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【JMoF2024】ケモノ文化に触れる日


去る2023年。

詳細は省くが、ひょんなことから着ぐるみアイドルグループ『プロダクション体育館』にどハマりした。


こんなことを言ったら怒られそうだが、
僕は最初からいわゆる『ケモノ』好きだったわけではない。

そんな僕でも、彼らが見せてくれるパフォーマンスの熱量に触れるうち、いつの間にか夢中になってしまった。


興味の対象はプロ体に限らない

僕にはとても大きく見える彼らの存在も、

連綿と続いてきたケモノ文化着ぐるみ文化という大河の支流の一つなのだ。

ならばその文化全体に触れ、空気感を知ってみたいと思うのは必然。


そんなわけではるばる向かったロワジールホテル豊橋

1月6日、3日間の開催期間のちょうど中日である。


今日はそこで僕が体験したことについて書きたい…のだが。

あまりにも濃い経験すぎて脳が散らかりきっているので、

起こったことを散文的に書き連ねていこうと思う。




まず会場到着直後。

当たり前のように獣人たちとすれ違う。

すごい世界だ。

造形のクオリティの高さはもちろんだが、

それ以上にみんな

「自分はこういう生き物です」

という説得力と自信のある立ち振る舞いをしている。


ロビーを抜け、参加登録の手続きに向かう。

これがもうすごい人の量

受付開始の30分後くらいに到着したのだが、すでに長蛇の列が。

っていうか当日参加だけでこの人数って、泊まり込みの人含めたらとんでもないことになるのでは…?


人数もすごいが、参加者の幅もすごい。

学生から白髪のおじ様マダムまで。

海外から来た方もたくさんいるようだ。

まさにダイバーシティだ…


そして何より、みんなファッションが自由だ。

実を言うと僕も、せっかくのケモノイベントなのだから犬耳しっぽでも着けて参加しようかななんて思った瞬間があった。

さすがにはしゃぎすぎだと思われるかな…と躊躇してしまったのだが。


普通にみんな着けたい人は着けとる。

老若男女問わず。

ポケモンの着ぐパみたいなの着てる人もいたし、

なんか頭から双葉生えとる人も何人かいた。


…そうなんだよな、ここは『好き』の場なんだ。

次回があったらもうちょっとケモケモにしてくか。


参加証を受け取り、いよいよ僕のJMoFが始まった。

さて、まずは急を要するミッションを果たさねば。

↑以前↑noteにも書いたので詳細は割愛するが、

僕はなるべく早くアルセロくんのマネージャー、
おんつなさんを発見しなければならないのだ。

『松葉杖の大柄な男性』

おんつなさんについて僕が知っている情報はこれだけだ。


しかしながら、僕はすでにあの人だなと目星を付けていた。

さっきロビーを通り抜けた時に見たのだ。

松葉杖で右脚にギプスを付けた男性を。


早くあの人を探さねば…と思い中庭に出るとすぐ見つかった。

本物のおんつなさんが。


さっきのは一般の右脚を怪我した人だった。

危ねぇ!!!!


脚を怪我してる人にわけわからん話振るヤバい奴になるところだった。


ってか、かっけぇなおんつなさん。

オフ会的な経験がこれまでなかったので、

声だけ知ってる人に初見のビジュアルが付くと脳がバグることに今日初めて気付いた。


『かわいそうアルセロバッジ』を求める人が数人、おんつなさんの前に並んでいる。

「アルセロを見た」

この合言葉でバッジがいただけることになっている。


合言葉をどうぞ」

「アルセロくんを見た」

「違いますね」


厳しっっ。


完全一致じゃないといけないんだ。

そんなパスワードみたいな。


そうこうしている間に僕の番だ。

アルセロを見た

アルセロを見た

アルセロを見た

よし大丈夫。


「オトゥナスン…ハジムスティエ…タァサカッティェヤス…」

(訳:おんつなさん初めまして。唯坂といいます。)


「あっ!バッジですね。じゃあ合言葉をどうぞ」


「アルセロを見ました

「違いますね」


終わりだ。


幸いワンミス即失格じゃなかったので、

無事『かわいそうアルセロバッジ』をいただけた。

かわいそうアルセロバッジ(写り込み防止のため背景を抜いております)


