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「カムカムエヴリバディ」は朝ドラ版「スター・ウォーズ」である。【ひなた編】#カムカム

 「カムカムエヴリバディ」という作品は朝ドラ版「スター・ウォーズ」をやりたいのだ。そんな荒唐無稽な仮説をベースに、2021年放映のNHK大阪の朝ドラ「カムカムエヴリバディ」(以下、「カムカム」)への妄想を最大限膨らました記事を、ドラマの放送と並行しながら書いてきた。最初は一つの記事に収めていたが、妄想考察が止まらず、かなりのボリュームになったので、安子編、るい編、ひなた編と記事を三分割した。当記事は、そのラストとなる、ひなた編である。

 ひなた編に入る前に、安子編、るい編の妄想考察を振り返っておきたい。第一弾の安子編は、以下の記事である。

 安子編では、「カムカム」の3世代ヒロインや、他の登場人物が、「スター・ウォーズ」の誰にあてはまるか、また「カムカム」のお題である、ラジオ英語とあんこと野球とジャズと時代劇が、それぞれ「スター・ウォーズ」の何にあてはまるのかについて妄想してみた。
 そして、「スター・ウォーズ」のエピソード1~3のストーリーに基づき、アナキン=安子はダークサイドに堕ちて、ルーク=るいは対立する状態になることを予想したが、見事にその展開となった。

 第二弾るい編の妄想考察は、以下の記事である。

 るい編では、「スター・ウォーズ」のエピソード4~6のストーリーに基づき、レイア姫=るいと恋愛するハン・ソロにあたる登場人物は誰なのか、またジョーがハン・ソロにあてはまる理由や、「大月」の回転焼きに込められた意味等について妄想考察をしてきた。

 そして本note記事の「ひなた編」である。「カムカム」=「スター・ウォーズ」オマージュという前提にたてば、「スター・ウォーズ」のエピソード7~9のストーリーに基づき、レイ=ひなたがフォースを扱うことのできるジェダイ=侍になれるのかについて妄想考察することになるだろう。ひなたという名前の通り「サニーサイドの道を歩むのか」、あるいは、ダークサイドに墜ちるのか、このあたりを注視していきたい。
 また、るい編から持ち越した重要な宿題もある。「スター・ウォーズ」のエピソード6にあたる、安子とるい、母と娘の和解である。ダース・ベイダー安子とルーク・スカイウォーカーるいはどのように和解するのか、この点にも注目していきたい。
(2022/2/23)

ビリーは安子・ロバートの子孫なのか

 【妄想4】ひなた編で、安子とロバートの子孫は現れるか?で、ひなた編には安子とロバートの子孫が登場するのではないかと予想した。そして、2022年2月3日放送のEPISODE066で、とうとう子孫と思しき人物が登場した。ひなたが条映映画村で偶然出会ったアメリカ人の美少年ビリーである。ビリーが登場した時は、SNSでは、「もしかしてビリーは安子とロバートの子供か孫ではないか」「ナレーションの城田優が大人ビリーとして最後に登場するのではないか」という話題で持ち切りとなった。そこでこの項では、安子とロバートの子孫が登場すると予想する理由を、「カムカム」=「スター・ウォーズ」オマージュという観点から、おさらいしておきたい。

 次の家系図は、「スター・ウォーズ」の重要人物である、スカイウォーカー家とパルパティーン家の家系図である。「スター・ウォーズ」シリーズの主人公は、エピソード1~3がアナキン・スカイウォーカー(ダース・ベイダー)、エピソード4~6がルーク・スカイウォーカー、エピソード7~9がレイである。

「スター・ウォーズ」家系図

 「スター・ウォーズ エピソード3」で、アナキン・スカイウォーカーはシーヴ・パルパティーン(ダース・シディアス)の誘いで、ダークサイドに堕ち、ダース・ベイダーと改名する。
 エピソード4~6で、アナキンとパドメ・アミダラの子供であるルーク・スカイウォーカーは、ダース・ベイダーと対立し、最後は和解し、ダース・シディアスを倒す。
 エピソード7の前までに、ルークの双子であるレイア・オーガナはハン・ソロと結婚し、ベン・ソロが産まれる。ベン・ソロはルーク・スカイウォーカーの修行を受けるが、ダークサイドに堕ちてカイロ・レンと改名する。
 エピソード7~9の主人公のレイの出自は、ストーリーの冒頭では明らかにされないが、エピソード9の中ではじめて、レイはダース・シディアス、つまりシーヴ・パルパティーンの孫であると判明する。
 しかし、レイはダークサイドには墜ちず、ジェダイを目指して、レイア・オーガナ率いるレジスタンスに加わる。そして、最後にレイは自分自身を「レイ・スカイウォーカー」と名乗る

 上記の「スター・ウォーズ」の家系図&人物相関図を「カムカム」にあてはめると、どうなるだろうか。

「カムカム」家系図

 「スター・ウォーズ」の家系図と比較してみると、初代ヒロインの安子は、アナキン・スカイウォーカーのポジションにあたる。雉真家の長男・稔と結婚して、娘のるいが産まれる。
 その2代目ヒロインのるいはルーク・スカイウォーカーのポジションであるが、双子の妹レイア・オーガナのポジションにもあたる。るいはハン・ソロポジションにあたるジョーと結婚して、ひなたと桃太郎が産まれる。
 そして3代目のひなたは、血筋的にはベン・ソロ(カイロ・レン)のポジションにあたる。だが「スター・ウォーズ」エピソード7~9の主人公レイは、シーヴ・パルパティーン(ダース・シディアス)の孫であり、「カムカム」の家系図的にみると、むしろ、シーヴ・パルパティーンにあたるロバートの子孫のポジションである。
 「スター・ウォーズ」エピソード7~9において、レイとベン・ソロ(カイロ・レン)は対決する構図になる。レイは主人公=ヒロインだが、ベン・ソロ(カイロ・レン)はセカンド・ヒーローである。そして、「カムカム」=「スター・ウォーズ」オマージュと考えると、上記のカムカム家系図の?マークに相当する部分、血筋的には安子とロバートの子孫にあたる人物が、3代目ヒロインひなたと対決する重要人物として現れる可能性は非常に高いだろう。
 安子とロバートの子孫であれば、ハーフかクォーターである必要がある。ビリーを演じる子役・幸本澄樹は日本人とイギリス人のハーフである。そして流暢な英語を話す「カムカム」のナレーター城田優は、日本人とスペイン人のハーフである。
 かつて藤本有紀が脚本を手掛けた大河ドラマ「平清盛」では、ストーリーの途中で登場する源頼朝役の岡田将生がナレーターだった。ということは、
「カムカム」のナレーター城田優が、ひなた編の終盤で、大人のビリー役としてサプライズ登場しても全く不思議ではない。むしろそのことを期待されているといってもいいだろう。
(2022/2/23)

