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インハウスデジタルマーケ入門、基礎中の基礎編

はじめまして。カンムという会社でマーケを担当しているtadasと申します。
この記事では、デジタルマーケティングで優れた戦略とは?と言った難しい話ではなく、初めての広告運用などにおいて大きなミスが発生しないようにするために「正しい予算設定管理」の方法と、「ユーザーが広告に立ち会う瞬間を考えてクリエイティブを作ってみよう」という2つの話になります。


一番大事な予算管理

広告運用において何が一番大切か?それは予算管理です。
無い袖は振れないように、予算の桁を間違えようものなら会社を倒産させられるレベルのリスクが常に付き纏っています。代理店にお願いしている場合ではミスが発生した場合、補填してくれることが一般的かと思いますが、インハウス運用の場合は、背に腹は変えられない状況になってしまいます。
なので問題が発生しないように広告媒体の管理画面で想定外に配信されることを避ける構造を作るように心掛けましょう。イメージとしては一つの場所で誤入札等をしてしまっても意図しない配信を防げる二重構造を作ります。
具体的には多くの広告媒体では、アカウント→キャンペーン→広告グループ→広告(クリエイティブ)となっており、

①キャンペーンと広告グループは別々で予算をコントロール可能
②キャンペーン階層にて、日予算と月予算(や累計予算)というよう別々でコントロール可能
上記どちらかに該当、もしくは両方というものがほとんどです。
月予算やキャンペーン等の大きい階層で基本的に月毎の予算を設定する。日予算では効果(CPAや登録数など)調整するを実施することというような二重構造にしてしまいましょう。

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Twitterの例(キャンペーン階層で日予算とTotal予算を設定できる)

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LineAdsの例(広告グループで日予算、キャンペーンで月予算を設定できる)


このようにすることで、日常的に触る機会のある日予算や入札単価等で桁を間違えてしまったとしても月予算や、キャンペーン予算を超過することはないので、会社に大損害を与えるような重大なミスはほとんど起こらない状況になるでしょう。
また、日予算設定を誤った場合に、月予算レベルの金額が一瞬で配信されてしまう可能性も抑えたいという方は、キャンペーン設定等の階層を週の予算に設定する方法を検討するのも良いでしょう。
こうすることで万が一のミスのリスクをより小さくすることができます。が、その一方で調整頻度が増えることにも繋がるので(月1回→週4回)ヒューマンエラーの確率も上がってしまうというトレードオフがあります。
個人的には月1回の設定を複数人で確認を行う、自分でトリプルチェックを行うなどの方法が実務的にはスムーズなことが多いように思います。

また、少し特殊技になってきますが、媒体によっては、もう1つ厳重に設計するということも可能です。
例えば、Googleではアカウントの予算等を使って総予算のブレーキを作っておくことができます。


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GoogleAdsのツール→ドキュメントで設定可能

他にもGoogleやFacebook,Apple Search Adsなどの広告媒体ではクレジットカード請求等を利用している方もいらっしゃるかと思いますが、こちらをデビットカードやプリペイドカード(そうです!バンドルカードの出番です!)を使っておけば入金している金額以上配信されるリスクを減らすことが可能です。

上記のようにヒューマンエラー等が万が一発生したとしてもリスク量を自分でコントロールすることが可能です。
その結果、インハウスマーケター、片手間マーケター、自営業の方などが1人で広告運用する際において、広告運用のリスクは限定的にすることが十分可能なツールになっています。

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ユーザーとして広告に立ち会う瞬間を考えてみよう


次はクリエイティブの話です。デジタル広告は要素を極限まで削ぎ落とすと、
人×場所×クリエイティブの三つの変数しかありません。
配信する媒体を選別する時点で、人も場所も、ある程度絞られることになりますが、クリエイティブだけは無限の選択肢があると言っても過言でも無いと思います。しかし、どのように広告クリエイティブを作ればいいのか分からない方は多いのではないでしょうか?

自分たちのサービスで差別化できている要因を抽出してみる。有名人を起用して興味関心を持ってもらう。ドラマ形式にしてサービスよりもまずは広告自体に興味を持ってもらう。など、色んなレベルの要素を絡める必要があり、どうすればよいかわからなくなってしまうことは私自身よく経験する場面です。そういう時に、自身が1ユーザーとして普段接している広告に接触する瞬間を思い出すのも一つの手でしょう。

基本的にはユーザーは何らかの情報を求めて日々メディアに接触しています。仕事の為の情報収集なのか、プライベートの情報収集か、暇つぶしなのか。また、暇つぶしといっても面白い情報を求めているのか、好きな芸能人の日常を知りたいのかといった様々な目的が、意識的・無意識的に関わらず存在します。そのような状況下において、YouTubeで好きなYouTuberチャンネルを見たい時に出てくる広告と、TikTokで面白いものが無いかを探している時に出てくる広告クリエイティブが同じであってもユーザーの広告に対する感情や意識はそもそも異なるのではないでしょうか。そのようなユーザーのシーンを実際に考えて広告クリエイティブを作ってみることは大きなヒントになりうると考えています。

例えば弊社では、NON STYLEさんを利用したお笑いコンテンツを含んだもの、インフルエンサーを起用してバンドルカードの説明を中心としたもの、アニメーションを活用したものなど様々なパターンの広告クリエイティブを製作しています。


ユーザーの広告を見るシーンの一例ですが、Twitterでは暇つぶしに面白いコンテンツをみたいというユーザーが多く、NON STYLEさんを起用した広告は広告と認知した上で、暇つぶしの(笑える)コンテンツとして視聴いただき、結果的にアプリの利用にも繋がるケースが多く存在します。
反対にインフルエンサーが説明する動画では、プリペイドカードに興味を持っているユーザーには引きが強いのですが、マジョリティと思われる暇つぶし目的のユーザーにはただの広告として受け取られてしまい、見られるまでもなくスルーされる機会が多い。というような傾向があります(広告媒体ではその広告が何秒見られたかなどの指標を見ることもできます)

ただしこれも、インフルエンサーの説明重視の広告クリエイティブが悪いというわけではなく、シーンが異なる場面では効力を発揮する場面があります。30秒間など決まった秒数を見てもらえるリワード広告という場所でアプローチすると、認知やサービス理解が進み、ユーザーにとって必要性を感じていただき結果的にインストールしていただくという動きを作れることがあります。この場合だと、面白いコンテンツを製作して引き込む必要性は薄く、サービスの訴求をわかりやすく簡潔に理解してもらう重要度の方が高いと言えるでしょう。

結論を述べるとクリエイティブは単体で良し悪しを決められるものでなく、人×場所(シーン)×クリエイティブの三つの変数において良し悪しは変わってくるというお話でした。

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以上になります。いかがでしたでしょうか。
広告運用に怯えることなく運用できる会社や個人やサービスが増え、
ユーザー目線で広告を作ることができれば、世の中のデジタル広告のクオリティとレリバンシー(関連性)を上げることができ、デジタル広告が多くの人にとって重要な役割を担っていく。そんな時代が来ればいいなと思っています。

※この記事はカンム社のアドベントカレンダー2020の15日目です。
※バンドルカードを使ってみたくなった方はこちら






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