ネットワークビジネスの問題点

ネットワークビジネスの問題点ってなんだろう

もしも、あなたがネットワークビジネスという用語を初めて聞いたのなら、これだけは覚えていて欲しい。それはすぐそばにいることを。口コミによって商品を広げていく「マルチ・レベル・マーケティング」という仕組みは、広告費用をかけずに商品を人づてに伝えていく合法なものとされている。日本国内でも1,000社を超える企業が活動しており、家族、恋人、仕事の同僚、親友。誰もが一夜にして変わってしまうネットワークビジネス。何の問題がある?危険なのか?なぜ嫌われているのか?
もちろん魅力に思える部分も沢山あります。しかし、その艶やかなラッピングの内側に潜む仕組みの特性上、金銭面や人間関係を中心にトラブルを抱えやすいビジネスモデルです。その話は後に詳しくするとして、話を始まりに戻しましょう。

アプローチは大抵の場合、気が付かれないよう忍び足で近づいてくる。

これがまず法律違反

特商法の

氏名などの明示(法第33条の2)
統括者(連鎖販売業を実質的に掌握している者)、勧誘者(統括者が勧誘を行わせる者)または一般連鎖販売業者(統括者または勧誘者以外の連鎖販売業を行う者)は、連鎖販売取引を行うときには、勧誘に先立って、消費者に対して、次のような事項を告げなければなりません。

1.統括者、勧誘者または一般連鎖販売業者の氏名(名称)(勧誘者、一般連鎖販売業者にあっては統括者の氏名(名称)を含む)
2.特定負担を伴う取引についての契約の締結について勧誘をする目的である旨
3、その勧誘にかかわる商品または役務の種類

アプローチは大抵の場合、気が付かれないよう忍び足で近づいてくる。「最近どんな感じ?」顔も名前も知っている知人なので返事を返すと会話は前へと進んで行く。その道すがら彼らはこんなキーワードに触れてくるかもしれません。「ビジネスチャンス」「人生を変える出会い」「きっとあなたが気に入る環境」「副業」「ランチ会」「セミナー」そんなことを誘ってくる人間では無いので違和感を感じつつも、参加を決める。会場ではベテランの話し手が力強くマイクを握りしめ、勉強会の始まりです。

これが

禁止行為(法第34条)
特定商取引法は、統括者または勧誘者が契約の締結についての勧誘を行う際、取引の相手方に契約を解除させないようにするために嘘をつくことや威迫して困惑させるなどの不当な行為を禁止しております。具体的には以下のようなことが禁じられています。

1.勧誘の際、または契約の締結後、その解除を妨げるために、商品の品質・性能など、特定利益、特定負担、契約解除の条件、そのほかの重要事項について事実を告げないこと、あるいは事実と違うことを告げること。
2.勧誘の際、または契約の締結後、その解除を妨げるために、相手方を威迫して困惑させること。
3.勧誘目的を告げない誘引方法(いわゆるキャッチセールスやアポイントメントセールスと同様の方法)によって誘った消費者に対して、公衆の出入りする場所以外の場所で、特定負担を伴う取引についての契約の締結について勧誘を行うこと。

これらを守られているものはほとんどありません。(ここが法律違反!!)

希望

ネットワークビジネスは日用品を中心に様々な種類の物がある。化粧品、サプリメント、旅行にアロマ、通信から保険にいたるまで。しかし、その販売方法は全く同じもの。商品を売れるのは販売員(ディストリビューター、コンサルタント、コーチ)に登録した者のみ。商品が何にせよ、それが売れればコミッション・手数料が手に入る。購入者を販売員として勧誘し、販売員になるとさらに別の人を販売員として勧誘していく。自然とピラミッドのような構造になっていき、自分のグループが拡大していけば念願の夢は叶えられるという仕組みです。

しかし、SNSではマイナスブランディングが展開され、成功とはなどの前向きな名言、幸せなライフスタイルを着飾り、表彰旅行、会社から受け取ったプレゼントなどの自慢、在宅勤務、カフェテラスからお送りするお馴染みのフレーズ(経済的な自由、柔軟性の高い休暇、依存しない生き方)などが投稿に並ぶ。

なぜでしょう?
彼らはそれで勧誘できると信じているからです。

しかし、自慢、宣伝、勧誘を嫌うネットでやってはいけないことをやっていることに気づいていない。


ビジネスは販売員として登録し、毎月のメンバーシップ費用を支払うことで活動が認められる。これが最も重要な初めての自己投資。契約が結ばれることで、メンバーズパックが自宅に届けられる。それから普段使っている商品も、自社製品に置き換えるよう勧められる。理由は大きく2つある。そもそも販売する商品を使わずに、それを売ることは出来ない。それはステルスマーケティングになるから(うその広告になるから)

そして、商品の購入に使用された金額がポイントとなって換算され、それに応じて手数料の配当率、ボーナスが変化する。

仕組みは単純。チャンスを提供した友人・紹介者は、自分のアップラインとなり、自分が勧誘した友人・紹介した人はダウンラインとなる。この植物が根を張っていく勧誘システムはリクルートツリーと呼ばれ、源泉となった種にはツリーが実らせた全てのポイント(手数料)が付与されることとなる。例え自分自身は何もしていなくても毎月。きっと負担に感じるでしょう。

商品は高額な値段設定となっているがポイントは自分の為にも、仲間の為にもなる。だからメンバーを増やすか、購入量を増やすかして企業の商品たちは広告を打たずに販売網を広げていく仕組みである。