【妄想】「必殺仕事人」で、ジョーのトランペットは復活するか

 るい編でトランペットを吹けなくなったジョーは、現時点(2022年2月23日時点)においても、まだ復活していない。「スター・ウォーズ」オマージュ的にいえば、エピソード5のハン・ソロのカーボン凍結状態である。
 しかしEPISODE065のアバンの中で、野球をする子供たちを見守りながら、楽譜を書いているジョーのシーンがあった。音楽家としてまだ諦めていないということだろう。今後の展開で、ジョーが復活を遂げる展開はやってくるに違いない。果たしてどのような復活を遂げるのか、そのことを妄想してみたい。

 言わずもがなだが、「カムカム」のお題は、「ラジオ英語」と「ジャズ」と「あんこ」と「野球」と「時代劇」である。
トランペットに「時代劇」を絡めるならば、「必殺仕事人」のテーマだろう。条栄映画村には、「時代劇」に「ダンス」を融合させた、マツケンサンバ改め、モモケンサンバと思われる斬新なCMをプロデュースした「謎の振付師」こと算太がいる。算太が演技指導する「必殺仕事人」ぽい時代劇で、トランペットを吹く展開もありうるだろう。
「時代劇」に加えて、更に「野球」をトランペットに絡めるならば、桃太郎が甲子園を目指す設定なので、桃太郎が通う高校のブラスバンドの指導が考えられる。これまでにも、ジョーは桃太郎や近所の子どもたちの野球練習に付き添うシーンが頻繁に出てきているのは、その布石ではないだろうか。
 そして、「必殺仕事人」のテーマを応援曲にした事例は、高校野球にも、プロ野球のヤクルトスワローズにもある。今後の展開としては、朝ドラ前作の「おかえりモネ」のコージーに続く、トランペットを吹くお父さんの吹奏楽指導シーンが見られるかもしれない。

「スター・ウォーズ」エピソード6のハン・ソロ救出のエピソードでは、ルーク・スカイウォーカーやレイア姫だけでなく、ランド・カルリジアンも大きな役割を果たしている。そして、るい編においてランド・カルリジアン的なポジションにいたのは、ジョーのライバルにして盟友のトミーである。 
 るい編の最後では、トミーはジョーのために病院探しを手伝っていた時もあった。そして、朝ドラの終盤では、過去の登場人物が再度登場する。それらを合わせて考えると、ジョーが復活する展開になった時に、ランド・カルリジアンのようにトミーが再登場する展開はありうるだろう。
 トミーがジョーのトランペット復活の手助けをする。そして息子・桃太郎が出場する甲子園の試合で、雉真繊維社長を勇退した勇ちゃんが、地元岡山の野球部の指導をする高校と対戦する。9回裏ツーアウト満塁、バッターボックスに4番大月桃太郎というシーンで、甲子園のスタンドから、ジョーが演奏する「必殺仕事人」のテーマが流れる。そして逆転サヨナラ満塁ホームラン。そんな展開を、今から妄想したい。
(2022/2/23)

「侍になりたい」ひなたは五十嵐と結ばれるのか

 「カムカム」ひなた編において、2022年2月3日放送のEPISODE066は、重要な回だった。ひとつは、謎のアメリカ人美少年ビリーとの出会いだが、もう一つは、桃山剣之介(モモケン)サイン会である。
 ひなたはモモケンに対し「あたし、侍になりたいです」と告げる。それに対し、モモケンは「志を失わなければ、きっとなれますよ」と返答する。
 「カムカム」=「スター・ウォーズ」オマージュと考えれば、「侍」は「ジェダイ」である。したがって「侍になりたい」の意味は「ジェダイになりたい」ということだ。

 「カムカム」「ひなた編に対応する「スター・ウォーズ」エピソード7~9は、主人公であるレイが、最後に「レイ・スカイウォーカー」と名乗り、「ジェダイ」を受け継ぐ物語なので、「カムカム」ひなた編は、ひなたが「侍」=「ジェダイ」を目指す物語であり、ジェダイ・マスターのように、モモケンや伴虚無蔵といったベテランの「侍」が、ひなたの成長に関わるのだろう。EPISODE074では、ひなたは条映映画村の「ミス条映コンテスト」を受けるが、町娘役の演技審査で、相手役の刀を奪って斬りつけてしまった。まるで吉本新喜劇のような爆笑シーンだったが、これもまた、ひなたが侍=ジェダイを目指していることがよく分かるエピソードだった。

 侍=ジェダイを目指すとなれば、恋愛・結婚は禁止である。かつてひなた役の川栄李奈が所属したAKB48も恋愛禁止だから、ひなたは恋愛禁止の掟には慣れているだろう。しかし五十嵐とひなたの恋愛はどうなるのだろうか。
EPISODE085で、五十嵐は「ちゃんと毎日顔見せろ。寂しいだろ、バカ…」とひなたに告げてハグをした。また、安子と稔、るいとジョーと同じように、ひなたと五十嵐は黍之丞シリーズの映画を見たり、夏祭りに行くデートをしているので、結婚フラグが立っているようにも見える。
 しかし、ひなたに対応する「スター・ウォーズ」エピソード7~9の主人公レイは結婚していない。また、五十嵐に対応する「スター・ウォーズ」の登場人物は誰かというと、ファースト・オーダーから離反した元ストームトルーパーのフィンが一番近いだろう。五十嵐は大部屋俳優の駆け出し新人であり、名前の無い斬られ役や、死体役のを担当である。フィンのストームトルーパー時代は識別番号FN-2187であり、名前ではなく識別番号で区別される点が、「カムカム」の「名もなき有象無象の大部屋俳優」と相通じる。
 レイとフィンは良い関係になるシーンはあったが、最終的に恋愛関係までにいたっていない。したがって「カムカム」=「スター・ウォーズ」オマージュと考えると、ひなたと五十嵐の恋愛は、結婚までには到らないだろう。そして、ひなたは、改めて恋愛禁止の侍=ジェダイになることを決意するのだと、現時点(2022年3月3日時点)では予想する。
(2022/3/3)

