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泣ける写真はどうやって生まれるのか

先日撮影させてもらったお客様から
『写真を見ていたら何故だか泣けました』
というありがたすぎる言葉をいただきました。

それがとてもとても嬉しくて、思わず深掘りしたくなりこの文章を書いています。
わたしなりの泣ける写真の解説です。
(ちょっと長いです、スミマセン)


写真や映像を見ていて、泣けるものと泣けないものの違いは概ね『ストーリーがあるかどうか』だとわたしは思っています。

ストーリーってなんぞやって話なんですけども。
わたしにとってのストーリーは、人生のストーリーです。

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写真や映像って、撮られる方のこれまでの生き方、考え方がチラッと写り込んできます。
どんな風に笑って、泣いて、越えて、その人が生きてきたのか。
家族写真ならば、どんな風に家族が家族としてやってきたのか、成長してしたのか。
婚礼写真ならば、2人がどんな道を歩んで、何を越えて一緒になったのか。

【写真には、その人たちの人生が写る】

そう言っても過言ではないほど、写真から読み取れることはすごくすごく多い。
そして、そこから読み取れるストーリーをまるで走馬灯のように思い返し、ここまできたことへの感謝を胸に、わたしたちは涙するのです。

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なので、『写真が泣けます』と言って下さった方には、そんな泣けるほど素敵な人生を送っている自分たちにあっぱれしてあげてくださいと伝えています。

そのストーリーを積み上げてきたのは、他ならぬ写っている人たちなんですから。

涙するほど感動したのは、きっと色んな経験をしてきたからでしょう。
楽しかったことは勿論のこと、辛かったこともたくさんあったと思います。

色んな経験や人生を積み重ねてきて、今がある。
そしてそれを写真に落とし込んで見たときに初めて、わたしたちはこんなにも優しい世界に生きているのだと気づく。

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その写真を見て『思わずわたしも泣けた』と思った方々も、同じようにあっぱれです。
自分とは関係ない写真や映像を見て泣くのもまた、その人のストーリーに自分のストーリーを投影しているからだと思います。
(感受性が豊かって素晴らしい)

あ、そうそう。
大人になってから涙もろくなった、とよく言うのは、それほどたくさんの経験をしてきて、重なりあうストーリーが増えてきたからだとわたし個人は思っています。(余談)

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そして最後に。
そのストーリーたちに誰よりも涙し、救われているのはわたしでしょう。

落ち込んだり、悲しいことがあっても、何度も何度も写真に救われてきました。
変わらず世界が美しいこと、そしてたくさんの人たちの優しいストーリーに、いつだって背中を押されている気持ちになりました。

なので沢山の方がわたしと同じように写真から元気をもらえるように、いかにそういうストーリーのカケラを時間内に汲み取って、写真に落とし込むのかをいつも意識しています。

写真の構図やら光やら編集技術やら、撮るにあたって意識することは勿論多いですが、わたしにとって1番大切なのはそこかなあと感じています。

書きながらまた感動してきました。
本当の最後に、お客さまが撮ってくれたわたしの写真で締めます。

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うん、何ともしあわせそう。笑

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