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【散文・考察】同じ場面の詩を2つ書いてみてのメモ

最近、詩について悩んでいることを書いた。

そこで、実験的に同じ場面を2つ方法で書いた。ひとつは、ただ書いた詩。思い浮かんだその日の出来事を言葉にした。日記を書く感覚でスラスラと出てきた言葉をメモしたような言葉。心理的にまったくストレスがかからないし、さらさらと書く感覚が楽しい。日常を書くだけなので、正直、詩なのかとも思ったけれど。この言葉を書く前にシンプルな詩を読んでしまったので、影響されたらしい。

その後、これをもとにしてもうひとつ詩を書いた。そのまま出た言葉から想像したり、その時の状況や心情を思い出しながら、表現してみた。これも楽しい。頭の中で次々と現れてくるイメージ、心情、ふと浮かぶ言葉。それらを詩の言葉にしてA4裏紙に落としていく。最初に書いたストレスなくアウトプットする感覚の楽しいとは別の、創作している楽しさ、表現する楽しさ、想像する楽しさがあった。

書く側としては、どちらも楽しい。書く楽しさ、アウトプットする楽しさがある。ただし、楽しさの内容は違うし、詩のかたちも違う。けれど、もとは同じ。

絵を描くときに外に出てスケッチして、帰ってきてから部屋の中でそれをもとにして絵を描く的なのと同じだと思う。(と勝手に思ったが合っているだろうか。)

書く側としては、どちらもいいのだが、未来の自分が時間がたった後に読んで見て、どのように感じるのか。数か月後、覚えていたら感想を書きたい。書き終えたばかりだと、まだ自分の分身なので、当然ながら客観的になれない。自分と離れるくらい時間をおかないとわからない。

小説なんかだと、数か月後とか1年、2年後に自分の書いた小説を読んで見て、これはひどい、と思うときと、世界があっていい、と思うときと、反応はいまいちだけど、やっぱり自分的には好きだ、と思うときといろいろ。

詩は創作累計年数で言えば、相当短いので、いまいち、と思うのが多いかもしれないけれど、(昔書いた詩を読むと、うーん、と思うものが結構あった)それもその時にその状態でないと出てこない言葉、と視点を変えると、それはそれで創作記録として趣がある。

いまだに迷いはあるけれど、自分が言葉や文章を書く原点に帰れたような気がしている。そして、書くときに一番大事にしているひとつは、リズムであった。(そして短編を推敲しすぎて気持ち悪くなるのを思い出した。バリを取り、やすりをかけるように、あるいは、毛に櫛を何十回も入れてひっかからないくらい何度もするように。)

そう、言葉のリズムこそ、読むときの癒し。

リズムがあれば、内容なんでもよい。自分が書くうえで何等かの動機があって、そこに書くリズム、読むリズムがあれば、ほかは何でもよい。自分が創作するうえで納得できない何かがきちんと排除されていれば問題ない。

あとは、そこに世界がきちんとあれば。

あとから読んでも、その世界に入ることができれば、自分的には、記録、記憶、創作、という点でよい。日記書かないから、これが自分のライフログなんだと思う。

今まで創作はライフワークと思っていたけれど、ライフログのほうがしっくりくる。こっちのほうが、創作の理由としてはっきりとしていてわかりやすい。

そうか、ライフログ、か。

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