共役リノール酸

共役リノール酸は、牛乳やチーズといった乳製品に多く含まれています。体内の組織のすみずみまで栄養を送ることで、体を元気にしてくれる働きがあります。特に、脂肪をエネルギーへ変えるよう促したり、代謝を高める働きがあります。

●共役リノール酸の3つの働き
脂肪は通常、体内で消化・吸収され、リポタンパク質リパーゼという酵素によって蓄えられます。蓄えられた脂肪は、ホルモン感受性リパーゼによって分解され、エネルギーとなって使われます。ホルモン感受性リパーゼがきちんと働かないと脂肪はどんどん蓄積される事になります。共役リノール酸は、脂肪を分解するホルモン感受性リパーゼを活性化する役目を果たしているため、脂肪を燃えやすくします。共役リノール酸は、運動をすることと同じような脂肪燃焼効果を持っています。
次に、余分な脂肪の蓄積を防ぐ働きがあります。リポタンパク質リパーゼを抑制する働きがあるため、細胞の中に脂肪を取り込む働きを抑えます。このため、共役リノール酸は脂肪を溜めにくい体づくりに欠かせない成分といえます。
さらに、筋肉細胞に栄養を送り、脂肪を効率良く燃焼させ、筋肉増強や筋肉の成長を促す働きがあります。筋肉が増えると、代謝が良くなり脂肪燃焼へとつながります。脂肪を減らし筋肉を増やす働きを持つ共役リノール酸は、健康な体をつくるための優れた成分です。代謝の良い、脂肪が燃焼しやすい体へと改善します。

<豆知識>マサイ族の身体能力と共役リノール酸との関係
アフリカの原野に住むマサイ族は体脂肪が少なく、運動能力が優れています。身体特性と生活の関係を明らかにするために、彼らの生活様式に着目した研究者たちが、そのライフスタイルを調査しました。マサイ族の人々は、遊牧民で牛と共に、牧草と水を求めて生活しています。主食は発酵牛乳で牛の耳から採血した血を時々飲むといわれています。反芻動物である牛の血液には、豊富に共役リノール酸が含まれているため、マサイ族は常時共役リノール酸をたっぷりと摂取していることになります。研究者たちは、マサイ族の持つ類い稀な身体能力や脂肪の少なさなどと、彼らの食生活は多いに関係があると考えました。現在も、その関連性について研究が進められており、トップアスリー卜の身体能力との比較対研究なども始められています。

●共役リノール酸を食品で摂取するには
共役リノール酸は、体内でほとんどつくられないため、食事からの摂取が必要不可欠です。国や食習慣により共役リノール酸の摂取量には大きな差があります。共役リノール酸は牛乳、チーズ、バターなどの乳製品、牛肉、鶏肉、卵などに含まれています。また沖縄名産のニガウリ(ゴーヤ)にも含まれていることがわかりました。調理油では、オリーブオイル、菜種油(キャノーラ油)、大豆油、紅花油などにも含まれています。しかし、ほとんどの食品にごくわずかしか含まれておらず、通常の食事から摂ることは大変難しいため、サプリメントでの摂取が効率的です。

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