英語を学びはじめたひなたが、時代劇を救う

 2022年3月10日放送のEPISODE091は、五十嵐と別れた後のひなたが最終的にどこへ向かっていくのか、その道筋が見えてきたような回だった。
 ひなたは伴虚無蔵に、存続の危機にある「時代劇」を救うことの意味を改めて問う。また、条映映画村の救済策として、外国人観光客をターゲットとしたツアーを企画するが、そのために元彼・五十嵐との結婚のために貯めていた貯金を英会話教室につぎこみ、英語のスキルを習得しようと努める。 
 「謎に謎を重ねた」ような展開だが、果たして「カムカム」=「スター・ウォーズ」オマージュと考えた場合、これらのエピソードはどのように解釈すれば良いのだろうか。

 英語は「フォース」の項で述べた通り、「カムカム」における英語は、「スター・ウォーズ」でいうところのフォースにあたる。「カムカム」における、ひなた編は「スター・ウォーズ」の続三部作にあたり、ひなたが英語に目覚めたストーリーは、「スター・ウォーズ エピソード7 フォースの覚醒」で、主人公レイが自身がフォース感応者であることに自ら気づく話にあてはまる。「カムカム」のヒロイン家系は、安子もるいも、フォース感応者の血筋=英語力に秀でているので、ひなたのフォース=英語能力もこれから飛躍的に上がっていくだろう。
 次に「時代劇を救う」の意味するところだが、「時代劇」は「ジェダイ」の語源であることは、ラストキーワード「時代劇」=「ジェダイ」の項で述べた通りである。したがって「時代劇を救う」とは「ジェダイを救う」ことと同義である。
 「スター・ウォーズ エピソード8 最後のジェダイ」では、自身のフォースの強さに気づいたレイが、失踪して伝説のジェダイとなったルーク・スカイウォーカーと出会う。弟子のベン・ソロ(カイロ・レン)のダークサイド転向の顛末から「ジェダイは自分が最後であり、滅びるべきだ」と考えていたルークが、レイへの修行と交流を通じ「私は最後のジェダイではない」と考えを改め、レイを次の世代のジェダイと認めるストーリーである。

 この「スター・ウォーズ」エピソード7とエピソード8のストーリーを、「カムカム」にあてはめてみると、レイに該当する主人公ひなたが、外国人観光客の時代劇ツアーで、英会話能力を発揮して活躍し、更に映画村の職員から、ジェダイ=時代劇俳優に転向する可能性もあり得る。
 レイは、滅亡寸前のジェダイの、最後の生き残りである、ルーク・スカイウォーカーの修行を受けた。同じように、ひなたは、存続の危機にある時代劇の、伝説の大部屋俳優である伴虚無蔵から、殺陣の稽古をつけてもらうと予想する。
 
 もしかしたら、「川栄李奈は殺陣ができるのか」と心配に思う人もいるかもしれない。しかしそのような心配は無用である。次の動画を見ていただきたい。

 元AKB48のためか侮られている部分があるが、川栄李奈は演技力がとても高い女優であり、殺陣も得意である。
 ひなたは、最終的に「スター・ウォーズ」エピソード7~9のレイのような「侍」=ジェダイとなり「時代劇を救う」。そのためには、ひなた役は、殺陣が上手い若手女優である必要があった。川栄李奈がひなた役に抜擢されたのは当然のことと言えよう。

 時代劇にはヒーローに対抗する、敵役が必要である。黍之丞シリーズの「妖術七変化」では、小野寺左近がいた。「スター・ウォーズ」エピソード7~9では、レイの敵役にして、セカンドヒーローともいえる、カイロ・レン(ベン・ソロ)がいた。それでは、ひなたが主人公の時代劇では、敵役になるのは誰になるのだろうか。
 「ビリーは安子・ロバートの子孫なのか」の項で、血筋的には安子とロバートの子孫にあたる人物が、3代目ヒロインひなたと対決する重要人物として現れると述べた。その重要人物こそが、「カムカム」のナレーターである城田優が演じる、大人ビリーではないだろうか。

 小学生時代のモモケンサイン会で、ひなたは「あたし、さむらいになりたいです」とモモケンに伝えていた。モモケンは「志を失わなければ、きっとなれますよ」と優しく答えていたが、このやりとりが「カムカム」ひなた編における、最大の伏線である。
 最終回までのストーリー展開を妄想すると、条映映画村の外国人観光客ツアーで、ひなたはビリーと再会する。そして、轟監督プロデュースの、ひなたとビリーが共演する、外国人向けの時代劇アクション映画が作られる。
 その映画では、ひなたが演じる主人公はモモケンのような侍であり、対抗するビリーの役どころは小野寺左近のような妖術を使う忍者である。
 ひなたが初志貫徹し、時代劇俳優としての「侍」=ジェダイになる形で、伏線が回収されるのだろう。これが現時点(2022年3月11日時点)での、私の「カムカム」最終回予想である。
(2022/3/11)

ひなたはビリーと再会できるか?

