はじめに：私の事

2008年前後に婚活ブームが起こった際、私はビジネスという形でその渦中にいました。
婚活サービスへの関与、各種イベントの企画・実施、雨後の筍のごとく乱立していた婚活バーや婚活カフェに広告の提案など、様々な形で関与していましたし、ブームが落ち着いた後も、SEO（検索エンジン対策）用の婚活系メディアを企画したり、気が付けば最近流行りの婚活系マッチングアプリにも絡むようになっていました。

10年たっても何も変わらない現実

この10年、サービスの運用面、広告面、システム面、様々な事を知りその大きな変化に驚く一方で、どれだけ時を経ても大きく変化させられていない物がある事に、心苦しさを感じる時があります。
それは、利用しているお客様の意識が、大きく変わっていない事であり、それによって出会いのチャンスを無くしてしまっている状況を目の当たりにした時です。

様々なメディアに有益が情報が載っているにも関わらず、「なぜ、こんなプロフィールなのだろう」「なぜ、こんな写真なんだろう」「なぜ、こんな事を言うのだろう」そういったやるせない思いになることは毎日あります。

最後の一歩を踏み外してしまったが故に、階段から転げ落ちるような破局を迎えたのを目の当たりにした事もあります。こういったものを少しでも減らせればという想いが、こうして文章を残している理由の一つとなります。

利用者の意識は大きく変わっていない

婚活を取り巻くサービスの変化や進化を目の当たりしてきましたが、10年以上たった今でも利用者の意識が大きく変わっていない事は本当に驚きです。

婚活ブームのきっかけとなった白河桃子さんの『「婚活」時代』が示していたのは、 昭和的な結婚システムが崩壊したことによる変化であり、昭和的結婚観から脱却しなければ、結婚自体が難しいという事だったと私は理解しています。

ですが、実際のサービスの利用者を見る限り、多くの方がこれまで通りの考え方で利用されている様に思えてしかたないのです。婚活（どころか人との出会い）で大事な最低限のポイントですら、きちんと押さえられていないケースが多いのが実情なんです。

サービスにも限界はあります

「そこを何とかするのがサービスでしょう！」と思われるかもしれませんが、サービスというのはあくまで「ツール（道具）」です。サービスは利用者をガイド・サポートする事はできますが、それを受け入れ従うかは結局は利用者次第です。

より強力なガイド機能をサービス側で導入することもできますが、利用者にとってかなりしんどい機能になるのは目に見えています。一挙手一投足までダメ出しをされる…そんなサービスになることは間違いないです。

パレートの法則のように、出会いに必要な要素を理解している2割程度の会員がドンドンと出会い、残りの8割は「出会えない」と悪態をついているのがマッチングアプリの実情です。
ですが、大半のサービスを見る限り、出会いに必要な要素はしっかりとサービス内に記載されています。
それを素直に実行するのかどうかは、やはり利用者次第なのです。

「婚活は見た目が全て」の真意

「婚活は見た目が全て」というインパクトがあるタイトルをつけていますが、 「人間の7割は外見で判断する」のような、よくある話ではありません。外から見える部分（例えば、お見合いの釣書き、マッチングアプリのプロフィール、写真など）を整える事は、婚活の基本中の基本ですのでもちろん触れます。
ですが、外見が良ければ全て上手くいくという話でもありません。

結婚・交際の可否に関わる決定的な情報は、実はあなたが見ている相手の写真やプロフィールに隠れています。
きちんと書かれているプロフィールならば、ちゃんと読み解くだけで交際の可能性ぐらいは分かるものです。ここでは、相手が出している情報を上手く捉え、効率良くアプローチをする必要性について説明していければと考えています。

わたしの想い

余談ですが、この内容に私が携わっているサービスについて、「あれが良い」「これが良い」といった話を折り込むことは簡単ですが、正直に言ってそれは自分の本意から離れています。情報の引用元や最低限の紹介目的でサービス名を出すことはあると思いますが、それを強くプッシュするつもりもありません。
あくまでも今現在婚活をされている方に向けて、意識や考え方を変えるきっかけとなる文章になればと思っています。

特定のサービスをプッシュすることで、「結局この内容は広告なんでしょ？」といった邪推が生まれるのも嫌ですし、変な忖度が自分の中で生まれるのも文章を書く意欲をそぐ原因となります。
あくまでも、「婚活サービスを利用しているお客様の意識改善に役立つ内容の提供」を目的として書いていきたいと考えています。