毎月のポイントに応じたタイトル別の報酬も公開されて入り、アップラインがどれだけの収入を得ているのかおおよそ見当がつく。おとぎ話の主人公ではなく実在の人物が目の前で幸せなライフスタイル、成功の秘訣を話してくれる。これがあの時に参加した勉強会だ。

しかし、そこにどれだけの経費が掛かっていて経費倒れになっている人が多いことを知らない。

彼らは懸命に搾り取られることを動機付けられている。

どんな障害物に出会おうとも、前向きでいるよう説得する。

成功したければ、凡人の言うことは聞くなと教える。

そして最も重要な教訓として、勧誘こそ全てだと念を押す。場合によってはもう少し柔らかく「周囲にチャンスを提供すること」だと表現するかもしれない。「自分の大切な人に正しい商品を伝えること」だというかもしれない。それが何であろうと成功の為に勧誘は欠かせない条件です。

でも、本当に必要なのはその商品・サービスを使っていただける消費者ではないでしょうか?

教育

グループ内部では勉強会やフォローアップミーティングが定期的に開催されており、初期段階の教育カリキュラムの一例では100人の声かけリストを作る課題が用意されています。縁故開拓法です。

友達、家族、同僚、電話帳、フォロワー、行きつけの美容室。誰でも、知り合いは全員リストに上がります。

次にステップメッセージを送り始めます。ソーシャルメディアで発信も始めます。(こちらは特定電子メール法のスパム行為に当たり、SNSのレギュレーションにも違反している行為です)

ファミレスで会食も始めます。毎月、商品も買い始めます。もう一度確認しましょう。これは自己投資、自己成長のプロセス。お勧めされた本を購入し読み始める。毎週のセミナー・イベント・ミーティングにも参加し始める。アップラインは一貫して励まし続けてくれるでしょう。懸命に働くんだ。諦めるな。前向きに考えよう。周囲の話は聞くな。モチベーションを高めるために伝説的なアップラインの動画にも夢中になる。

儲かっているアップラインはなぜお客様であるダウンラインの飲食代などを払ってくれないのでしょう?

答えは簡単、利益につなっていないからです。

結果を出した人は目の前にいるのに、現実は思惑通りいきません。100人のリストには既に声をかけました。家族には反対され、友人には白い目で見られるようにもなった。しかし、上手くいかないんです。だから辞めようと思います。

まだ勧誘が上手くいかない?
それは全力を出していないからだよ。ポジティブな考えをしてないから。マニュアルをよく勉強してないから。

(いや、教えている方が悪いでしょ)

友達が参加したくない?
それは間違った友達と付き合っていた証拠。新しい友達を作る絶好のチャンスだよ。友達5人の平均が君なんだ。

(うるさいよって感じですよね)

新規獲得のためにSNSの投稿にも勢いを付ける。(相手の許可なくメッセージを送った段階で違反)

例えそれが嘘だと感じていても。偽りのライフスタイル、偽りの収入、偽りの巨勢は好奇心の目を自分に振り向かせるまで拡大し、顔の面は分厚く、人間関係は薄くなっていく。それも、これも希望のため。

それが社会的に嫌われる行為と知らずに!!

カルト
次第に倫理観の境界線は薄れ、致命的な策略家へと変貌し、勧誘の目的を隠して新たな出会いを求めるようになり、ネットワークビジネスが禁止されているコミュニティに忍び込む。マッチングアプリだろが、趣味の集まりだろうが新たな人脈を広げようとする。同窓会は思い出を語らう場所ではなくなり、結婚式はお祝いの場所ではなくなる。初めは陰謀がバレないように親しみ深く良い人で、しかしその内側にはカルト的な目標達成の思考が機会を伺っている。

つまり、相手のニーズをつかめていない。

このダブルスタンダードに合法ながらも様々な論争を引き起こし、人々から歓迎されない独特の特性が隠されている。一度築き上げたツリーはメンバーである内側から、そして社会である外側から様々な圧力を受け、ときには根腐れが起き始める。芋ずる式の退会である。

もちろん勉強会やフォロワーアップミーティングで崩壊が起きないようにケアに余念がないが、入会の敷居が低い分、社会の圧力には影響を受けやすい。事実、平均的なメンバーの80%は2人以上勧誘に成功すること無く辞めてき、99.6%は投資金額を回収できずに損をしている。国税庁の実態調査によれば年間1,000万円以上を稼いでいるメンバーは0.07%。その成功者がイベントでステージに上がり、生存者バイアスを他の販売員に引き起こし、99%メンバーが収入を得ていないことを見過ごさせる。死屍累々の屍の山を踏み越えて頂点に立っていることが、放たれる希望の光でよく見えなくなるのだ。

もし希望のある商品を売って、簡単に金が稼げるなら、お気を付けて。

もし販売ではなく勧誘がメインなら、お気を付けて。

もし憧れの権威者が理解しない人とは距離を取るよう勧めてきたら、お気を付けて。

また上手くいかないのは努力が足りない、ネガティブなのが原因だと言ってきたら、お気を付けて。

不労所得で自由な人生を送るなど、誰もが望む夢ですが一般的ではありません。しかし何が現実的で、何が夢物語なのか私も含めて誰も決めることは出来ません。決めれるのはあなただけです。

そんな疑問をお抱えの方はご相談されることをおすすめいたします。


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