 2022年3月18日放送のEPISODE097で、ひなたはお盆に過ごしていた、岡山の雉真家で、カムカム英語のテキストを見ていたせいなのか、カムカム英語の平川唯一先生の霊と出会う。
 英語は「フォース」の項で述べた通り、「カムカム」の世界では、英語が「スター・ウォーズ」のフォースにあたる。そして、英語を学びはじめたひなたが、時代劇を救うの項で、ひなたは英語力が格段に上がると述べたが、その火付け役が、ヨーダー=ジェダイ・マスターであるところの、平川唯一先生である。ひなたに対して、霊として現れて、英語のアドバイスするあたりが、非常に「スター・ウォーズ」的である。

 ひなたがビリーと再会できるかどうかは、「スター・ウォーズ エピソード8 最後のジェダイ」のエピソードを元に考えてみるのがよいだろう。
 ダークサイドに堕ちたカイロ・レンに、まだライトサイド側の心が残っていると信じたレイが、師匠であるルーク・スカイウォーカーの反対を押し切り、カイロ・レンの元へ向かう。このエピソードを「カムカム」ひなた編にあてはめるとどうなるだろうか。
 レイにあたるのはひなた、カイロ・レンにあたるのは、まだ出自が判明していない、安子とロバートの子供か孫にあたる、ナレーターである城田優が演じる、大人ビリーである。
 英語を学びはじめたひなたが、時代劇を救うの項で、ひなたは大人ビリーと、条映映画村の外国人観光客ツアーで再会するのではないかと妄想した。残念ながら、この妄想は外れであったが、ひなたは、キャスティング担当である、アニー・ヒラカワと懇意になる。そして、アニーは、英語を学び続けるひなたに「きっとあなたを思いもよらないところに連れて行ってくれますよ」と告げる。安子編で、ロバートが安子に言ったの台詞と同じであり、これは重要な伏線であるに違いない。
 「サムライ・ベースボール」では、ひなたが出演しなくとも、「サムライ・ベースボール」が大ヒットし、その続編として、例えば、「サムライ・ガール」みたいなタイトルの、女性の侍が主人公の作品が作られる時、アニーがひなたを起用して、渡米のチャンスが訪れる。そして大人ビリーと共演する形で再会と予想する。
 アニー・ヒラカワが登場したシーンの城田優のナレーションでは、アニーは「驚きの女神」と表現されていた。この表現から「アニーは安子なの?」「アニーは安子との知り合い?」といった憶測が増えているが、「驚きの女神」というのは、るいと安子の再会ではなく、ひなたの「侍」になる物語、そして、ビリーとの再会のためのキーパーソンということだろう。
 奇しくも、2022年3月25日放送のEPISODE102では、ハリウッド映画のアクション監督として五十嵐が戻ってきた。なぜ五十嵐がアクション監督なのか、ちょっと不自然な感じがある。しかし、ひなたが英語のアクション女優としてハリウッド映画に進出する展開になるのであれば、不自然ではない。おそらく五十嵐に殺陣の稽古をつけられるのだろう。

 「スター・ウォーズ」エピソード9の「スカイウォーカーの夜明け」で、主人公レイは、話しかけられた老婆に「レイ・スカイウォーカー」と名乗る。同様に「カムカム」の最終話ラストシーンでは、「サムライ・ガール」の主人公を演じるひなたが「大月ひなた。侍になりました」と名乗る。そして「アシガール」黒島結菜にヒロイン・バトンタッチ。完璧である。
(2022/3/28)

アニー・ヒラカワは安子なのか

 ネット上では、2022年3月24日放送のEPISODE101から登場した、アニー・ヒラカワが安子なのか、それとも安子の友人なのか、ミルクボーイの漫才状態の様な安子=アニー論争で持ち切りである。そこで「カムカム」=「スター・ウォーズ」オマージュの観点から、アニー・ヒラカワが安子なのかどうか考えてみたい。

 安子はダース・ベイダー=アナキン・スカイウォーカーのポジションなので、るいと安子の和解を考えると、引用すべきなのは「スター・ウォーズ エピソード6 ジェダイの帰還」である。
 エピソード6のストーリーのラストでは、ルーク・スカイウォーカーは、ダース・ベイダー(アナキン・スカイウォーカー)にまだジェダイの善の心が残っていると信じ、説得しにダース・ベイダーの元へ向かう。
 最終的に、ダース・ベイダーは、ルークを救い、逆にパルパティーン皇帝(ダース・シディアス)を倒す。しかし、その争いの中でダース・ベイダーは生命維持装置が破壊されてしまう。ダース・ベイダーは、マスクを外してルークに素顔を見せて最期を迎える。

 このエピソードから、「カムカム」の安子とるいの和解のストーリーを類推して妄想するとどうなるだろうか。
 死ぬ間際のヨーダとルークが会話し、最終的にルークがダース・ベイダーの元へ向かうと決意するところは、2022年3月17日放送の、EPISODE097で、お盆で帰ってきた稔の霊とるいの会話のシーンにあてはまりそうだ。
 このシーンでるいはジョーに、母である安子を探すために「アメリカに行きたい」と告げる。その後、るいはジョーと共に、ロバートがいると思われるシアトルに向かう。ただし、このシアトル訪問では、母・安子の手がかりは掴めなかったようだ。

 この後のるいの母・安子捜索の物語は描かれていないが、「スター・ウォーズ」オマージュでいけば、ダース・ベイダーがルークの父親としての感情を取り戻し、ルークと和解した後に亡くなったように、るいと安子の再会は安子が亡くなる間際ではないかと考えられる。
 そう考えると、現時点(2022年3月31日時点)までのアニー・ヒラカワの描かれ方は、ハリウッド映画のキャスティング・コーディネイターとして、バリバリ働いているので、アニー・ヒラカワ=安子説は成立しにくい
 アニー・ヒラカワは「カムカム英語」の平川唯一先生の親戚であり、また安子・ロバート夫妻は英会話教育に携わっていたので、アニーと安子は親交があったと考える方が自然である。アニー=安子を匂わせているのは、藤本有紀先生の壮大な釣りであるというのが私の予想である。
(2022/3/31)

SWオマージュ妄想の答え合わせ

 現時点(2022年3月31日時点)で「カムカム」は残り6回となり、怒涛の伏線回収フェーズに入ってきた。そこで、一連のnote記事において「スター・ウォーズ」オマージュ観点から、妄想してきたネタについて、一旦状況を整理しておくことにしたい。

【妄想1】るいと安子・親子の対立と和解

 スター・ウォーズのエピソード4~エピソード6は、一言でいうと、アナキン・スカイウォーカー(ダース・ベイダー)とルーク・スカイウォーカーの親子喧嘩である。【妄想1】るいと安子・親子の対立と和解あの名台詞のオマージュはどうなったで、以下の通り妄想した。

