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やり直しをやめる、ワンチャン練習


今日は「やり直し練習」について。

音楽をする人なら「やり直す」っていうのは誰にでも経験あるんじゃないかと思います。

間違えたり、納得いかなかったりしたら、「もう一回、もう一回」って。


アレクサンダー・テクニークのレッスンを受けると、
『こうやってみたらどうですか?』と先生から提案を受けます。
そのプランを遂行したら、不思議とうまくいくっていうことがザラに起こります。

なので、家に帰って意気揚々と学んだプランを練習に取り入れてやるのですが、
やればやるほど変になることがあるんですよね。


それについてアレクサンダーの先生に相談したら
『その対処法は、まず何度も繰り返さないこと!』と言われました。

・・・なんやて・・・??

思ってもみない返答にびっくりしたのですが、、、、


お話ししてるうちに、

あぁ〜。。。この「何回もやっちゃう」っていうのは、安心感を求めてやってるのか・・・
って思えたのです。

次こそはちゃんとやりたいっていう願望、
今度はうまくいくだろうっていう期待。

この2つもあるんだろうけど、
何度でも「やり直しができる」っていう安心感。


これが私にとっては大きそうで。



『何度でもやり直せる』

そう心の底で思ってるから、1回のクオリティが少し甘くなるんです。
そうして何度もやり直す羽目になる。

思ってる通りの事態を引き起こしてるのは紛れもなく自分でした。


・・・・・・


でも。

だったら。

『この曲を演奏できるチャンスは1回だけ!!』って思ったらいいんじゃないか!!??

ってふと思ったんですね。

何が起きても、
1回その曲に臨んだら終わり。

それをしたらね、
ムズムズする気持ちは溜まるとは思うけど、
それは良いムズムズで。

なんというか…スリルを味わえるチャンスに生まれ変わるんじゃないかって思ったんです。
イメージは、ジェットコースターに乗った後のなんとも言えない高揚感に近い。

あえて1回のチャンスとすることで、1回の演奏の質自体を上げることが期待できる。

で、その1回に臨むために、
・楽譜を読み取って、この音楽では何を表現するかイマジネーションを膨らませたり、
・ここはこうしたい!こうしよう♪っていう想いを弾ませたり、
下準備のほうの質を上げることの方が、何度も何度も音を出すより重要だと思いました。


そう思っていると、昔の記憶が蘇る。

・・・大学時代、練習室を借りられる時間に限りがあったので、 音を出して練習できる時間ていうのは貴重なんです。
だから音が出せない時に楽譜を読み込んで読み込んで音楽のイメージを膨らませることを自然とやる必要がありました。
そうしてから 実際に音を出して練習すると、めちゃくちゃ演奏しやすかったんです。




『この曲を演奏できるのはワンチャン!』

その1回を大切に味わいこむ。

これが良さそうだ!!!


自分がやり直ししていることに気づいたら、
一旦やめてしまおう。

「何が気に食わないからやり直してるんだ?」
「どうしたらやり直ししなくて済む?」
「結局どんな演奏をしたいの?」と自問自答するのも良いし、

違う曲に変えて新鮮な気持ちで臨む方が安全ですね。


泉山民衣

*「音楽」「演奏に関わること」はお教室ブログに


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