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故・南智子さんに寄せて。

なごり雪ふみて早咲く梅をみる届かぬ人へ描きた肖像

絢爛の夢仰ぎ見て若かりし浮きたちし日のそは儚けり

夢淡じ思うことのみ背にうけて吹き抜けし夏彼の人の笑み

姉妹とも友ともつかぬ我らみな弾けし時を駆けし青春

青き日の懸命なればこそ笑い汗にまみれし時ぞ遠けり

亡き人の言葉ぞ厚きかえりみて今聞けぬ声我が宝なり

遠からず涅槃に向かう我が肉も逢うて言葉をのぞみたまわん

ひとすじに愛をもらいて交わしたる彼の人の情忘れえぬこと

快樂の命の縁我ら賭け不遜を跳ねし情熱の過去

暴虐を賭して我らが骨頂を生きた証を残せし日々よ

ただ四人あつき熱夏の過ぎ去りし死ということのいざや早けれ

弔いの文言のでぬ胸中も最期の時を知りて浮かぶる

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