るい編の最後、もしくは、ひなた編の冒頭までに、誤解がとけて、和解するはず

安子がるいに、"I am your mother." (わたしはあなたの母親です) と言う場面がでてくる


安子とるいの和解のタイミングは、安子が亡くなる間際

安子とるいが再会した時に、るいが謝罪と共に "I love you."と告げる。安子は、"I know."と返答して和解する

 この妄想の結果はまだ決着しておらず、おそらく最終回近くまで持ち越すだろう。また、2022年3月24日放送のEPISODE101から登場した、アニー・ヒラカワが安子なのか、それともアニー・ヒラカワは安子の友人で、そこから安子につながるのか、現時点(2022年3月31日時点)では、まだどちらとも確定することができない。
 
ただし、アニー・ヒラカワは安子なのかの項で述べた通り、アニー・ヒラカワが安子ならば、安子とるいの和解のタイミングは、安子が亡くなる間際ではない。個人的には、アニー・ヒラカワは安子ではなく、安子の友人と予想する。

【妄想2】「スター・ウォーズ」風な劇中劇

【妄想2】「スター・ウォーズ」風な劇中劇では、るい編の冒頭で「逆襲!宇宙海賊船」のポスターが意味ありげに映り込んだことから、以下の通り、妄想した。

「逆襲!宇宙海賊船」の「桃山三郎太」は算太

ひなた編での、戦争・争いの要素にあたるものは「時代劇」で、「スター・ウォーズ」同様の殺陣がみられる

 算太は「振付師」サンタ黒須として、条映映画村に出入りし、また団五ちゃんこと、二代目桃山剣之介とは懇意あり、算太死亡時には、葬式を出してもらう程の中だった。
 「桃山三郎太」が算太であることが明白なシーンは、現時点(2022年3月28日)では出てきていない。しかし、朝ドラ公式アカウントで以下のようなツイートがなされている。

 美術スタッフさん曰く「昔あの映画が大好きな誰かがこっそり貼った」という気になるつぶやきがある。これは算太であることは間違いないだろう。残念ながら、112回という尺に収めるために、桃山三郎太が算太であることのシーンは削られた可能性は高い。ここはぜひ、算太の半生のスピンオフが作られることを期待したい。
 また、ひなた編での、戦争・争いの要素にあたるものは「時代劇」で、「スター・ウォーズ」同様の殺陣がみられると妄想している。安子編の頃の妄想であり、今では当たり前である。そこで、最終回までに、ひなたが侍として覚醒するシーンがあるかどうかで、この妄想の当否を判断したい。

【妄想3】レイア姫・るいと恋愛するハン・ソロは誰か?

 【妄想3】レイア姫・るいと恋愛するハン・ソロは誰か?で、レイア姫のポジションにあたる、るいが、「スター・ウォーズ」のストーリーの通り、ハン・ソロのような男と出会って恋愛し結婚すると妄想した。
 この妄想自体は、ジョーと結婚しているので、的中はしている。ただし、離婚はするだろうとも予想していた。結婚前の自死未遂の一悶着を除けば、夫婦円満の状態が続いているので、これは外れである。

 また「スター・ウォーズ」の名台詞第一位である、レイア姫”I love you.” ハン・ソロ"I know.”のやりとりが出てくるのではないかと妄想していたが、るいとジョーの間では出てこなかった。おそらくこのやりとりが、るいとジョーの間で、今後出てくる可能性は低いだろう。
 そこで、この台詞はるいと安子が和解する、最後のやりとりの中で出てくると、改めて予想し直しているが、現時点(2022年3月31日時点)ではまだ結果は判明していない。これもまた、おそらく最終週までに持ち越されるだろう。

【妄想4】ひなた編で、安子とロバートの子孫は現れるか?

 【妄想4】ひなた編で、安子とロバートの子孫は現れるか?で、ひなた編に安子とロバートの子孫が登場するのではないかと予想した。そして、2022年2月3日放送のEPISODE066で、安子とロバートの子孫と思われる、アメリカ人の美少年ビリーが登場した。ビリーは、るい編の最後(子役ひなた編)で数回登場した以降は、アメリカに帰国して登場はしていない。
 2022年3月28日放送のEPISODE103では、ハリー杉山演じる、アメリカ人成年のジョージが登場した。しかし、ジョージはビリーではない。視聴者の誤読をねらっているというのが筆者の予想である。
 「スター・ウォーズ」的オマージュ観点でいえば、大人ビリーはカイロ・レンであり、ひなたと対決する必要がある。英語を学びはじめたひなたが、時代劇を救うで述べた通り、ビリーはひなたと殺陣で対決する必要があるのである。
 そして、大人ビリーは安子とロバートの子孫として、インパクトのある登場をさせないといけない、と考えると、演じるのはナレーターの城田優一択である。この妄想の結果は、現時点(2022年3月28日時点)では、まだ判明していない。ひなたの行く末が明らかになる時点で判明するだろう。

【妄想5】「たちばな」のレシピは受け継がれるか

 【妄想5】「たちばな」のレシピは受け継がれるかの項で、次の通り予想した。

ロバートが再来日して、ラジオ英語講座を担当する

あんこのおまじないのスキットが、ラジオ英語講座で放送されて、るいがこのスキットを聴く

あんこのレシピが「ローグ・ワン」同様に、綱渡り的につながって、最終的に、るいが「たちばな」を再興する

 まず、るいが和菓子屋を再興したが、あんこのレシピは安子と一緒に作った時の記憶で思い出している。したがって、ロバートと安子が一緒に作って英会話教材のスキットから思い出したわけではないので外れである。
 ここで「スター・ウォーズ」オマージュではなく、「まれ」オマージュではないかとふと思いつき、「まれ」では、ヒロイン希が最終的にパティシエになったので、次のように予想した。