「カイッスネ…フヘ…」

(訳:可愛いですね!あはは。)


その後もおんつなさんは気さくに話してくれたが、
僕は緊張のあまり9割くらい聞き逃していた。


「これからも鹿ちゃんを応援してあげてくださいね!」

「アデャデャデャデャデャデャデャス」

(訳:もちろんです!ありがとうございました。それでは失礼します。)


逃げるように中庭を後にした。

いや~~~もっとちゃんと喋りたかった…

おんつなさんが倉庫のラジオで言ってた「でろでろ」って漫画面白かったですって話したかった…


こうもまざまざと自分のコミュ障さを可視化されると堪えるな。

気を取り直してまたロビーを歩いていると、

視界の隅に映るミントグリーン


ポちゃん…!!


『だいしきゅーだいしゅき』の時の衣装を着たポラリスくんがそこにいた。


流石の人気で、撮影待ちの列ができている。

僕は体育館箱推しなので、
今回会えるキャラには全員写真を撮らせてもらおうと密かに決めていた。

そんなわけで列の最後尾に加わり、自分の順番を待つ。


前の人たちがポちゃんと写真を撮って、

その後ハグしよる。


ちょ待って僕ハグは無理よ。


いやあの嫌とかじゃなくて僕なんかがハグなんてしてもらっちゃうわけにはいかないというかなんというか。

とはいえこの流れでハグを頼まないのも逆に失礼なやつかこれ。


こうなってしまえばもう順番待ちはワクワクというより処刑台だ


今更逃げ出すわけにもいかず、とうとうポちゃんの正面へと至る。

おんつなさんの前でのコミュ障爆裂ハグ妄想バグりが重なった結果、


僕はポちゃんの前で、深々と頭を垂れていた。

直角

90度での最敬礼


「…写真を撮ってもいいですか」

ポちゃん


可愛い。

こんな挙動不審な奴を前にしてこの風格。

まごう事なきアイドル。


「…ありがとうございました。」


再び頭を垂れてそそくさとハケようとする僕。

ポちゃんはこっちを見ている

『え?並んでまで写真一枚撮るだけ?』とでも言わんばかりの目。

しばしの沈黙。


「ぅい」


何かを察したかのように、ポちゃんが両手を挙げてくれた

コレは…

ハイタッチの構え!!!!


それくらいならイケる!!!


奇声を発しながらハイタッチを交わし、笑顔で逃げる僕。

優しい~~~~~


繊細なオタクの気持ちを汲んでくれる…!!アイドルの鑑…!!!!


動悸が落ち着いてきたところで、推しの捜索に戻る。

実はさっきポちゃんの列に並んでる時、ノクスくんあぶくくんが歩いていくのが見えたんだよな。

前もってスケジュールを確認していたので、彼らの行き先はすぐ察しがついた。


Quiz Master of Furries、略してQMoFである。

あのクイズ好きの二匹のことだ、絶対に出場しているはず…

会場に入ると案の定、彼らはそこにいた。


しかもジッポくんもいた。


せっかくだし、体育館クイズ勢の奮闘を見ていこうかな。

思えば、ちゃんとしたクイズ大会を観戦するのは初めてだ。

いわゆる早稲田式早押し機を前にケモノたちがスタンバイする。


ボタンチェックという儀式の存在を初めて知った。

選手が一匹ずつボタンを押して正常に反応するかを確認し、それが滞りなく済んだらみんなで拍手するというものだ。

こういうのなんかいいな。真剣勝負前の清めの儀式って感じで。


推しを見るつもりが、こっから先はクイズの方に意識持ってかれてた。


XX染色体に起因する~

『クラインフェルター症候群』が出てきた時は「何て??」ってなったよね。

これがかなり高度な誤答で、

正答は「三毛猫」なのだが、XX染色体に起因するはずの三毛柄がオスに生じる原因となるのがクラインフェルター症候群だそうだ。

知識量だなぁ…


激戦の末、惜しくも体育館メンバーの三匹は敗退。

でもすごくいい戦いを見せてもらった。貴重な体験だったなぁ。

QMoF出場者の皆さん


続々とみんなが撤収していく中、僕は三匹の様子をチラチラ伺っていた。

今なら声かけられるんじゃないかと。

『お疲れ様でした』的な流れから自然に写真撮らせてもらうやつに行けるのではと。


無理だ。

過酷なクイズ大会を経て互いの健闘を称え合っている彼らの間に割って入ることなど出来ようはずがない!!!


