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【オーディブル】満願-米澤穂信 著

「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが…。鮮やかな幕切れに真の動機が浮上する表題作をはじめ、恋人との復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴」、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作「万灯」他、全六篇を収録。史上初めての三冠を達成したミステリー短篇集の金字塔。山本周五郎賞受賞。

Amazon書誌情報より

スラスラ聴けて、耳から読み取れるような気になる、整った文章なのだろうと思いました。
著者のプロフィールを見たら私より二十ほど年下で、この短編集が出版された2014年は三十代の中ごろになります。
古臭いということではなく、ある意味老成している印象を受けました。
テーマも物語の組み立てにも違和感がないのです。
二十も若い作家の作品はたいてい何処かしかで、よくわからないところがあるものですが…
いつかどこかで見知っていたようなデジャヴのようにも感じました。

六つの短編の感想は割愛させていただきますが、一つ引っかかった箇所がありました。
『万灯』で、バングラデシュから帰国してホテルに滞在していた森下を、ロビーで張り込んでレンタカーに乗せて殺害に及びましたが、私は森下はあの出来事を書き残していたかもしれないと思いました。

当然作者もその線も考えていて、どこかで伏線が張られ回収されるのだろうと思っていました。

でもそんな話はありませんでした。

※柘榴の画像は あおたくはきさんよりお借りしています。
ありがとうございます♪ 
 


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