最終的に、ひなたは回転焼き屋を継ぐと改めて予想したい。

 しかし、るいの代わりに回転焼きを作れるようにはなったが、条映映画村の職員が本業なので、これも外れである。
 こうなると、伏線と思しき、EPISODE035でのロバートと安子が「あんこのおまじない」の英語のテキストを作るシーンは、どうやって回収されるのかと気になってしまうが、ここへ来て更に予想外の大きな伏線がぶっこまれてきた。
 2022年3月17日放送のEPISODE096で、るいとジョーは、定一さんの息子が経営するジャズ喫茶 「Dipper Mouth Blues」を訪問する。そして定一さんのひ孫が定一さんの写真の前に、お供えしたおはぎの包み紙が「たちばな」だったのである。

 おはぎを売る「たちばな」が岡山の地で既に再興されていたということであるが、果たして誰が「たちばな」を再興したのだろうか
 私の予想は、ここで、ロバートと安子が「あんこのおまじない」の英語のテキストの伏線が回収されるというものである。「たちばな」を再建したのは、安子の友人であるアニー・ヒラカワの関係者ではないか。アニー・ヒラカワは、ジョージとの会話でも「Okayama」という地名が出てきたとおり、おそらく岡山に親戚がいるはずだ。

 アニー・ヒラカワの関係者の手に渡り「たちばな」が再興された。
 アニーが安子と懇意になり、「あんこのおまじない」の英語のスキットを知り、レシピを知る。「スター・ウォーズ」のデス・スター設計図の様に、綱渡りでつながり、最終的に、アニー・ヒラカワの関係者によって、岡山に「たちばな」が再興された、というストーリーである。
 るい、ひなたによる再興ではないので、一旦は外れとしたが、以上の様に再度予想し直すことにしたい。アニー・ヒラカワの関係者が再興したのかどうかはまだわからないが、誰が「たちばな」を再興したのかは、最終回までに必ず明らかになると思われる。

【妄想6】「暗闇」にひかれる「ひなた」

 これは妄想というよりは考察である。るい編の冒頭の時点(2021年12月28日時点)で、「カムカム」の世界観には、太陽(サニーサイド)と暗闇(ダークサイド)の対比があることを述べた。
 まだるい編の冒頭であり、ひなた編の詳細が全く不明の段階であったが、時代劇と時代劇好きの三代目ヒロイン・ひなたは、どちらの属性なのかは、今後注意してみる必要があるだろうと、その当時は考えたのだった。
 ひなた編も終わろうとしている現時点(2022年3月31時点)では、それも明らかになってきた。脚光の当たるスター俳優・桃山剣之介が太陽であり、斬られ役や死体役を演じる、有象無象の無名の大部屋俳優が暗闇である。
 ただし大部屋俳優たちは、その暗闇から抜け出して、モモケンと同様に、日の当たる道にいきたいと願って日々鍛錬している。そうした人たちの物語を描いたのが「カムカム」という朝ドラだったと考える。

 また、ひなたはいわゆる「ダメな子」として描かれていたので、暗闇属性であり、ダークサイドに墜ちる可能性もあると思っていたが、2022年3月9日放送のEPISODE090では、五十嵐に「ひなたの明るさが、ひなたの放つ光が、俺にはまぶしすぎるんだ」と言われて別れを告げられたので、名前の通り、ひなたは太陽属性なのだろう。
 ひなたはまだ「ひなたの道」の途上である。アニー・ヒラカワに「英語の勉強を続けてください。きっとあなたをどこか、思いもよらない場所まで連れていってくれますよ」と言われていたので、渡米して英語力を活かしたキャリアを積む可能性がある。「ひなたの道」の最終ゴール地点は、ハリウッド映画での、女侍ヒロインひなた誕生ではないかと妄想する。

【根拠4】「鬼の島」=雉真を目指す「桃太郎」の戦い

 2021年12月22日の朝ドラの前番組「おはよう日本」の朝ドラ送りでは、NHKの高瀬アナウンサーによる、「雉真=鬼島→鬼の島である」という考察が行われた。この考察を受けて、桃太郎伝説に従い、以下の通り予想した。

桃太郎伝説にしたがって、雉真繊維と桃太郎・ひなたファミリーが、野球で対決する

「カムカム」ひなた編での「桃太郎」の鬼退治では、ジョーがチューバッカのような犬の姿で登場する

雉真繊維には、雪衣パルパティーンが暗躍している

 2022年3月17日放送のEPISODE096で、桃太郎をはじめ、大月家全員が揃って岡山の雉真家を訪れている。しかし雉真家目的は、算太の新盆と橘家の墓への納骨であり、野球の試合ではなかったので外れである。またジョーが犬の扮装をすることもなかったのでこれもまた外れである。
 意外だったのは、ヒール役だった雪衣がすっかり丸くなってしまったことだ。まるで、YOUが演じた、稔と勇の母である美都里の晩年のようであった。この妄想も、皇帝パルパティーンのように、雉真家と雉真繊維を恐怖支配していたわけではないので外れである。

【妄想】「必殺仕事人」で、ジョーのトランペットは復活するか

 【妄想】「必殺仕事人」で、ジョーのトランペットは復活するかの項で、ジョーは「スター・ウォーズ」でいうところの、ハン・ソロのカーボン凍結状態であり、次の通り予想した。

るいの助けによって、ジョーはトランペットが吹ける状態に治る

ひなた編の最後で、再びジョーが「On The Sunny Side of The Street」を演奏する

 2022年3月22日放送EPISODE099で、ジョーが音楽家として復活することが明らかになったが、トランペット奏者ではなくピアノ奏者としての復活であった。したがって、この予想は外れである。

ジョーが復活する展開になった時に、ランド・カルリジアンのようにトミーが再登場する

 この予想は当たりであるが、少し考えてみれば、ジョーが復活する時に、トミーが再登場して手助けするというのは、当たり前かもしれない。これを予想的中というのは言いすぎかもしれない。

算太が演技指導する「必殺仕事人」ぽい時代劇で、トランペットを吹く

息子・桃太郎が出場する甲子園の試合で、雉真繊維社長を勇退した勇ちゃんが、地元岡山の野球部の指導をする高校と対戦

9回裏ツーアウト満塁、バッターボックスに4番大月桃太郎というシーンで、甲子園のスタンドから、ジョーが演奏する「必殺仕事人」のテーマが流れる。そして逆転サヨナラ満塁ホームラン。