またのチャンスを期待し、他のメンバーを探しに出る。

次に出会ったのはネムスくん

彼もまたすごい人気。

集まってくるファンを通行の妨げにならないように誘導してくれているお兄さんの名札を見たら、

リオンのマネージャー、ちゃんひろさんだった。


実はちゃんひろさん、僕のnoteをフォローしてくださっている

通知来た時はガチでビビった。

Xもやっていない僕にとっては貴重この上ない繋がりだ。

ぜひお話してみたかったが…


かなり悩んだのだが、

キャラクターじゃない状態のマネージャーさんに声かけるのどうなん問題


今回のおんつなさんは特殊な事情ゆえ例外として、

もう最初にロビー歩いてる段階であおまるPQUONさんとすれ違ったし、さっきふうすけ先生人間の姿のマグくんが隅っこにいたし。

倉庫のラジオも推してるオタクとしては非常にテンションが上がるのだが、キャラじゃないってことは今offです的なことかなとも思うし。


BIG『好きです』の念を送りながらご眼前を通り過ぎることしかできなかった。

いてくれてありがとうございます。めちゃくちゃ好きです。


「ネムスくん、はじめまして。写真を撮ってもいいですか」

ネムスくん


好(こう)イケてるホンディエ…


これはリオンくんと踊ってた『金曜日のおはよう』の衣装だ。


…さっきのポちゃんとの体験を思い出す。

ハグは無理でも、ハイタッチはできた。


「ネムスくん」

意を決して、こちらからリクエストしてみる。

「手を触ってもいいですか」


我ながらキッショ。


ハグ求めるよりかえってアレかもしれないコレ!!!!


ネムスおてて


あああああああああああああああ❤️❤️❤️❤️

包まれてる!!包まれています!!


もふもふしている…なんだこの安心感は…

さっきポちゃんとハイタッチした時も手触りが心地よかったが、

こうもしっかり包み込まれると更なる桃源郷が見える


幸福な意味での満身創痍になりながら再び場内を徘徊。

少し休もうと思って、あんまり人が集まってない柱の陰をふと見たら…


こだぎーがいた。


なんでこんな隠しアイテムみたいな位置にいるんだ。

とはいえやはり数人のファンが目ざとく彼を発見し、写真を撮っている。


「こだぎーくん、写真撮ってもいいですか」

こだぎー



写真を撮り、思う。

おんつなさんと言葉を交わし

ポちゃんとハイタッチをして

ネムスくんには手を握ってもらった


僕は順調に進化を遂げている。

今なら『アレ』いけるか…?

しかも場所は柱の陰

衆目に晒されているわけでもない。

ここでなら…!


「あの…ハギュゥ…してもいいですか…?」


人目に付かない場所でならアイドルに抱きついても構わないという、

完全なる犯罪者の理論

合法!!合法だから!!!!


…後のことはあんまりよく覚えていない。


ああ、(獣)人とハグするなんていつぶりだろう。


モコモコしてる…あったか…


多幸感

多幸感である。

ちょっとでも参加費5000円を高いと思ってしまった自分をぶん殴りたい。

この一瞬に5000円でも大丈夫かもしれない。


お礼を伝え、

ぽや~~っとした状態でその場を離れる。


ふと時計を見ると、すでに会場入りから4時間半が過ぎていた。

県内とはいえ、帰りに2時間以上かかることを考えるとあと30分が活動限界だ。


できることならこの場にいる体育館メンバー全員と触れ合いたかったが、仕方がない。

仕方がない…とは思いながら、どうしても会いたいメンバーが。


クイズ大会のあと声をかけそこねたノクスくんである。

実はノクスのマネージャー、きひろさんもこのnoteを見てくださっている。


ちゃんひろさんとは喋れなかったし、せめてきひろさん(っていうかノクスくん)にだけでもご挨拶がしたい…!


