高齢男性のマシンワーク
手芸店でかんたんなミシンソーイングを教えている。
教えているというより、作るお手伝いかな。
昨年末、七十代のお父様と四十代と思しき娘さんが二人で見えた。
お父様は新しく買われたミシンを、娘さんはお母様の使われていたミシンをそれぞれ持ち寄ってこられた。
具体的に作りたいものはなく、とにかくミシンの糸かけから基本的なことを覚えたいのだという。
六年前にお母様(奥様)が亡くなり、それまでしてもらっていたズボンの裾上げやちょっとした修繕を自分たちでしたいのだそう。
娘さんはミシンの扱い方をわかっていらっしゃるけれど、少し発話がおぼつかないところがあり、そのためかお父様は娘さんを心配している。
娘さんはそんなお父さんが少しうっとおしい様子だ。
二人は直線縫いでランチョンマットを完成させて帰られた。
二回目の今日は、娘さんは体調が悪くお父様お一人だった。
やはり具体的に作りたいものはないというので、簡単な布手提げをご提案した。
他の方も講習を受けにいらしていたのでお待たせすることもあり、今日は完成にはいたらなかった。
それで次回またご予約をされて帰られた。
一通りミシンを扱えるようになればもういらっしゃらないだろうと思うと、少し寂しい気持ちがする。
ミシンが大好きになって、男性ならではの布小物をお作りになられたら素敵だなあと思う。
※ヘッダー画像は今は使っていない刺繍ミシン。
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