 この妄想も、トランペット奏者としての復活を前提としているので外れである。野球と時代劇とトランペットの組み合わせでの思いつきだが、これもよくよく考えてみれば、「必殺仕事人」は松竹制作の時代劇であり、東映太秦映画村がモデルである、条映映画村が舞台の「カムカム」ひなた編では、禁断のネタであったことに気づくべきであった。

 ジョーがピアノ奏者として復活し、また、トミーのアメリカ公演の中で、るいが「On The Sunny Side of The Street」を歌っているエピソードもあった。最終回までに、ジョー、トミー、るいの「On The Sunny Side of The Street」が聴ける展開はあると改めて予想したい。
(2022/3/31)

SWオマージュ妄想の最終結果

  2022年4月8日に「カムカム」がとうとう最終回を迎えた。「スター・ウォーズ」観点のオマージュによる妄想の結果はどうなったかについて、確認していきたい。

るいの"I love you." に、安子は"I know."と答えるか

 「カムカム」の終盤で出てきた、アニー・ヒラカワについては、安子なのか、安子ではないのか、SNS上では、ミルクボーイの漫才状態の論争が続いていたが、私は以下の通り予想していた。

アニー・ヒラカワは安子ではなく、安子の友人

 次に、るいと安子がどのように和解するかについては、【妄想1】るいと安子・親子の対立と和解と、【妄想3】レイア姫・るいと恋愛するハン・ソロは誰か?で、以下の通り予想していた。

るい編の最後、もしくは、ひなた編の冒頭までに、誤解がとけて、和解するはず

安子とるいの和解のタイミングは、安子が亡くなる間際

安子がるいに、"I am your mother." (わたしはあなたの母親です) と言う場面がでてくる

安子とるいが再会した時に、るいが謝罪と共に "I love you."と告げる。安子は、"I know."と返答して和解する

 まず、アニーが安子かどうかの結果は、アニー=安子であり、予想は大外れであった。この予想の根拠としては、「スター・ウォーズ」のストーリーに基づけば、安子とるいの和解のタイミングは、安子が亡くなる間際になるため、アニーは安子ではないと踏んだのだが大外れである。しかも、安子は100歳になった2025年も健在だった。大外れである。

 次に、るいと安子が和解するのは当たりである。しかし、仮に和解できなかったら、それは脚本破綻レベルのトンデモストーリーである。そんな大外しはしてこないのは当然なので、当たりというより当たり前である。

 最後に、「スター・ウォーズ」のストーリーに基づき、安子が "I am your mother." (わたしはあなたの母親です) と言うシーン、また、るいが安子に謝罪と共に "I love you."と告げ、安子がるいに、"I know."と返答して和解するシーンがでてくるという予想をしていた。EPISODE111放送時、私は「カムカム」を見ながら、次の画像をTwitterのカムカムTLに投稿しようとスタンバイしていた。

 しかし、るいの"I love you."の台詞はあったが、"I know.”まではなかった。さすがに、ここに安子の"I know."をぶっ込んだら、やりとりがおかしくなるという判断があったのだろう。きっと藤本有紀は、「スター・ウォーズ」オマージュを泣く泣く自重したのだと解釈したい。

 ちなみに、"I know."の台詞は、安子の台詞ではなかったが、ひなたの台詞として、最終週のEPISODE109冒頭に出てきた。

 "I love you." "I know." のかけあいはできなかったが、"I know."はひなたの台詞としてぶっ込んできた。予想は外したが、やはり藤本有紀は「カムカム」で「スター・ウォーズ」オマージュをやりたかったのだと解釈することにしたい。 

ひなたはアクション女優として「侍」=ジェダイになるか

 【妄想2】「スター・ウォーズ」風な劇中劇の項で、以下の通り予想している。

最終回までに、ひなたが侍として覚醒するシーンがあるかどうかで、この妄想の当否を判断。

 モモケンサイン会で、少女ひなたは「あたし、侍になりたいです」とモモケに宣言した。モモケンはちょっと変わった時代劇好き少女の、荒唐無稽な夢にも「志を失わなければ、きっとなれますよ」と、神対応の返答をする。 「カムカム」=「スター・ウォーズ」オマージュと考えれば、もちろん「侍」は「ジェダイ」である。そして、私は次の通り具体的に予想した。

渡米して、フォース=英語力を活かしたキャリアを積む可能性がある。

「ひなたの道」の最終ゴール地点は、ハリウッド映画での、女侍ヒロインひなた誕生ではないか

轟監督プロデュースの、ひなたとビリーが共演する、外国人向けの時代劇アクション映画が作られる。その映画では、ひなたが演じる主人公はモモケンのような侍であり、対抗するビリーの役どころは小野寺左近のような妖術を使う忍者である。

ひなたが初志貫徹し、時代劇俳優としての「侍」=ジェダイになる

 これらの予想を閃いた時、私は「ひなたの侍=ジェダイ覚醒ストーリーとして完璧だ!」と思った。しかし、結果はまたしても外れた。英語力を活かしたキャリアを積むというのは正解だが、ひなたは安子=アニーヒラカワを受け継ぐ形で、キャスティング・コーディネーター、そして、NHKのラジオ英語講師になった。これらの仕事のために、条映映画村を辞め、個人事務所を立ち上げたので、「侍」=「ジェダイ」という意味では、「士」にはなったというオチではある。
 ひなたが時代劇アクション女優としてハリウッドデビューするというのも外れである。「侍」=「ジェダイ」という設定にこだわりすぎたのが外れの理由であろう。しかし、あと2週間尺に余裕があったならば、また別の展開もありえたと考える。
 キャスティング・コーディネーターのキャリアの前に、時代劇アクション女優の道があってもよかっただろうし、そうなれば「スター・ウォーズ」のレイのように、正真正銘の「侍」=「ジェダイ」を描け、また元カレ五十嵐のハリウッド映画のアクション監督としての出世のエピソードも、ひなたに殺陣の稽古をつけるという設定で活きる形になっただろう。
 この結果は、おそらく尺が112回しかなかったため、やむなく妥協した結果だったと解釈したい。

城田優ビリーは、安子の子孫として現れるか?

