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インドバスの運転手さん

インドバスの車掌さんの凄さは既にお伝えした通りなのですが、その更に上をいく運転手さんもいらっしゃるのです。
それは車掌を兼任している運転手さんです。
運転しながら停留所ではチケットを発行してお金も回収し、頃合いを見つつまた発車。
すり抜けていくツクツクやバイクをけん制しつつ、回収したお金のチェックも怠らない。
さすがにバスの昇降口は運転席横の前方だけに限定させているとはいえ、同時進行のタスクが多すぎませんか?

なによりこの仕事は運転技術がかなり高くないと務まらない。
ここの交通事情をご存じならおわかりでしょうが、普通の交通ルールが通用しないのがインドです。
全てのドライバー(ツクツクやバイクも含む)が、自分の目的地に到着する事しか考えていないので、手段なんぞ選びません。
それは通行人も同じ。
どこからでも飛び出してくるし、平気で車道を横切ります。
技術はもちろん、かなりの度胸がないとできない仕事だと思いますね。

そういった運転技術を駆使し、でかいバス(インドの公共バスは大型)をころがし、乗客を見事にさばく運転手さんだってキレることはあります。
お寺でなにか行事があったらしく、尋常でない数の老若男女がロータリーを占拠していた時の事です。
もちろん彼らは占拠しているつもりはなく、だらだらと移動していただけみたいでしたが。
ところがこの群衆、待てど暮らせど途切れない。
とうとうキレた運転手が凄まじい勢いでクラクションをぶったたきはじめ、周囲の車もそれに同調し、地獄の阿鼻叫喚のごとき大騒ぎになりました。

面白かったといえばそうなのですが、バスに乗った日の疲れは特別のものがありました。
でもこんなカンレキ女のワタシですら大丈夫なのだから、機会があればぜひチャレンジしてみてください。
思ったよりは楽しめるはずです、たぶん。




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