ってきてくださるので、その場でやろうとしていることとの相性も抜群、早速ゆみさんと話が盛り上がっていた。「オリジナルより良くなっていますね」「お気に入りを長く使いたいから、アップデートさせたい」など、お客さんの口から自然とこぼれる発言を全てメモしたいほどだった。こちらは定期的に行うため、次回来ます!という方も複数。じわりと広がりそうだ。

小さな変化を地道に


こんな形で、Kitchen Lab、Living Labともに色々な切り口で新たに地域の人との関わり方が生まれ始めている。どれも「地域のリソースを地域で使う・回す」という考えに紐づき、やりたい・やるべき・面白そうと思って浮かんだアイデアを、試しでも良いから一歩形にしてみたものがきっかけとなっている。こんなにもすぐ反応が返ってくることに楽しさを感じる日々だ。地域に何かを受け入れてもらうためには急速で大きな変化ではなく、小さな変化を地道にゆっくりと。鳥越周辺の人たちはどんな人たちなのか、もっと解像度を上げてコミュニケーションを取りながら、実験を沢山していきたい。さて、今週は何が起きるかな。


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Kitchen Lab
ランチ&カフェ:11:00-16:00
タコス:18:00-22:00
ディナーコース:18:00-21:00 週末
Living Lab
11:00-16:00 週末
〒111-0054 台東区鳥越2-2-7 1階
ディナーコース予約はDM・リンクより↓
linktr.ee/elab.torigoe





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