「名前」
「名前」
知り合いの女性の名前に鮎の字のついた人がいた
名前の由来を尋ねると
鮎は綺麗な水のところでしか育たないからと
父がそう願ってつけてくれたと教えてくれた
鮎が清流の透き通った水の流れに乗り
泳いでいる姿が目に浮かんだ
早く遅く流れを変える日常の中で女性の静かな佇まいに
父親の思いを見た気がした
真白で無防備な繋ぐ命に託して願う
世界の誰とも異なるその子自身の個性が
小さくとも、自分自身の花を咲かせるように
託された命の空箱を受け取り
私たちは、それぞれの個性という切符を手に
夢をたくさん放り込んで
生きて往く
彼女を見て、そんな気持ちになった
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