必死に会場内を駆けずりまわり、とうとう見つけた。

青い毛並み黄色いリボンで縛った後ろ髪

見間違うはずもない、あれがノクスくんだ。


果たしてちゃんと認知されているのか…


「あの…ノクスくんはじめまして。僕、唯坂っていいます」


「あぁ~~唯坂さん!実在した!!」


覚えてくれてた~~~~!!!!

あまつさえ非現実の存在だと思われてた~~~~~!!!!!!


もう舞い上がりすぎてテンションがめちゃくちゃになってしまいながらも、
とりあえず写真撮影。

ノクスくん


天竜二俣駅に聖地巡礼したこと。

さっきのクイズ大会も見てたこと。

ずっと会いたかったこと。


興奮でぐちゃぐちゃになった脳で全部話した。

もう人が見てるとかどうでもいいからめちゃくちゃハグした


この瞬間確定したよね。

来年も絶対行くわ、JMoF。


…ということで、僕のJMoF2024はここまで。


以下は初めてケモノコンベンションに参加して気付いた雑感である。


①謎の箱を吸ってる獣人たち


IQOS
かと思ったわ。

獣人のみんなはそのもふもふボディゆえに体温調整・酸素補給が厳しいのだろう。

時折、口にちっちゃい空調装置のようなものを突っ込んでいる子たちが多い。

中にはアイスキャンディーを模した機械を使ってる子もいた。かわいい。

着ぐるみキャラたちのこういう機能的(?)な一面は実際現場で見てみないと分からないな、と少し感動。


②しっぽに注意


とにかくみんなしっぽがデカい

ロビーなんてヒトもケモも密集しとるから、

よっぽど気をつけて歩かないと誰かのしっぽを踏みかねない

特にシャチとか、海獣系の子たちの尾びれがだいぶヤバい。

根本がぶっとい先端の面積がエグいから空間の占有率がハンパない

かわいいけども。


③どうあがいても顔が写る


そこかしこでキャラを撮影してる上にすごい人(ケモ)混みだから、

歩けば確実に誰かしらの画角には写り込むし、

自分の写真にも他の人が写り込む。

一応この記事に上げた画像はほとんど全部背景抜いたから大丈夫だろうけど。

顔が写ってないからって当日の自分の服装とか分かる写真上げたら大量に投稿される画像の写り込みから顔面まで特定される可能性あるなと思った。

これはリアルイベントである以上避けようがないが。

嫌な人は気を付けようね。


④コミュ障には2日ほしい


今回は1日だけの参加になったが、
推し全員に会おうと思ったらどう考えても時間が足りない。

オーナーさんがいつキャラを出すかの都合もあるしね。

あと何より自分のエンジンがかかるのに時間がかかる。

こういう催し自体が初体験だったのもあるが、初対面の方々にハグとか高度なスキンシップを求める覚悟ってかなり重いよ。(個人の感想です)

次回は有給くっつけて2日来よう。




…いやぁ、すごい一日だった。

人生史上一番濃かったかも。


推したちにも会えたし、ケモノ界隈の活気みたいなものを全身で感じた。


あと、素敵だなと思ったエピソード


ホテル内のレストランに、JMoFのことを知らないご高齢の女性がいらっしゃった。

彼女が中庭を見て、獣人だらけの光景に仰天していた。

そりゃそうだ。

店員さんは慣れたもので、スムーズに説明をしていた。

「年に一度のイベントなんです。みんなオリジナルの子たちなんですよ」

「すごいねぇ!かわいいねぇ」


…あぁ、いいなぁ。

誰かの好きなものが、その世界を全く知らない人に響いている。

思えば僕もそうだ。

ケモノも着ぐるみも別に好きなわけではなかった。

そんな僕にも、『好き』を爆発させてるキャラクターたちの熱量が伝わってきた。


彼らはなりたいものを存分に表現している。

それは決して独りよがりな自己満足ではない。

自分が望むものになろうとする、崇高な自己実現の営みなのだ。


僕も頑張ろう。

そんな風に思えた素敵な体験でした。


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