ふいになつかしい曲を聞くと、なぜグッとくるのか|ノスタルジアの仕組み
某中古本屋さんで、ぶらぶら本を探していたら、急になつかしい曲が流れてきました。
思わず耳が持ってかれて、気づいたらあの頃にタイムスリップしてました。
中学校の廊下と部活とストレッチが、セットで思い浮かびます。それと、背が小さくてよく喋るチエちゃん、元気にしてるだろうか…
あの当時、流行っていた曲。別に好きなわけじゃなかったけど…何だか、胸がぐっとする。
この急につかまれるような感じ。
なぜだろう?
疑問でした。
今回は、そのぐっとする感じについて、書籍と論文を参考に、簡易的にまとめました。
ぐっとする感じ、つまり、強いノスタルジア(注1) の喚起が起こった時、脳はどのように動いているのでしょうか。
注1: 研究では、なつかしいとノスタルジアをほぼ同じと定義しています。
ノスタルジアを感じている時、私達は、
どうやら、
脳から「報酬」を受け取っている状態らしい。どうりで、何だか切ない、でも浸りたい感情なわけです。
記憶系と報酬系のシステム(注2) が手を組んで、私達にノスタルジアな経験をさせている、そうです。
注2: 主に、海馬と腹側線条体
ちなみに、ドーパミンも出でるようですよ!
なぜ脳はそこまで、してくれるのだろう!
一説によると、ノスタルジーと言う複雑な感情は、恐怖などの基本感情とは異なり、進化の最も遅い段階で現れてきたもの…かもしれないそうです。
実はそこに、人間らしさのヒントがあるかもしれないと、今、研究が活発に進んでいます。
そして、もう一つ、「なつかしい」が、好ましい感情の訳があります。
それは、ノスタルジア=「なつかしい」に、表されています。
日本語の「なつかしい」の語源。「なつく」=慣れ親しみたい。身近に置いておきたい。
これに関係あります。
続きは、また次回です。
<参考文献>
堀 朝樹 ・高橋 英彦 ,「なつかしさの神経基盤」, 心理学評論 , 2021 年 64 巻 1 号 p. 101-111
追記:この内容をより深掘りしました!ぜひ、こちらもご覧ください。
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