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【日記】発熱によせて、雑記


発熱している。

発熱の何が嫌って、活動が制限されるせいで一日のトピックが『発熱』以外に有り得なくなることだ。

しょうがないので、発熱から連想したあれこれを日記に残すとする。

38℃出てるけど。



僕は実家暮らしである。

父と母と僕。いわゆる核家族だ。

一人暮らしに憧れないことはないが、自己管理能力の欠如した僕が単身で生活していたらこの程度の風邪であっけなく死ぬかもしれない。

週末で仕事のない両親は、やや死にかけの僕が死にきらないようにあれこれ気を回してくれる。

「こまめに水分を摂りなさい。ここに経口補水液を置いておくから」

「寝てばかりいては関節が固まるだろう。定期的に肩甲骨を動かすべきだ」

「食欲はあるのなら好きなものを作ってやろう。お前の好物のパスタをこしらえるから少し待ちたまえ」


…なんて出来た親たちだろうか。

なぜこの愛情深い二人から僕のような人外スレスレのメンヘラが生まれてしまったのか。

あまつさえ僕はこの優しい両親を苦手としているフシすらある。

上述のセリフも、僕の親苦手フィルターを通したものであって実際はもっとフランクな物言いだ。


かつて、某所で『親への感謝の手紙』を書くというタスクを課されたことがあった。


もちろん僕は両親にいたく感謝している。

それで大して考えるまでもなく、素直な気持ちをつらつらと書き綴った。

「お父さんお母さん。いつもお世話になっております。僕をここまで育ててくれてありがとう。あなたたちの苦労は計り知れません。僕だったらこんな息子が産まれたら絶対嫌です


「…唯坂くん。こんなん渡されたらご両親は悲しむよ」


そういうものか。

実の親の前で自分を卑下しすぎるのはマズいと学んだ出来事であった。

結果、表面的な感謝の定型文ばかりを書き連ねた毒にも薬にもならん書類が完成した。


今思えば、あの手紙を渡した覚えがない。

…まぁええか。


話が脱線した。

熱でぶっ倒れている僕に、両親は食事を供するにとどまらず嗜好品までも用意してくれた。


チーズケーキである。


僕はケーキの中ではチーズケーキが一番好きだ。

別に他が嫌いなわけではないが、ケーキバイキングだったら真っ先にチーズケーキを選ぶだろう。


ショートケーキを例に挙げてみよう。

あれは多層的な構造をしている。

オーソドックスなものであれば、下から

スポンジ生クリームイチゴスポンジ生クリームイチゴ

といった具合だ。

この構造上、どこを食べるかによって味のバラつきが発生する。

他のケーキも多かれ少なかれ、構造による味の変化が生じるものだ。


その点、チーズケーキは特異である。

全ての材料を均一に混ぜ合わせて焼くという工程によって、

どこをどう食べても味が変化しないという稀有な性質を持っている。

変化があるとして、せいぜいタルト地が敷かれてるくらいだ。

それがなんというか、安心する。


僕はいろんなものを食べたいというより、同じものをたくさん食べたいタイプだ。

その嗜好がチーズケーキ好きに繋がっている気がする。


…話が変わるが、発熱は今日で2日目である。

この間、身体を動かすのは食事とトイレの時のみ。

当然外に出ることもないので、身だしなみを整えるインセンティブがない。


ふと鏡を見ると、とても直視に堪えない不潔な男がそこにいた。


脂でギトついた髪

血走った眼

極め付けには無精髭

誰がこんな落伍者を愛するものか。

僕は25歳というまぁまぁいい歳だが、精神年齢はまだ第二次性徴期前なので自分に体毛が生えるという現実に凄まじい解釈違いを起こしてしまうのだ。

やや下世話な話になるが、とある部位に初めてのうぶ毛を発見した時には精神を置き去りにしたまま肉体ばかりが成長していく残酷さにマジで落涙したことがある。


いつかまとまった金ができたらヒゲだけでも永久脱毛してやろうかなと思っているが、

なぜ手元に何も残らずむしろ毛を失うのに金を払わにゃいかんのだという脳内屁理屈逆張り自我が猛烈に抵抗してくる。

ままならないものだ。



本当に思いついたことをただ書いてしまった。

熱で思考がまとまらないせいだろうか。

YouTubeの動画を流し見などしてみたが、どうもこの体調ではインプットの方は円滑にいかないらしい。

そんなわけで文章を書く、アウトプットに切り替えてみたが存外気分転換になった。

こっちの方が性に合ってるんだろうな。




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