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現代特有のインプット疲れ

▼インプットとアウトプットのバランス

会社の同僚と話していた時に、最近SNS等で便利になりすぎて情報疲れするという話題になった。確かに、何をしていても嫌でも情報が流れてきてしまうのが現代だ。しかし、それ以外に原因があるのではないかと思う。

それはインプットが多すぎて、アウトプットできてないんじゃない?

同僚にはそう伝えた。「確かに、最近アウトプットがすごく少ない気がする。」と心当たりはあるよう感じだった。このコロナ禍において、外出や人に会う機会が減った今だからこそ、こういった事が起きているのかもしれない。

僕は昔からアウトプットの方が多いせいか、こういった疲れは感じない。むしろ、デザインに携わっている分、インプット欠乏症を起こし気味だ。


▼自然なアウトプットまでの流れ

おそらく現代において、大人の方が圧倒的にインプット疲れを起こしている。まわりを見ていても、子供は自然とアウトプットができているような気がする。

小学3年生の姪っ子が、フライパンを使わずに電子レンジでオムライスを作っていた。どこで覚えたのか尋ねると「YouTube!」と言いながら嬉しそうにオムライスを作っていた。息子もYouTubeばかり観ていると思ったら、急にレゴで何かを作り出したり、プラレールで何かを作り始める。

こういった感じで子供達はごく自然にアウトプットを開始する。彼らの中では、インプットは所詮インプット。それだけでは不十分、物足りないのです。物足りないからアウトプットをします。じゃあ何故アウトプットをするのか?個人的見解を次の章で説明したいと思います。


▼知識と経験の違い

個人的に、知識と経験の違いをインプットとアウトプットを交えて考えてみました。

▷インプット=知識
▷インプット+アウトプット=経験

こうなのかなと思います。子供の時は圧倒的に経験が不足しているので、一生懸命アウトプットをして経験をしていく事に、楽しさを感じるのだと思います。現代では、子供達の知識の仕入先は変わりましたが、アウトプットは今も昔も変わらず存在しているので一安心です。

インターネットの普及で、知識に触れ合う機会は圧倒的に増えたと思います。しかし、圧倒的に減ったものもあるではないかと思うのです。それがアウトプットです。

この簡単に手に入る知識というのが、便利ながらも厄介なのです。インプットした知識を、自分なりにアウトプットしていないのに、経験と錯覚してしまうのです。現代の動画やSNSといった知識は、以前からあるの本の文字や写真といった知識より、リアリティを含んでいる分、経験として誤認してしまうのではないか?そうなると、アウトプット不足による弱い経験が増えていき、純粋な経験が減っていっているのではないかと思うのです。

話は僕が小学校の時に遡ります。小学5年生の時に初めてファッション雑誌を買いました。その時は古着ブームでしたので、古着のリーバイス501がすごい人気でした。雑誌で見るたびに憧れが募っていきました。雑誌を切り抜いてファイリングするほどです。XXや66、ビックEなど知識は増えていきました。しかし、うちは超田舎なのでお店がありません笑。古着屋なんてもってのほかです。もちろんネット通販もない時代ですので、正月に遠出した時にお年玉でジーンズショップにて新品のリーバイス501を買った記憶があります。でも欲しいのは古着の501なのです!

その後、中学生の時に初めて古着屋さんで古着の501を目の当たりにした時は感動しました。リベットを見たり、ステッチやボタンやパッチをひたすら確認しました。この話の場合、店を訪れて古着の501を見た事がアウトプットにあたります。ここで初めて雑誌から得た知識が自分なりの経験になった瞬間です。


▼物を触らずに物を知れる時代

ネット通販って本当便利だと思います。商品のいろんな角度の写真も見れるし、レビューで使用感もある程度は分かります。田舎暮らしの自分にとっては、なくてはならないものになりました。しかし、危機感もあります。

以前は、物を買うというのは結構な決断力を要しました。ファストファッションなどが主流の現代は、気軽にネットとかでも買える分、買い物疲れは少なくなった気がします。買い物するというよりはネットをしているという感覚。そのかわり、ドキドキは減った気がします。モノに対する思い入れも。これを買った時の思い出!ってのがないんですよね。

この感覚もきっとアウトプット不足なんでしょうね。簡単にインプットできてしまい、アウトプットする間もなくまたインプットみたいな。インプット疲れというのは結局、アウトプット不足によるものなのかと思います。自分なりの考え方や意思表示もアウトプットな訳ですから、こうやってnoteで何かを書く事は最高のアウトプットだと思います。

何事も表裏一体。便利なツールにも、良いところも悪いところもあります。自分なりの意思と選択で、いいお付き合いをしていきましょう。

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