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AIを使うほどマッチングアプリは似る?

「登録直後にはアプローチが多かったが、課金をしたとたんにアプローチが減った」というのは、どこのサービスのレビューにも書かれている事で、その点を指して「サクラがいる」と指摘されていますが、正直な所、それは間違いです。

登録直後は下駄を履いている?

結論だけ話すと、そもそも登録直後は「多くの下駄を履かせされた状態」です。
これについては、似たような事を某アプリの運営者がレビューの返信で説明されていました。
ただ、かなり丁寧な説明があってもレビューは荒れていましたが…

アプリの利用者は基本的に2~3日で7割以上が居なくなってしまいます。
マッチングアプリにも選択肢が多くありますし、ゲーム、ニュース、SNS等様々なジャンルで誘惑がありますので、そちらに興味を持たれてしまうとアプリはインストールしたけれど使われないという事は、往々にしてあり得ます。

以前からずっと言われていますが「いかにユーザーの時間を占有するのか?」は、アプリ運営者にとって大きな課題です。

ゲームとやっている事は一緒

登録直後に良い会員を見せたり、コミュニケーションに意欲的な会員を当てる、上位に表示されたり、別枠での表示というのは、そのテンションを維持することで必要な事です。

ゲームで言えばチュートリアルが完了したら、強いキャラがもらえたり、ガチャがたくさんできると言ったプロモーションや、登録直後のボーナスタイム、これらと考え方は一緒ですね。

ただ、マッチングアプリとゲームが違うのは、人生なので上手くいかなくってもリセマラができないことぐらいです。

出会いは、運や確率やパーセントで決まるわけではないので、大事なのは「きちんと振り返り、課題を見つけ、自分が変わる事」しかないのですが、そこを理解できている人がどれだけいるのだろうか?というのは、常々感じる事です。

下駄を脱いだ瞬間からが本当の勝負

登録直後に履いていた下駄が脱げる瞬間と課金したタイミングというのは、マッチングアプリではほぼほぼ近いタイミングになります。どれだけ長く登録直後のボーナスタイムを設定したとしても一週間でしょうし、一般的にユーザーが課金をするタイミングは登録後4日ぐらいまでです。

ボーナスタイムが終わって下駄を脱いだ瞬間(=本当の自分になった瞬間)からが勝負であって、成功するのか連戦連敗になるかは、結局自分次第です。

「登録直後にアプローチが多く、課金したらアプローチが減り、無料会員になったらアプローチが増えた」というのも事実はこうです。

「下駄を脱がせたら上手くいかなかったので、仕方なく下駄を履かせた」

これゲームでもありますよね?

こんな事例はアプリのゲームでは普通にありますよね?

「登録して使っていたけど、難しくてしばらく放置してたら、たくさんガチャ券貰った」

マッチングアプリもゲームも、ユーザーの行動を分析して最適なタイミングでアプローチをした結果であり、サービス内で行われている健全なプロモーションの範囲です。

マッチングアプリだと、「無料でアプローチできるリストに入りやすくなる」であったり「検索の上位や特定の層に対して露出しやすくする」等、になるかと思います。

もちろん、こういった施策についてはメリットもデメリットもありますので、通常は段階的なアプローチをするのが一般的です。急にアプローチが強くなったと感じるのは、段階的に提供される施策に興味を惹かれなかっただけです。

そもそも「女性がいない」もあり得ない

話が脱線してしまいますが、アプリストア経由でサービスを提供している以上「女性がいない」サービスはあり得ないです。
どういった切り口でサービスを紹介するのかによって比率は変わりますが、婚活を強く打ち出しているサービスだと、男女半々かやや女性が多いぐらいの割合で、アプリストアからサービスの利用者は入ってきています。

また、マッチングアプリがいくら知名度が上がってきたとはいえ、広告が掲載できる経路なんて限られていますし、掲載にも厳しい制限が掛けられています。

少なくとも、恋愛・結婚という切り口で男性だけを大量に獲得できる経路というのはまずないです。また、恋活・婚活という言葉がいくら流行ったからと言っても、こういった打ち出しに食いつきが良いのは圧倒的に女性です。

男性がガンガン集まるアダルト系の集客経路は、アプリストアを使っている以上利用できません。過去に一斉に無くなったアプリの大半は、アダルトカテゴリからの集客が一因であるとも言われ、規制されています(コピーコンテンツなど、他にも要因はありますが)。

AIや顧客分析が原因でサービスが均一化する?

実際に出会えた実績がある大手だろうが、小規模のアプリだろうが、どこのサービスでも似たような事を指摘されているので、なぜだろうか?と思っていたのですが、顧客分析やAIの活用によっては起こり得るのではないかと、最近感じ始めました。

例えば、
A社「登録後3日以内に、10件アプローチを貰った人が課金しやすい」
B社「登録日に3通メッセージをすると継続しやすい」
C社「3か月以上利用する会員は登録後1週間で5件以上マッチングしている」

こういった若干違う切り口の分析結果が出たとして、各社行う事はほぼ同じ事でしょう。

A社、B社、C社「登録直後のアプローチをいかに増やすか?」

こういった形で定石が作られていくと、各社ともに似通った動きになる事はあり得ます。この定石を基にAIで自動化をすれば、ある特定の会員はどのサービスに行っても同じ結末にたどり着く可能性だってあり得ます。

一方で、あるカテゴリのユーザーをどうステップアップさせるのかという課題は、マッチングアプリのコンテンツによって改善できる余地はあるようにも思いますし、そこはAIなどにはできない人間の領域だと思うのです。

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