【妄想4】ひなた編で、安子とロバートの子孫は現れるか?で、次のように予想した。

ひなた編に、「スター・ウォーズ」のレイにあたる、安子とロバートの子供もしくは孫が登場する

流暢な英語で「カムカム」のナレーションを務める城田優が、安子とロバートの子孫として登場してくる

ビリーはひなたと殺陣で対決する

大人ビリーは安子とロバートの子孫として、インパクトのある登場をさせないといけない、と考えると、演じるのはナレーターの城田優一択

 結果は、最終回EPISODE112のラストシーンで、城田優がビリーであることが判明した。しかし、ビリーは忍者を演じる時代劇アクション俳優ではなく英会話講師として、ひなたと再会した。城田優も川栄李奈も殺陣ができるという知識で、アクション俳優同士で再会すると考えたが、この妄想は外れである。
 また、ビリーが安子とロバートの子孫と予想したが、これは外れではなく、語られなかった、視聴者のご想像にお任せという風に解釈している。
 ジョージが現れた時点で、私は次の家系図を予想した。ジョージはアニーの甥っ子であるということは確定である。また、ビリーはビリーのおじとかつて映画村を訪れている。ということは、ビリーが安子とロバートの子供と仮定すると、次のような家系図が成り立ってもおかしくない。

 ビリーが安子とロバートの子供であると明言されなかった理由は2つあるだろう。1つは、不倫や再婚を嫌う、保守的な女性視聴者のクレーム回避である。個人的には、ドラマはフィクションであり、朝ドラのヒロインが不倫したって再婚したって別にいいと思うのだが、この手の女性視聴者は、フィクションであっても、「不倫」の臭いを感じると、激オコして、NHKのコールセンターに電話してしまうのである。したがって、ビリーがロバートと安子の子供かどうかは曖昧にする形で表現したという見立てである。
 もうひとつの理由は、やはり尺の問題だろう。あと2週間程度余裕があれば、ビリーとジョージの生い立ちと上記のような関係性が描かれたのではないかと予想する。
 いずれにせよ、ロバートと安子の子孫がビリーかどうかは、視聴者の想像にお任せという形で表現されたというのが、私の解釈である。

「たちばな」を再建したのは誰だったか?

 【妄想5】「たちばな」のレシピは受け継がれるかで、「たちばな」は誰によって再建されたか、「スター・ウォーズ」オマージュ仮説に基づき、以下の通り予想した。

アニーが安子と懇意になり、「あんこのおまじない」の英語のスキットを知り、レシピを知る。「スター・ウォーズ」のデス・スター設計図の様に、綱渡りでつながり、最終的に、アニー・ヒラカワの関係者によって、岡山に「たちばな」が再興された、というストーリー

 この予想もまた外れである。「たちばな」を再建したのは、アニー・ヒラカワの関係者ではなく、戦後の岡山の焼け野原で、金太と安子が「たちばな」の暖簾を出し、おはぎを売っていた時に、そのおはぎを盗んだ戦災孤児の少年だった。
 ただし、この再建された「たちばな」は横須賀が本店である。横須賀といえば、戦後は米軍基地となる土地である。おそらく在日米軍のラジオから、「あんこのおまじない」の英語のスキットが流れてきて、誰かが「たちばな」再建を決意するという道も残していたのではないかと推察する。
 「あんこのおまじない」の英語のスキットは、ひなたがアニー・ヒラカワに「あんこのおまじない」の説明をする時に、同じ英語の文章として出てくる形で回収される。少し「スター・ウォーズ」のデス・スターの設計図にこだわりすぎた感があったかもしれない。

おわりに

 2022年5月4日に、「カムカムエヴリバディ」の総集編が放送された。
5月4日といえば「スター・ウォーズの日」
である。SWの名言「フォースと共にあらんことを」の英訳「May the force be with you」のMay(5月)と the force (the 4th=4日)にかけているが、この「スター・ウォーズの日」に「カムカム」の総集編が放送されたのは、偶然ではないだろう。「カムカム」制作陣が「スター・ウォーズ」オマージュを意図していたことの傍証であるといっても過言ではない。

 「カムカムは、朝ドラ版の「スター・ウォーズ」」と想定した一連の記事を書き始めた時には、最終回まで続けられるかどうか余り自信がなかった。「カムカム」本編、総集編の放送終了からだいぶ経ってしまったが、なんとか一連の記事を完結させることができて、ひとまず安堵している。

 なお、「カムカムエヴリバディ」に関しては、総括の意味合いで「カムカム」と「あまちゃん」を比較して考察した、次のようなnote記事も書いた。

 2万字を超えるボリュームになったが、「カムカム」を最後まで見て楽しんだ視聴者にとっては、読み応えのある記事を書けたと自負している。ぜひ参考にしていただければ幸いである。
 最後に、「カムカム」という毎日楽しませてくれる朝ドラを作っていただいた、全ての朝ドラ制作陣の方々に本当に感謝したい。今後も「カムカム」のような、妄想クレイジー記事を書けるまで楽しんでしまう朝ドラが出てくることを期待して、筆を置くことにしたい。
(2022/5/17)

修正履歴

2022年 5月17日 (総集編放送後)時点
以下、追加。
「SWオマージュ妄想の最終結果」
「おわりに」

2022年 3月31日 (EPISODE 106 終了)時点
以下、追加。
「アニー・ヒラカワは安子なのか」
「SWオマージュ妄想の答え合わせ」

2022年 3月28日 (EPISODE 103 終了)時点
以下、追加。
「ひなたはビリーと再会できるか?」

2022年 3月11日 (EPISODE 092 終了)時点
以下、追加。
「英語を学びはじめたひなたが、時代劇を救う」

2022年 3月3日 (EPISODE 086 終了)時点
以下、追加。
「「侍になりたい」ひなたは五十嵐と結ばれるのか」

2022年 2月23日 (EPISODE 080 終了)時点
以下、追加。
「ビリーは安子・ロバートの子孫なのか」
「【妄想】「必殺仕事人」で、ジョーのトランペットは復活するか」

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