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【伝統医療でGO!#04】#カンボジア地雷の国を薬草の国へ #地方の学校に薬草園を設置した話

■ 復活!「学校の薬草園プロジェクト」

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今からさかのぼること10年前。カンボジアに来て地方で活躍している現役の「クルクメール」と呼ばれる伝統薬を扱う人たちを対象に、政府の伝統医療機関で、基礎的な医療知識や、薬草について、半年間の研修を行う伝統医療事業を行いました。

その研修に参加されたクルクメールの中で、町から遠く離れた森の中にある村に住に住んでいるバニーさんという伝統薬に詳しい方と一緒に、彼の住んでいる地区の小学校に伝統薬の原料となる、その地域の有用植物を集めた「薬草見本園」を作るというプロジェクトを行ったという話を以前の投稿で少し紹介しました。

そして今、現在進行中の、地方の学校保健をサポートするエコヘルスプロジェクトのモデル中学校でも、学校菜園づくりの一環として、この地域の有用植物を集めた「薬草見本園」も校庭に作っていこうという計画も進めています。

■ 地方の保健医療を補完するという挑戦

カンボジアの田舎の村から、最寄りの町の病院へ通うっていうのが、これまた一苦労でして、正直、風邪薬や下痢止めといった急性症状のお薬は、村の雑貨屋さんでバラ売で手に入れられるんですが、厄介なのは、婦人科疾患であったり、肝機能障害とか、怪我の後遺症なんかの筋肉の痛みとかという慢性疾患だったりします。

しょっちゅう病院に通うということが難しいわけですから、そういった症状については、地元で入手可能な伝統薬が頼みの綱となるわけです。

実際、日本でも漢方薬が一番処方されているのは産婦人科と言われていますし、慢性疾患に効果が発揮されているのは明らかです。

そこで、村にある唯一の公共機関である小学校に、地域住民に聞き取りをして、ニーズにあった症状にあわせて収集した薬用植物のサンプル園を、外の歩道から見える校庭の中に造ってですね、住民の健康増進に役立てようという試みでした。

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■ 森は薬草の宝庫。学校を「くすり箱」に

伝統医療の原料となる、天然資源は森の中に豊富にああります。田舎では多くの人達が利用している訳なんですけど、国の医療制度作成の遅れもあって、公的医療サービスに統合されていない状況です。

所得の少ない地域の住民が、コミュニティーの中で、代々伝えられてきた薬用植物の知識を次の世代に伝えて、少しでも有効に活用できるようにすることを目指しました。同時に、普段は不便だと思っている森の中に価値があることを、地域の住民や次世代を担う子供達に知ってもらうということも環境教育として、とても重要だと考えました。

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しかし、このプロジェクトを行う上で一番重要視したのは、この薬草園をいかに地域の中に存続させていくかを考えることでした。

(つづく)To Be Continued....

■ 情報誌Phnom掲載記事 

2014.06地雷の国を薬草の国へ

リンク:カンボジア総合情報「Phnom」電子版

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